松たか子
2月中旬の夕方、東京都内の児童館に現れたのはすっぴんにシンプルな黒のニットという飾り気のない装いの女性。
「日曜日だったので、10組近い親子でごった返していました。松たか子さんによく似た人がいるなと思っていたんですが、声を聞いたら間違いなく本人! あまりにもオーラがなくて(笑)、気づきませんでした。娘さんもブランドものではないごく普通の服を着ていました」(目撃した女性)
誰でも無料で利用できる親子の遊び場に、まさか有名女優がマスクもつけずに来ているとは思わないだろう。
「松さんは昨年の『カルテット』(TBS系)以降、テレビドラマに出演していません。娘が3歳になり、子育てのいちばん大変な時期を過ぎたとはいってもまだまだ手がかかるもの。長時間拘束されてしまうドラマや映画より、育児の時間が作りやすい音楽活動をメインにしているんです」(テレビ誌ライター)
『カルテット』では共演陣とともに主題歌を歌っていた。
「作詞・作曲を手がけた椎名林檎さんは、松さんの歌唱力を高く評価していますよ。NHKの朝ドラ『わろてんか』の主題歌『明日はどこから』も歌っていて、昨年の紅白にも出場。映画『アナと雪の女王』の『レット・イット・ゴー』から、シンガーとしての実力も知られるようになりましたね」(音楽ライター)
芸能活動は音楽に絞り、娘との時間を大切にしている。この児童館にもよく姿を見せているらしい。
「松さんの娘さんが“いつものおもちゃで遊びたい”と言っていました。母娘でよく通われているのでしょう。私以外の親子はびっくりした様子を見せていませんでした」(前出・目撃した女性)
仕切りのないワンフロアで、親子がワイワイ遊べるようになっている。和やかに過ごしていたが、そのうちちょっとした事件が発生した。
「松さんの娘さんがほかのお子さんとおもちゃの取り合いになっちゃったんです。でも、松さんは“大丈夫ですよ。どうぞ”とやさしい声でおもちゃを譲ってあげていましたね」(同・目撃した女性)
児童館ではよくある光景だが、トラブルになってしまうことも多い。
「慣れていないと“子どもの争いに親が口を出していいものなのか”とためらってしまうもの。逆に、自分の子に“そんなことしちゃダメよ!”と声を荒らげてしまう場合もあります。
でも、松さんはとても自然に声をかけておもちゃを譲っていました。誰もイヤな気持ちにさせない、ママとしての“気遣い”を感じましたね。いつもほかの親子と交流されているから、ナチュラルな対応ができるんだと思います」(同・目撃した女性)
松は『レット・イット・ゴー』で“ありのままの自分になる”ことの素晴らしさを歌っていた。歌手・女優として忙しい毎日を送りながら子育てにも全力を注ぐ彼女は、ありのままの姿で輝いている。