4月6日公開の映画『クソ野郎と美しき世界』。4編のエピソードの中から、香取慎吾が主演を務めたエピソード02『慎吾ちゃんと歌喰いの巻』(山内ケンジ監督作品)を最新の場面写真と、現場レポートから紹介する。
この写真はエピソード02『慎吾ちゃんと歌喰いの巻』での一幕。本人役で出演する香取慎吾の自宅である「慎吾の部屋」で、中島セナが演じる歌喰いと会話するシーンだ。香取の表情は真剣で、口数少ない歌喰いの言葉にじっと耳を傾けているように見える。これまでに解禁された情報では、物語の中で香取をはじめ様々な人物が歌えなくなり、その鍵は歌喰いが握っているという話。しかし一方で、最終章であるエピソード04『新しい詩』の特報では、ジャジーなビッグバンド調の楽曲を香取がメインボーカルとなってはつらつと歌い上げている。歌えなくなったはずの香取の歌声がなぜエピソード04で復活したのか。歌喰いと対峙するこのシーンで交わされる会話がヒントになりそうだ。
映画『クソ野郎と美しき世界』の特報。香取の歌声にも注目
役作りについて香取は、2月某日に撮影現場を訪れたとき「芝居はあれこれ準備せず、そのままで臨みます。自分役だからいつも以上にそのままになりそう」と語っていた。実際にあるシーンを撮り終えたばかりの香取と控室前で遭遇したら、言葉通りの自然体だった。別の日に他現場で見た稲垣、草彅と比べると、いちばん普段通りの感じだった。
もうひとつ、この「慎吾の部屋」では、実際に香取が今までに描いてきた絵が部屋中に飾られている。現場取材時に数えてみただけで、22点が確認できた。山内監督は、現在の香取の状況と重ねるように劇中の香取の役柄を、絵を描くアーティストに設定、香取のアトリエに足を運び、「慎吾の部屋」を装飾する作品を選んだという。
映画にはほぼ映らない写真奥の部屋にまで、絵画やイーゼル、絵の具道具一式が張り巡らされていた。本棚にも美術関連書籍がずらっと並ぶ。映画のカット割りの中ですべてを確認するのは難しいが、香取の絵画作品と細部までこだわった「慎吾の部屋」も、本エピソードの注目点だ。
自分の絵を飾られた香取は、「作品をいっぺんに発表した気分。セットの中にあると不思議で、いつも家で飾ったり保管していたりした時と違って見えてきました。そしたら、また新しく描きたい想いがグッと湧き上がったんです」と話した。新しい環境のもとでの香取の今後が楽しみになる一言だった。
Profile:
香取慎吾
1977年1月31日生まれ。2017年9月に「新しい地図」を始動後、SNSでインスタグラムをスタート。画家としての才能も発揮し、3月には香港島中環に初のストリート・アート作品を完成、披露した。4月1日から毎月第1日曜日に7.2時間の生放送番組「新しい別の窓」がAbemaTVで放送開始。
『クソ野郎と美しき世界』
ピアニストのゴローが主役の『ピアニストを撃つな!』(園子温監督)、アーティスト香取慎吾主演の『慎吾ちゃんと歌喰いの巻』(山内ケンジ監督)、そして子を亡くしたオサムを演じる草彅剛が主役の『光へ、航る』(太田光監督)、この3つのストーリーが第4話である『新しい詩』(児玉裕一監督)で完結するオムニバス。4月6日(金)から2週間限定で全国公開。
コートの着色は香取自身によるもの
17年ぶりに香取と共作した山内ケンジ監督
香取の気遣いに緊張していた中島セナも徐々に笑顔を見せた