cat_oa-rp75450_issue_c7dba34a609c oa-rp75450_0_c7dba34a609c_明治大学、飲料の後味が持続する電気刺激手法を開発 c7dba34a609c c7dba34a609c 明治大学、飲料の後味が持続する電気刺激手法を開発 oa-rp75450

明治大学、飲料の後味が持続する電気刺激手法を開発

 明治大学総合数理学部の宮下芳明教授らは、電気刺激によって咽頭で感じる後味を強くし、後味の持続時間を長くする手法を開発し、山梨県北杜市で開催されたWISS2018(第26回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ:2018年9月26日~28日)にて発表を行った。

 電気刺激を用いて味覚の提示や抑制・増強を実現する手法は、これまでに数多く提案されているが、それらの研究の多くは口腔内が対象とされてきた。味蕾(味を感知する味細胞の集団)は口腔内だけでなく咽頭にも存在することから、同研究グループは、咽頭で感じられる後味に着目し、電気刺激手法の開発に成功した。

 顎の下に陽極を置き、首の後ろに陰極を配置するような形で電気刺激を行い、その状態で飲料を飲むことで、甘味あるいは酸味のある市販飲料の後味が強く感じられたり、後味を感じられる時間が長くなるという効果が得られたのだ。本成果により、飲み込んだ後の後味に対しても、電気刺激が有効であることが示されただけでなく、従来、電気刺激による味覚の制御が難しかった甘味が含まれる飲料に対して、後味の増強が可能であることも確認できた。

 今後、五基本味(甘・旨・塩・酸・苦)全てを対象として、どの味質にこの電気刺激が有効であるかを明らかにし、本手法のメカニズムを解明することで、後味の強さや持続時間の長さを制御し、食生活の向上へと繋がっていくことが期待される。

論文情報:【第26回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ (WISS2018) 論文集】下顎部電気刺激を用いた咽頭での後味の増強・持続時間延長

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cat_oa-rp75450_issue_c7dba34a609c oa-rp75450_0_ad60517a879a_世界で初めて半導体ソフトエラー発生率を「連続的」に実測、名古屋大学と北海道大学など ad60517a879a ad60517a879a 世界で初めて半導体ソフトエラー発生率を「連続的」に実測、名古屋大学と北海道大学など oa-rp75450

世界で初めて半導体ソフトエラー発生率を「連続的」に実測、名古屋大学と北海道大学など

 日本電信電話株式会社(NTT)、名古屋大学、北海道大学は共同で、中性子の持つエネルギーごとの半導体ソフトエラー発生率を「連続的な」データとして実測することに、世界で初めて成功した。

 宇宙から降り注ぐ宇宙線が、大気圏中の酸素や窒素に衝突すると中性子が発生し、この中性子が電子機器の半導体に衝突すると、保存データが書き変わる現象「ソフトエラー」(注)が生じる。今後、半導体の高集積化・微細化が進むと中性子の影響を受けやすくなり、ソフトエラーによる故障を考慮した半導体・システム設計が重要となる。

 多様な環境でのソフトエラーによる故障数の算出には、ソフトエラー発生率のエネルギー依存性(中性子が持つエネルギーごとのソフトエラー発生率)の詳細なデータが不可欠。しかし、従来は飛び飛びのエネルギーに対応したデータしか得られず、ソフトエラーによる故障数を正確に算出できなかった。

 研究では、光速に近い中性子のエネルギーを「飛行時間法」で特定するため、数ナノ秒(10億分の数秒)でソフトエラーを検出できる高速エラー検出回路を開発した。実験は米国ロスアラモス国立研究所の高出力800MeV陽子線形加速器施設で実施。その結果、1MeVから光速に近い800MeVまでの非常に広範囲なエネルギーの中性子によるソフトエラーの測定を可能とした。

 これにより、地上から上空・宇宙・他惑星などあらゆる環境下での中性子起因ソフトエラーの故障数を算出できる。今後、宇宙ステーションでの半導体信頼性の評価、半導体の材料レベルのソフトエラー対策、加速器によるソフトエラー試験、さらにはソフトエラーの発生過程シミュレーションへの適用など、さまざまな領域への貢献が期待される。

注:デバイスの再起動やデータの上書きによって回復する一時的な故障。

論文情報:【IEEE Transactions on Nuclear Science】Energy-resolved Soft-Error Rate Measurements for 1-800 MeV Neutrons by the Time-offlight Technique at LANSCE
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cat_oa-rp75450_issue_c7dba34a609c oa-rp75450_0_1c2a84e1d967_立教大学、法学部国際ビジネス法学科に「グローバルコース」を2022年4月開設 1c2a84e1d967 1c2a84e1d967 立教大学、法学部国際ビジネス法学科に「グローバルコース」を2022年4月開設 oa-rp75450

立教大学、法学部国際ビジネス法学科に「グローバルコース」を2022年4月開設

 立教大学法学部は、2022年度から、法律の観点から外国企業との取引のための交渉や、紛争の予防・解決に向けた考え方について学び、国際舞台で通用する法知識とセンスを磨く「グローバルコース」を国際ビジネス法学科内に設ける。

 「グローバルコース」は、原則、英語のみで学位取得が可能なコースだが、日本語で展開される科目についても、学生個々の興味関心により履修可能。入学後最初の1年半で契約、所有権、損害賠償といった取引の基礎となるルールを英語および日本語で学ぶことができる。

 1年次に【Introduction to Legal Studies】、【Law and Society in Japan】、2年次以降に英米法や比較憲法などの英語科目を学ぶことにより、日本の法システムを相対化する視点を養う。法律だけでなく交渉術に関する基礎的な素養や、【Legal writing】といった書面作成術を英語で学ぶことにより、得られた知識を発信するための能力を修得できるようになる。

 また、海外留学を推奨し、立教大学が国際交流協定を結ぶ26カ国・地域95大学(2020年11月26日現在)に加え、法学部が学部間交流協定を結ぶシンガポール経営大学(法学部)も留学先に選ぶことができる。また、夏休み4週間をオックスフォード大学の寮で過ごしながら西洋文化とイギリス法などを学ぶ「オックスフォード・サマープログラム」については、グローバルコースの学生が優先して派遣される。

 法学部国際ビジネス法学科グローバルコースの募集人員は、38名(うち8名は外国人留学生)。国際コース選抜入試で募集。入試に関する情報は2021年5月公開予定の入試ガイドおよび6月公開予定の入試要項で要確認。

参考:【立教大学】立教大学 法学部国際ビジネス法学科 2022年4月「グローバルコース」開設

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cat_oa-rp75450_issue_c7dba34a609c oa-rp75450_0_bc08d6dafc40_筑波大学、宇宙生命科学のコンソーシアムで解析技術活用へ bc08d6dafc40 bc08d6dafc40 筑波大学、宇宙生命科学のコンソーシアムで解析技術活用へ oa-rp75450

筑波大学、宇宙生命科学のコンソーシアムで解析技術活用へ

 筑波大学は宇宙生命科学研究の国際コンソーシアムが設立され、日本も参加するのに伴い、遺伝子やゲノムの解析分野で微量サンプルの解析などで主導的な役割を果たす方針を明らかにした。国際的な研究者ネットワークのよる精度の高いデータ解析で、宇宙の有人探査を目指す研究がスピードアップすると期待されている。

 筑波大学によると、人類が宇宙へ進出するためにはロケットなどハードウエアの開発と同時に、地球上と異なる重力環境や放射線が人体にどのような影響を与えるのかを理解し、対策を講じる必要がある。特に長期の宇宙旅行や月、火星での長期滞在の影響はまだ分かっていない部分が多い。

 国際宇宙ステーションなどでの実験では、宇宙飛行士や実験用動物から採取されるサンプルを詳しく解析しなければならない。そのために必要と考えられているのが、さまざまな生物分子学的、生化学的な情報を網羅的に収集し、解析するオミックスで、筑波大学はこれまで、宇宙航空研究開発機構とともに、国内で先導的な役割を果たしてきた。

 今後は医学医療系トランスボーダー医学研究センターの村谷匡史教授を代表者とし、過去の実験データなどをデータベース化したうえで、ロボットや人工知能を用いた解析の環境を整える。それを踏まえて計測の標準的な方法や実験手法を確立させる。

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cat_oa-rp75450_issue_c7dba34a609c oa-rp75450_0_296d4bfe8064_北海道の神経疾患患者にダニ媒介性脳炎ウイルスの抗体 296d4bfe8064 296d4bfe8064 北海道の神経疾患患者にダニ媒介性脳炎ウイルスの抗体 oa-rp75450

北海道の神経疾患患者にダニ媒介性脳炎ウイルスの抗体

 北海道大学大学院医学研究院の佐々木秀直名誉教授、矢部一朗准教授、長崎大学感染症共同研究拠点の好井健太朗教授らの研究グループが、北海道内の神経疾患患者と健常者を対象にダニ媒介性脳炎ウイルスの感染状況を調べたところ、3人から直近の感染、5人から過去の感染が見つかった。大規模なダニ媒介性脳炎の感染調査は国内で初めて。

 北海道大学によると、研究グループは2010~2018年に集められた道内の神経疾患患者と250人の健常者の血液を調べ、過去にダニ媒介性脳炎ウイルスに感染したことを示す抗体があるかどうかを調べた。
その結果、髄膜炎や脳炎など炎症性疾患の患者のうち、3人から直近の感染を示す抗体が発見され、ダニ媒介性脳炎だったことが分かった。さらに、神経疾患患者4人と健常者1人から過去にウイルス感染があったことを示す抗体が検出された。

 ダニ媒介性脳炎はマダニが媒介する感染症で、ユーラシア大陸全体で年間1万人の患者が発生している。重篤な脳炎による神経疾患を引き起こし、致死率が高い。北海道では5人の患者が確認され、うち2人が死亡しているが、日本ではダニ媒介性脳炎ウイルス感染状況がよく分かっておらず、見過ごされていた患者がいると疑われている。

 今回の調査でダニ媒介性脳炎ウイルスに感染して脳炎や髄膜炎を発症した人が確認されたことから、研究グループは感染調査など研究をさらに進めることにより、ダニ媒介性脳炎の流行を抑える方策の立案につながるとみている。

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cat_oa-rp75450_issue_c7dba34a609c oa-rp75450_0_e9fbace86914_在宅介護ロボットの開発と社会実装の倫理的課題 3か国で大規模調査 e9fbace86914 e9fbace86914 在宅介護ロボットの開発と社会実装の倫理的課題 3か国で大規模調査 oa-rp75450

在宅介護ロボットの開発と社会実装の倫理的課題 3か国で大規模調査

 千葉大学大学院看護学研究科の諏訪さゆり教授、フロンティア医工学センターの兪文偉教授らの国際共同研究グループは、日本・アイルランド・フィンランドの高齢者・家族介護者・在宅ケア専門職を対象に、在宅介護ロボットの研究開発と社会実装に関する倫理的課題をどのように認識しているか、大規模なアンケート調査を実施。3か国合計1,004人(日本528人、アイルランド296人、フィンランド180人)の回答から、在宅介護ロボットに関する各国での認識の特徴が明らかになった。

 超高齢社会の日本では、介護者の不足に備え、在宅介護ロボットの開発と社会実装が喫緊の課題となっている。また、日本では、既に様々な介護ロボットが開発されており、介護ストレスの緩和や安全安心の獲得などのベネフィットは大きいと言われているが、高齢者とロボットの接触による転倒・骨折、プライバシーの侵害、行動制止といったリスクもあることから、倫理的課題は大きく、社会実装や普及には至っていない。さらに、在宅介護ロボットの開発では、ユーザーとなる高齢者が研究開発に参加し、効果を検討することが必要だが、認知症などによって意思決定能力が低下した方々の参加も必要とされることから、より丁寧な倫理的配慮が求められる。

 そこで、研究チームは、在宅介護ロボットの研究開発と社会実装に関する倫理的課題をどのように認識しているかを明らかにするため、日本・アイルランド・フィンランドの3か国での比較アンケート調査を実施。調査では、「在宅介護ロボット」を『形状はさまざまであるが、高齢者とその周囲を感知し見守る機能や、双方向で会話ができるコミュニケーション機能などの高齢者と介護者の支援機能を持っている機器、システムの総称』と定義。「ロボットとのかかわり」、「在宅介護ロボットの使用意思」、「在宅介護ロボットの開発に参画する際のリスクとベネフィットに関する認識」などについて聞いた。

 調査結果から、日本では、“国民がロボットに対する親しみの感情を持てるような機会”を作ることが、今後在宅介護ロボットを開発し広く実装するために大切であると明らかになった。アイルランドでは、“人々の介護に関するボランタリズムを育むこと”で、在宅介護ロボットの研究・開発に参加に関する意識が高まることが示された。フィンランドでは、第一に“在宅ケア専門職による質の高いケアが在宅介護ロボットの実装を促進すること”が示され、在宅ケア専門職の教育そのものがロボットの実装においてもたいへん重要であることが明らかになった。

 また、アイルランドとフィンランドの両国では、在宅介護ロボットの使用にかかわらず人間同士の交流を大切にする介護を受けられる権利の保障が重要視されていることが分かり、日本においても高齢者の尊厳や権利擁護について啓発することが在宅介護ロボットの開発や実装においても必要であることが示された。

論文情報:【Journal of Enabling Technologies】The essential needs for home-care robots in Japan投稿 在宅介護ロボットの開発と社会実装の倫理的課題 3か国で大規模調査 は 大学ジャーナルオンライン に最初に表示されました。

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cat_oa-rp75450_issue_c7dba34a609c oa-rp75450_0_547886dff23b_筑波大学、2021年度から総合学域群で学生受け入れ開始 547886dff23b 547886dff23b 筑波大学、2021年度から総合学域群で学生受け入れ開始 oa-rp75450

筑波大学、2021年度から総合学域群で学生受け入れ開始

 筑波大学は2021年度から一般入試の前期日程に総合選抜を導入し、合格者を総合学域群で受け入れる。新たなリベラルアーツ教育の「総合智教育」を推進するためで、すべての1年生が自分の専門としたい分野だけでなく、複合的な視点からさまざまな分野の基礎を学習する。

 筑波大学によると、筑波大学は国の高大接続改革に呼応して新しい教育と入試システムの導入を進めており、今回の決定もその一環。総合選抜はこれまでの入試出願時に学類・専門学群を決めるのと異なり、前期日程募集人員の約3割を総合選抜として集める。

 区分は文系、理系Ⅰ、理系Ⅱ、理系Ⅲとし、学群・学類より幅広く設定する。理系のうち、理系Ⅰは物理学の素養が必須、理系Ⅱは特定分野にこだわらない、理系Ⅲは数学に重点を置く。

 総合選抜に合格した学生は総合学域群で受け入れ、2年次に学類・専門学群に移行するまでの間、さまざまな専門分野基礎を学ぶ。どの専門科目を受講するかは学生が設定する学類・専門学群移行先、本人の関心で決まる。その後は入試の区分に縛られることなく、体育専門学群を除くすべての文系、理系の学類・専門学群に移行を可能とする。

 筑波大学は多様な分野を見渡す力を持ち、確かな専門的知識に基づいて学際的研究を先導する人材養成に力を入れているが、そのためにはリベラルアーツ教育の充実が欠かせないと判断した。

参考:【筑波大学】令和3年4月から総合学域群での学生の受入開始
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cat_oa-rp75450_issue_c7dba34a609c oa-rp75450_0_abfc719e5325_文系と理系の知を融合 シルクロードから新たな地平へ【帝京大学】 abfc719e5325 abfc719e5325 文系と理系の知を融合 シルクロードから新たな地平へ【帝京大学】 oa-rp75450

文系と理系の知を融合 シルクロードから新たな地平へ【帝京大学】

左)山内和也 教授:テヘラン大学人文学部修士課程修了。平山郁夫シルクロード研究所、東京文化財研究所等を経て、2016 年より現職。専門分野は、西アジア・中央アジアの考古学・文化史ほか。

右)藤澤明 准教授:東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。東京文化財研究所等を経て、2014 年より現職。専門分野は、保存科学、文化財科学、金属加工学。

撮影/戎谷康宏 場所/帝京大学文化財研究所
 


文系と理系の知を融合シルクロードから新たな地平へ

「アク・べシム」という遺跡をご存知だろうか。中央アジアのキルギス共和国北部にある、シルクロード沿いの交易都市の遺跡だ。三蔵法師で知られる玄奘が訪れ、唐代の詩人・李白の生まれた場所とも言われる。この地で2016年から発掘調査を行っているのが、「帝京大学シルクロード学術調査団」だ。山内和也教授、藤澤明准教授ら帝京大学文化財研究所および帝京大学文学部史学科の教員を中心に、遺跡の発掘を通して当時の人びとの暮らしや文化を解き明かそうとしている。その成果はめざましく、漢字の書かれた瓦片を発見することで、唐の築いた最西端の軍事拠点「砕葉鎮(さいようちん)城」の跡であることを確認したほか、美しい石造りのモザイクを掘り起こし現地の人たちを驚かせた。


 そして今、この遺跡を舞台に山内教授・藤澤准教授らは遺跡発掘にとどまらない、新たな取り組みを始めようとしている。発掘によって過去を探索するだけではなく、いわば〝未来〞をも見出そうとする試みだ。山内教授は言う。

 「これまで私たちはベーシックな考古学という観点を軸に研究をしてきました。これに加えて今後は、帝京大学グループを中心にさまざまな分野の専門家である先生に集まっていただくことを考えています。すでに医学部や理工学部の教授たちと新たな発想でアプローチする方法を話し合っています」

 藤澤准教授によれば、医学の先端研究を基に「考古医科学」や「考古生体有機化学」などと位置づけて研究を行えば、従来にない調査手法を生み出しうるという。「例えば、考古DNA解析。この技術を活用すれば土壌や水などの環境の中から、そこに生息した生物由来のDNAを分析することができます。遺跡の地中をボーリングして何百年分かの土壌を抜き出し、下から順番に解析していけばさまざまな情報が得られるはずです。この手法であれば、出土した動物の骨や植物の種子などを分析するのとは異なり、当時生息していた生物種の全体像や環境がより具体的に分かるのではないかと考えています」

 今までの発掘ではかかわることのなかった領域の知見を生かした方法論を試みることで、遺跡からより深い情報を引き出すことが彼らの狙いだ。新たな手法を導き出すことは、多くの発掘にも大きな成果をもたらすだろう。だがそれ以上に、新手法へのアプローチは新たな学問を生み出すことであり、文化財調査とは別側面からの社会貢献となる。文系と理系の知の融合。それは、さらなる可能性を広げ、価値の創造につながっていく。二人は、そう信じている。

「私たちはずっと過去ばかりを見つめてきましたが、これからは未来にもどんどんつなげていこうと思います」。そう言って山内教授は微笑んだ。

 シルクロードの遺跡から新たな地平へ。
 今、〝未来〞の発掘が始まろうとしている。
 


 

01. 山内教授は帝京大学シルクロード学術調査団の団長を務め、藤澤准教授は文化財の保存修復や科学的調査を担当。二人は前職時代に上司・部下の関係にあったこともあり、文系・理系の垣根を越えて篤い信頼で結ばれている。

02. 帝京大学シルクロード学術調査団は2016 年設立。これまで8 回の現地調査を行い、来年は東方キリスト教会の発掘に着手する。

03. 2018 年には、モザイク状の石敷き遺構を発見。このような石敷きは中央アジアでは極めて珍しく、地元で大きな話題となった。

04. 発掘した金属製品は、キルギス政府の信頼を得て、一旦日本に持ち帰り保存修復を行った後、現地に戻されている。
 

帝京大学文化財研究所の研究動画はこちらからご覧いただけます。
https://www.teikyo-u.ac.jp/teikyolab/lab003
 

帝京大学
本部広報課 TEL.03-3964-4162
〒173-8605 東京都板橋区加賀2-11-1
https://www.teikyo-u.ac.jp/
 
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奈良・明日香村の中尾山古墳、石槨内部に精巧な加工

 関西大学文学部考古学研究室と奈良県明日香村教育委員会は明日香村平田の中尾山古墳で発掘調査を行い、古墳の大きさを正確に把握するとともに、八角形の墳丘内に横口式石槨を備えることを確認し、精巧な加工技術と朱塗りが施された石槨内の構造を明らかにした。関西大学考古学研究室は天皇陵の可能性が高まったとみている。

 関西大学によると、調査は中尾山古墳の構造、規模など全貌を明らかにするために、9月から進めてきた。その結果、中央部の墳丘は高さが5メートル以上ある3段構造で、その外側に3重の石敷きが見つかった。

 内部は火葬した被葬者の遺骨を入れる石室が10個の巨石で構築されていた。石の表面は磨かれており、同時代の他の古墳ではこのような石室が発見されていない。約0.9メートル四方の石室内はすべて水銀朱が塗られていた。

 使用された石材の総重量は約560トン。関西大学文学部の米田文孝教授は約2万人の労働者が動員されたとみている。この数は極彩色の壁画で有名な近くの高松塚古墳の4倍に相当する。石室内の優れた加工度や天皇陵特有の八角墳であることから、被葬者が天皇かそれに準じた人物である可能性が高いとみられる。

 中尾山古墳は7世紀末から8世紀初頭に築造された終末期古墳。1974年の環境調査で八角形の墳丘内に横口式石槨を備えることが推計されていた。

参考:【関西大学】大王墓特有の八角墳と確定 石室内部に精巧な加工と朱塗り 奈良・中尾山古墳 文武天皇陵の可能性高まる新発見~関大考古学研究室と明日香村教育委員会による古墳発掘調査~(PDF)

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cat_oa-rp75450_issue_c7dba34a609c oa-rp75450_0_545f5d0a9547_心臓が体温で安定・効率的な心拍リズムを刻むメカニズムを、中部大学と東京大学などが解明 545f5d0a9547 545f5d0a9547 心臓が体温で安定・効率的な心拍リズムを刻むメカニズムを、中部大学と東京大学などが解明 oa-rp75450

心臓が体温で安定・効率的な心拍リズムを刻むメカニズムを、中部大学と東京大学などが解明

 中部大学の新谷正嶺助教は、東京大学大学院の樋口秀男教授、東京大学発ベンチャーのUT-Heart研究所取締役の鷲尾巧氏と共同で、心臓が周期的に収縮と弛緩を繰り返す拍動を説明できる数理モデルを開発。心拍リズムの恒常性が生まれるメカニズムを解明した。

 心筋細胞の収縮と弛緩はカルシウム濃度の増減に従って生じると考えられてきた。しかし、心筋細胞内の収縮末期におけるカルシウム濃度の減少は遅いのに、心臓は速やかに弛緩・拡張して新たに血液を充填するという一見矛盾した現象の理由は不明だった。これに対して、2015年に新谷助教らは、ドブネズミの一種であるラットの幼若心筋細胞において、カルシウム濃度の増減周期に一致しない周期で筋節が振動を行う熱筋節振動現象を発見した。

 熱筋節振動は、心筋細胞を体温程度に温めたときに顕在化する、収縮の最小単位である筋節の振動のこと。今回、生きた心筋細胞内の筋節長を、高精密に計測できる実験系を構築して熱筋節振動を詳細に調べ、振動のメカニズムをシミュレーションに基づき解明した。その結果、分離心筋細胞では、心臓の心拍周波数と異なる低周期で細胞内カルシウム濃度が変化しているが、熱筋節振動周波数は心拍周波数と同じだった。熱筋節振動は、カルシウム濃度変化とともに振幅や波形を大きく変えるが、周期は一定に保たれるため、筋節にはリズムの恒常性を維持するメカニズムがあることを発見した。

 熱筋節振動の振動数が心拍に近くさらに弛緩速度が速い性質は、全身に血液を送った心臓が速やかに弛緩し拡張して血液を充填させるために重要な性質とされる。今回の成果は拡張期心不全の事前予知などの医療技術の向上に貢献することが期待される。

論文情報:【Scientific Reports】Mechanism of Contraction RhythmHomeostasis for Hyperthermal Sarcomeric Oscillations of Neonatal Cardiomyocytes投稿 心臓が体温で安定・効率的な心拍リズムを刻むメカニズムを、中部大学と東京大学などが解明 は 大学ジャーナルオンライン に最初に表示されました。

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