cat_oa-rp16797_issue_35f0e54a053d oa-rp16797_0_35f0e54a053d_石黒エレナ、インタビュー(2) レースクイーンをめざす、あなたへ 35f0e54a053d 35f0e54a053d 石黒エレナ、インタビュー(2) レースクイーンをめざす、あなたへ oa-rp16797

石黒エレナ、インタビュー(2) レースクイーンをめざす、あなたへ

2018年9月23日 11:40 AUTOCAR JAPAN

もくじ


ー RQの責任、そしてその意味とは
ー レースチームの中におけるRQ
ー 2年間のレースクイーン経験で得たもの

RQの責任、そしてその意味とは

現在、モデル・キャスターなどタレントとして活躍している石黒エレナさんのインタビュー第2回目は、2013〜2014年の2年間に渡って活躍していたレースクイーン(以下、RQ)時代を振り返り、彼女自身が考えるRQの仕事と本質を語ってもらう。そこには表面的な華やかさとは異なった世界があったようだ。

スーパーGTの場合、キッズ・ピット・パドックウォーク、レース中においてもステージイベントや物販などあらゆる場面でRQの姿を見ることができる。

写真撮影に応じたり、お客さんにスマイルを振りまいたりと、なにかと「男臭い」サーキットを華やかに彩る彼女達だが、その華やかさや存在自体にも、もちろん意味がある。


その意味とRQの存在意義とは、石黒さん自身の言葉で語っていただこう。

「RQというお仕事自体はスポンサー様の名前を背負って、スポンサー様やチームと皆さん(お客さん)との懸け橋となり、RQを通してファンになってもらったり、名前や商品を広めるための存在だと思っています」

「初音ミクもレイブリックさんの時も、RQだからフワァーっと軽い感じで動いているのではなくて、RQそれぞれが個々で責任を背負って、スポンサー様やチームを周知してもらうために場面場面で動く。そういう意識が強い方に囲まれていたので、すごく大事なお仕事だなというのは、自分でも感じていました」

「たとえばステージイベントの『ギャル・オン・ステージ』では、レース好きの方はもちろん、週末にちょっとレースを見に行こうという感じで来たいただいたお客さんにも、チームを良く知ってもらうために事前に女の子同士でトークの内容を相談するんです」

「チーム名やゼッケン、監督や選手の名前などはもちろんですが、それ以上の魅力をどう伝えるかを考えていました」















レースチームの中におけるRQ

広告塔として、チームの中では直接お客さんに対することが多いRQという仕事。彼女が所属していたチームでは、イベントや物販、来客の対応などでレース期間中、ほとんど休憩の時間も取れないほどだったという。

「今思うと何をしてたのか細かく思い出せないほど、怒涛の2日間でしたね(笑)」

スポンサー・チームをアピールするために、主に外に向けて活動を行うRQ。では、チーム内での関係性はどんなものだったのだろうか?


「初音ミクの時は、ドライバーが谷口(信輝)さんと片岡(龍也)さんで、走るお笑い芸人って言われているくらいだったので、チーム全体が和気あいあいとして、仲が良かったですね。移動や空き時間には、いろいろな話もしましたし」

「ただ、レース中はシリアスな状態なので、ドライバーさんとは一切話しをしなかったですね、レース中は、ピットに入ることがあってもエンジニアさんの邪魔にもならないように。360°目を配って、かなり気を使っていました」


「エンジニアさんにちょっとでも『そこどいて』と言われるようなことがあったら、その子の非といいますか、そんなこと自体は起きてはいけないことだと思っていましたから」

「もちろんチームにもよりますけど、RQはアピールの方の仕事ですから、レースでは絶対に邪魔にはならないように心がけていました。そういう意味では、皆さんが思っているような、華やかなキラキラしたお仕事ではないですよね」

「RQ同士はひと見知りだったりとか、最初は壁を感じることもありましたが、1年間もありますし、自然と仲良くなってしまいますね。先ほど言ったスポンサー様/チームをアピールする役割ですから、ギスギスした関係では1年間やっていけませんし」

















2年間のレースクイーン経験で得たもの

楽しい思い出を語る際の笑顔とは異なり、真剣な表情で「RQとは?」という質問に答えてくれた彼女。その真剣な表情からは「仕事」に対する真摯な想いを知ることができた。

正面から仕事に取組み、チーム・スポンサーの広告塔として過ごしたRQの2年間。石黒さんにとって、何を得た2年間だったのだろうか。そしてその2年間で得た経験から伝えたいこととは?

「人生経験の中でためになった2年間でしたね。(RQをやらなければ)人生で絶対に触れないようなことなどを経験させていただき、身になったという感じ。華やかと思っていたRQの仕事はスポンサー様の名前を背負っている以上、実は責任重大な仕事なんだということも実感できましたし」


「これからRQを目指すなら。華やかな面だけではなくその仕事をしっかり理解したうえでそれでもやってみようという、そういう女の子が増えてくれればいいと思います。もし、スポンサー様などが何もいわなくても、彼女自身でそうして欲しいなと思いますね。チームの一員として。写真を撮られる時も、たとえばなぜコスチュームのここにRAYBRIGのロゴが入っているのかをわかったうえで頑張って欲しいですね」

石黒さんのRQとしての2年間のエピソードから感じられるのは、スポンサーなどの広告塔として外に向けてアピールするという、役割を全うするプロ意識の高さ。その経験は、現在の企業や商品をアピールするというモデルでの仕事でも役立っているという。

次回はRQの話題を離れて、現在の石黒さんの仕事に対する想い、そして自分自身について語ってもらうことにしよう。

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cat_oa-rp16797_issue_35f0e54a053d oa-rp16797_0_6aa7d7cd9386_【時間をかけて味わう】ホンダe アドバンス(1)長期テスト 好き嫌いを二分 6aa7d7cd9386 6aa7d7cd9386 【時間をかけて味わう】ホンダe アドバンス(1)長期テスト 好き嫌いを二分 oa-rp16797

【時間をかけて味わう】ホンダe アドバンス(1)長期テスト 好き嫌いを二分

2020年9月20日 11:50 AUTOCAR JAPAN

初回 好き嫌いが分かれるホンダetext:Mark Tisshaw(マーク・ティショー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
 
筆者はホンダeのルックスがとても好きだ。同僚の多くも同じ意見。
見た目の良い小さな電気自動車は、同じくらい毎日の暮らしを夢中にしてくれるだろうか。とても期待している。

ホンダe アドバンス(英国仕様)ホンダeに対する反応は、賛否両論。「カセットテープ・プレイヤーみたい」という人もいるし、「凄くカッコいい」と話す人もいる。「ミニカーみたい」「複数のカメラの機能が素晴らしい」「日産キューブとミニをかけ合わせたよう」。色々な意見が寄せられている。
クルマ好きの多くは、1970年代の初代ホンダ・シビックを再解釈したようなスタイリングに、高い評価を与えている様子。初代フォルクスワーゲン・ゴルフにも似ているかも。
クルマ好き以外の反応はどうだろう。ホンダeの場合、好きな人と嫌いな人に、英国では二分されるようだ。どちらでもない、という人は少ない。
AUTOCARでは、これまで何度かホンダeに試乗している。デザインや技術品質、革新性など、沢山の魅力を持っていることは確かめられた。一方で航続距離と価格という、ネガもある。
ホンダeのアドバンスと呼ばれるグレードの英国価格は、2万9160ポンド(408万円)から。政府の補助金を引いた後でも。
このお金があれば、航続距離が2倍近く長く、実用性に優れるプジョーe-208が手に入ってしまう。プジョーも、スタイリングは良い。
試乗評価では伝えられないeの魅力ホンダeは、数字を計算して、頭で買うタイプのクルマではない。心が動かされて買うタイプのクルマだ。高い価格や、充電する回数は気にしない。思わずの、一目惚れ。
一般的に、好き嫌いのはっきり分かれるモデルを作る方が、リスクは少ない。本当に気に入った人は、実際に購入するからだ。もし、特長や個性の薄いホンダeのようなクルマが生まれたら、おそらく失敗するだろう。

ホンダe アドバンス(英国仕様)BMWはミニを再発明し、フィアットは500を復活させた。両車ともに、全員が好きになったわけではないものの、間違いなく高い成功を収めている。加えてホンダeの強みは、スタイリングだけではない。
AUTOCARでの試乗評価の点数は、さほど高くはない。航続距離や価格も含めた総合的な評価をすると、残念ながらプジョーe-208と並ぶと分が悪い。客観的な評価が難しい魅力という部分は、試乗とは別の側面だったりする。
しかし長期テストなら、感性的な部分も含めて評価できる。欠点は受け入れつつ、多くの人に欲しいと感じさせる理由を、確かめることができるはず。
さて、ホンダeを簡単にまとめてみよう。ホンダ製の純EVとしては、欧州で売られる初めてのモデルで、アーキテクチャは専用開発。英国では、エネルギー効率を重視した135ps版のスタンダードと、154ps版のアドバンスとの、2段階のグレードが用意される。
アドバンスの方が装備は充実している。どちらも後輪駆動で、バッテリーのサイズは35.5kWhと同じ。
BMW i3以来の感銘を与えるインテリアスタンダードのeは、218kmの航続距離をうたうが、アドバンスでは201kmへ短くなる。長期テストのクルマでは、エネルギー効率で不利な大径ホイールも履いている。実際に試したところ、現実的な環境での航続距離は180km程度のようだ。
航続距離は、スタンダードのeでも長いわけではない。eの魅力を一番感じるには、アドバンスの方が良いだろう。価格は2500ポンド(35万円)ほど高いが、内容は大幅に充実する。

ホンダe アドバンス(英国仕様)ホイールは16インチだけでなく、17インチも選べ、本当に音質の良いプレミアム・サウンドシステムが付いてくる。冬場に重宝する、ヒーター内臓のフロントガラスも備わる。
長時間観察したくなるインテリアとの出会いは最近少ないが、ホンダeなら、せずにはいられない。筆者がこれほど感銘を受けたインテリアは、BMW i3以来だ。
ホンダeも、i3に似た雰囲気がある。充分なテクノロジーと、興味がそそられる素材感。センスの良い空間にまとまっている。
ボディは、外から見ると小さく感じられるが、中に入ると思いのほか広い。デザインは、新鮮な印象を強く感じさせてくれる。
快適な運転姿勢も取りやすい。サイドミラーはカメラ映像に置き換わり、Aピラーの付け根にレイアウトされたモニターへ、横後方の様子が映し出される。ホンダeのハイライトの1つといえる。
時間をかけてホンダeをしっかり味わう好き嫌いには関係なく、カメラ映像に慣れるには、複数回運転する必要はあるだろう。光学的なミラーより視野が広く、暗い場所での視認性は高い。車線変更時に表示される、緑色のガイドラインが便利だ。
アドバンスの場合、フロントガラス上のリアミラーも、カメラ映像になる。慣れやメリットは、カメラ版サイドミラーと同じ。

ホンダe アドバンス(英国仕様)手始めに、AUTOCARの試乗記事を読み込んでみた。これから数か月、ホンダeをしっかり味わう準備は整っている。
ホンダeが好きな人にとっては、すでに美しさが心を掴んで放さないだろう。それ以外の魅力も、徐々に明らかになっていくはず。多くの人の心も、動かせるかもしれない。
セカンドオピニオン開発最終段階のプロトタイプを、テストコースで運転したことがある。航続距離が短いことは知っていたが、1周を走り終える頃には、その優れた動的性能ですっかり好きになっていた。
高い価格、小さいボディ、実用性に疑問な短い航続距離など、合理的ではない部分は否定できない。いろいろな意見も聞こえてくる。でも、一度好きになったら忘れられないものだ。 James Attwood(ジェームス・アトウッド)
テストデータ◇テスト車について

モデル名:ホンダe アドバンス(英国仕様)
新車価格:2万9160ポンド(408万円)
テスト車の価格:2万9710ポンド(415万円)
◇オプション装備

メタリック塗装:550ポンド(7万7000円)
◇テストの記録

航続距離:177km(過去記録)
故障:なし
出費:なし

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cat_oa-rp16797_issue_35f0e54a053d oa-rp16797_0_ae7ba9e8ecd9_【ブランドらしさを高めた2代目】ロールス・ロイス・ゴーストへ試乗 6.75L V12 後編 ae7ba9e8ecd9 ae7ba9e8ecd9 【ブランドらしさを高めた2代目】ロールス・ロイス・ゴーストへ試乗 6.75L V12 後編 oa-rp16797

【ブランドらしさを高めた2代目】ロールス・ロイス・ゴーストへ試乗 6.75L V12 後編

2020年9月20日 10:20 AUTOCAR JAPAN

ゴーストとファントムとの走り味の違いtext:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
 
ロールス・ロイス・ファントムとゴーストのオーナーの違い。それは、自らの豊かさをどれだけ主張したいか、の違いといってもいい。あるいは、どのようにロールス・ロイスを走らせたいか、の違いでもある。
この2台には、走り味の違いがある。当然のこととして。

ロールス・ロイス・ゴースト(英国仕様)どちらにも、ロールス・ロイスとして固有のリラックスした素地がある。一部のライバルのように、一切の足かせや妥協なしに、運転が心地良い。
例えばベントレーの場合、ラグジュアリーでありつつ、スポーツカーであることも求められる。最高速度は320km/h、とまではいわなくても。
もちろん、その達成を目指した結果は素晴らしい。電圧48Vで高速に作動する、アクティブ・アンチロールバーは、クルマをできるだけ水平に保ってくれる。それでいて、乗り心地は上質なまま。
一方のロールス・ロイスは、スポーツカーである必要はない。長周期での揺れや、多少のボディロールも許されるから、乗り心地の面では有利に働く。
一般道でのゴーストの乗り心地は、車内の静寂によく合う。ゆったりとした周期で、宙に浮いたような感覚がある。さらにファントムより動きが小さく、引き締められた印象を受ける。充分にラグジュアリーであり、快適だ。
車線変更を試みると、後輪操舵が機能し、穏やかに隣の車線へボディが滑る。大きなファントムやカリナンの場合、落ち着いた中にも若干の緩さが伝わってしまう。
オーナーが運転することにも腐心されている高速域で鋭い起伏などを通過すると、リアタイヤが横方向へ不意に小さく振動することに気付いた。フロントのサスペンションからのノイズも、わずかに耳に届く。ただし、相当運転に集中していた状況に限る。
車内空間の静寂さで、余計に目立ってしまうのかもしれない。ステレオのボリュームを上げれば済む。

ロールス・ロイス・ゴースト(英国仕様)ステアリングホイールの操舵感は、適度に軽く、レシオの設定も穏やか。精度は極めて高いものの、手のひらに伝わる感触はほとんどない。不思議なことに、多くのスポーツカーの重たいステアリングより、印象的で好感触なものに感じられた。
セルフセンタリングは、多くのビッグサルーンほど強くはない。積極的にステアリングホイールを握り変えてもいいけれど、静かな車内では大きな操作音になってしまう。穏やかに切り替えす方が、ゴーストには合っている。
それ以外の操作系の重み付けも、素晴らしい。ゴーストは、運転してもらうだけでなく、運転することにも腐心されている。狙った通りの制動距離で停止し、再び滑らかに発進する。
相当な加速力を味わうこともできる。かなり楽しい。最高速度は249km/hに制限されている。車重は2490kgもあり、前面投影面積も大きいが、すぐにスピード・リミッターには当たりそうだ。
強いエネルギーを求めれば、エンジンは沈黙を破る。高級感のある響きを、控えめに車内へ届ける。8速ATは、ドライバーが段数を選べないが、反応は良い。
見事なまでにロールス・ロイスロールス・ロイスのゴーストらしい穏やかなペースで走らせれば、エンジンの放つサウンドをドライバーが聞くことは、ほぼない。ATが変速したことすら、気付かないはず。
このパワートレインは、電動化されていない、オールドスクールな大排気量エンジンの最後の1つ。6.4km/Lと燃費は悪いものの、とてもスイートだ。一方で、静かで力強い、純EVに似たドライビング体験を得ていることは皮肉でもある。

ロールス・ロイス・ゴースト(英国仕様)筆者の予想では、純EV版のロールス・ロイスも、2030年までには登場するだろう。電気自動車の走り味は、大きなラグジュアリー・サルーンにぴったり合うものだと思う。
しかし2020年の今選べるのは、大きなV型12気筒エンジンのみ。エンジンブロックにロールス・ロイスの刻印があるかどうかは関係ない。最新のゴーストは、見事なまでにロールス・ロイスだ。
ロールス・ロイス・ゴースト(英国仕様)のスペック価格:24万9600ポンド(3394万円)
全長:5546mm
全幅:1950mm
全高:1550mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:4.8秒
燃費:6.4-6.6km/L
CO2排出量:347-358g/km
乾燥重量:2940kg
パワートレイン:V型12気筒6749ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:571ps/5000rpm
最大トルク:86.5kg-m/1600rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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cat_oa-rp16797_issue_35f0e54a053d oa-rp16797_0_78923fd71dfa_【恵まれたSUV】ホンダCR-V ハイブリッド(最終回)長期テスト 好印象を生む穏やかさ 78923fd71dfa 78923fd71dfa 【恵まれたSUV】ホンダCR-V ハイブリッド(最終回)長期テスト 好印象を生む穏やかさ oa-rp16797

【恵まれたSUV】ホンダCR-V ハイブリッド(最終回)長期テスト 好印象を生む穏やかさ

2020年9月20日 07:20 AUTOCAR JAPAN

最終回 多くのクルマに乗れる恵まれた仕事text:Mitch McCabe (ミッチ・マッケイブ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
 
「#Blessed(恵まれている)」。筆者がインスタグラムなど、SNSで目にするハッシュタグだ。
恵まれた仕事だと思う。多くのクルマを試乗できる。当たり前のことではない。同時に、注目を受けることも少なくない。

ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)時々ガソリンスタンドへ、真新しいクルマ数台を連ねて給油に立ち寄る。クルマ好きのドライバーから、振り向かれることも多い。筆者には手が届かない、高級車のこともある。排気量や燃費も聞かれる。
いつも、自分がオーナーではないことを丁寧に説明する。さらに興味を持った人へは、知っている情報を伝え、車内を紹介することもある。
ポルシェやランボルギーニなど、エキゾチックなモデルではよくあることだ。でも、スーパーカーではないホンダCR-Vハイブリッドでも、似たような体験をするとは想像していなかった。
英国人のCR-Vへの感心度を、過小評価していたのかもしれない。2019年では、CR-Vは世界で最も数多く売れたSUVだった。筆者の考えが違っていたのだろう。
ある霧の深い夜、給油中に隣のポンプへ大型トラックが停まった。1人の男性降りてきて、筆者へCR-Vの感想を聞いてきた。ハイブリッド版を選ぶべきかどうか。
彼の話では、歴代のCR-Vを乗り継いできたのだという。次に乗り換えるクルマを検討していた。わたしの正式回答は、この長期テストの最終回で導かれる。
好印象につながる静かで穏やかな走りハイブリッド版CR-Vには多くのメリットがある。まず、走りが滑らか。
電気モーターは、低回転域から強いトルクを与えてくれる。多くの状況で、充分といえる活発さがある。市街地を低速で走る場合も、静かで穏やか。これらの要素が、CR-Vハイブリッドに対する強い好印象を生んでいる。

ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)立体駐車場も静かに走れる。同等サイズのSUVと比較して、CO2の排出量も少ない。実環境での平均燃費は13.8km/Lで、ガソリンモデルよりは良い。
イニシャルコストを回収できるだけの差になるかどうかは、走行距離による。でも筆者は、もっとハイブリッドは燃費が良いと考えていた。電動化技術は、軽くないためだろう。
EVモードだけで走るような、短距離が中心のスタイルなら、燃費はもっと伸びるはず。
ドライビング体験は薄味。良い意味で。
パワートレインの複雑さを考えると、違和感なく普通に運転できることに驚かされる。ステアリングホイールに付いた、パドルで操作する回生ブレーキも、馴れれば当たり前の機能に感じられる。
ステアリングホイールの操舵感は、落ち着きがあり正確。乗り心地も快適だ。車線維持支援システムや、アダプティブ・クルーズコントロールも素晴らしい。
一方で、ハイブリッド版CR-Vのマイナスポイントの1つは、牽引重量が750kgに制限されること。力強いディーゼルもなくなり、英国の読者からは残念だという意見をもらっている。
不満の少ない恵まれた運転体験筆者個人として気になったのは、シートのサイズ。アメリカ人向けなためか、幅が広すぎた。ランバーサポートも付くが、掛け心地が良いとはいえなかった。
体格によってシートの感じ方は違うと思うから、事前に試乗することをお勧めする。別のスタッフは、快適に座れたようだ。

ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)英国仕様の場合、インフォテインメント・システムも弱点の1つ。メニュー構成が複雑で、ライバルモデルのものより良いとはいえない。でも、CR-Vを諦めたくなるほどではない。不満といえばその程度。
SUVとして、CR-Vの完成度は高い。荷室は広く、カメラ機材を積んで沢山の撮影に同行させた。週末にはサーフボードやマウンテンバイクを積んで、楽しんだ。
リアシートは、大人がリラックスして居眠りするのにも、充分な広さがある。リアシート側にもSUBポートと、エアコンの送風口が付いている。
ホンダCR-Vハイブリッドは、流行をしっかり捉えている。ハイブリッドで、EVモードもあり、SUVだ。それらが、世界で最も売れるSUVの1台、という記録につながっている。
この長期テストは、筆者にとって恵まれた体験だった。#Blessedを付けたいほど。
セカンドオピニオン個人的には、ホンダCR-Vはあまり視界には入ってこない。ボディもインテリアも、デザインはライバルと比べると印象が薄い。滑らかさや実用性を重視しているようだ。ただし、それは多くのドライバーにとって重要な側面でもある。
英国仕様のインフォテインメント・システムは時代遅れ。ハイブリッドなら、そこも時流に合わせた方が良いだろう。 Lawrence Allan(ローレンス・アラン)

ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)テストデータ◇気に入っているトコロ

EVモードでの走行:エンジンノイズのない、モーターでの走行が楽しい。排気ガスも排出しないで済む。
運転支援システム:車線維持支援システムは、長距離ドライブでのストレスを軽減してくれる。
回生ブレーキ:スポーツカーのようなパドルを引くと、回生ブレーキの強さを変えられる。その変化を楽しめた。
◇気に入らないトコロ

インフォテインメント・システム:ラジオの選曲だけでも、頭を使う。最後まで慣れなかった。
ドライバーズシート:筆者の背骨は、CR-Vの背もたれとランバーサポートにフィットしなかった。ほかのドライバーは大丈夫なようだ。
◇走行距離

テスト開始時積算距離:1313km
テスト終了時積算距離:1万1714km
◇価格

モデル名:ホンダCR-V 2.0i-MMDハイブリッドSR AWD eCVT(英国仕様)
新車価格:3万4470ポンド(468万円)
現行価格:3万5570ポンド(483万円)
テスト車の価格:3万5320ポンド(480万円)
ディーラー評価額:3万1680ポンド(430万円)
市場流通価格:2万8510ポンド(387万円)
個人評価額:2万6785ポンド(364万円)
◇オプション装備

パール塗装:850ポンド(11万5000円)
◇燃費&航続距離

カタログ燃費:13.7km/L
タンク容量:57L
平均燃費:13.8km/L
最高燃費:15.7km/L
最低燃費:12.0km/L
航続可能距離:788km
◇主要諸元

0-100km/h加速:9.2秒
最高速度:175km/h
エンジン:1993cc直列4気筒自然吸気+電気モーター
最高出力:145ps(エンジン)/184ps(電気モーター)
最大トルク:17.8kg-m(エンジン)/32.1kg-m(電気モーター)
トランスミッション:eCVT
トランク容量:497L
ホイールサイズ:18インチ
タイヤ:235/60 R18
乾燥重量:1672kg
◇メンテナンス&ランニングコスト

リース価格:362.9ポンド(4万9000円/1カ月)
CO2 排出量:126g/km
メンテナンスコスト:なし
その他コスト:なし
燃料コスト:799ポンド(10万8000円)
燃料含めたランニングコスト:799ポンド(10万8000円)
1マイル当りコスト:0.12ポンド(16円)
減価償却費:5960ポンド(81万円)
減価償却含めた1マイル当りコスト:1.0ポンド(136円)
不具合:なし

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cat_oa-rp16797_issue_35f0e54a053d oa-rp16797_0_656777b396be_【運転の楽しさは随一】 オースチン/MG/ローバー・メトロ 英国版クラシック・ガイド 656777b396be 656777b396be 【運転の楽しさは随一】 オースチン/MG/ローバー・メトロ 英国版クラシック・ガイド oa-rp16797

【運転の楽しさは随一】 オースチン/MG/ローバー・メトロ 英国版クラシック・ガイド

2020年9月20日 07:20 AUTOCAR JAPAN

ミニの後継モデルとして登場したメトロtext:Malcom McKay(マルコム・マッケイ)
photo:Will Williams(ウィル・ウイリアムズ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
  
あまりに優れた先代のために、販売が伸びなかったメトロ。1970年代は親会社のブリティッシュ・レイランド(BL)社はストライキ続き。良いクルマだったのに、イメージは奮わなかった。
1980年のある雑誌には、「イギリス車であることを誇りに思える」という見出しが載った。その15年後、メトロ111Siを試乗したAUTOCARは、「フォルクスワーゲン・ポロのライバル・モデルが夢見るような、ドライビングの楽しさがある」と評価している。

オースチン/MG/ローバー・メトロ(1980年〜1989年/英国仕様)そんなメトロは、強い逆風の中に生まれた。英国市場では、国産車より輸入車の方が高いシェアを獲得していた。
スタイリングは、時代を感じさせない。快適性と実用性、操縦性や走行性能は、素晴らしいバランスに仕上がっていた。新しいエンジンとトランスミッションを採用し、控えめなフェイスリフトを重ね、1998年までの寿命を支えた。
1997年のユーロNCAPによる衝突テストでは、設計が古く得点が低迷。メトロに終止符を打つきっかけとなった。BMWが親会社となったローバー社は、販売は堅調だったものの、製造終了を決めた。
モデルライフを通じて、ハンドリングは高い評価を保った。静かで洗練され、風切り音も小さい。車内は広くはなく、身長の高いドライバーは悩まされた。
サスペンションは、アレックス・モールトンによるハイドロガス式を採用。素晴らしい乗り心地を叶えている。MGFの専門ショップなら、ハイドラガスの補充は今でも可能だ。
エンジンはとても堅牢 価格は高騰気味当時斬新だったのが、40:60の分割で式折り畳みが可能だったリアシート。現在では当たり前の機能だといえる。
ブレーキパッドとフルードの警告灯は、1980年では珍しい装備だった。ランフラットタイヤも選べ、電動式のテールゲートも付けられた。パワーウインドウやクルーズコントロール、トリップコンピューター、エアコンなど、オプションも多彩だった。

オースチン/MG/ローバー・メトロ(1980年〜1989年/英国仕様)定期点検のインターバルは1万9000kmと長く、クラスをリード。運転席からの視界は、前後左右、優れている点も特長だ。
初代ミニ譲りとなる、A+エンジンとトランスミッションは、定期的なオイル交換さえしていれば、極めて信頼性が高い。仮に故障しても、安価に修理できる。
途中でKシリーズ・エンジンへ交代。こちらも活発なユニットで、定期的なメンテナスで高い信頼性を保てる。トランスミッションは多くが5速MTだった。
1980年代から1990年代の普通の乗用車だから、今ではほとんどが廃車になっている。ボディの錆が、理由の1つ。おかげで近年の残存車両は、価格が高騰気味になっている。
部品は、ミニの専門ショップで入手可能なことが多い。しかしボディトリムは、すでに見つけるのが難しいようだ。
AUTOCARで注目したいのが、MGメトロ・ターボとローバー・メトロGTa、GTiなど。英国には、カブリオレも存在している。特に、初期型は需要が高い。
ローバーの多くのモデルと同様、高齢者が何十年も大切に乗っている傾向も高く、素のメトロも良い状態で英国では見つかる。ガレージに保管され、走行距離は短めだ。
メトロの中古車 購入時の注意点1989年まで、A+エンジンは有鉛ガソリン仕様だった。無鉛ガソリンで、3000rpm以上の回転域まで頻繁に回していると、1万6000kmほどでバルブシートがだめになる。
多くは無鉛ガソリン仕様に変更を受けている。まだの場合でも、英国なら250ポンド(3万4000円)程度で変更が可能だ。

オースチン/MG/ローバー・メトロ(1980年〜1989年/英国仕様)Aシリーズは傷んでもオイルがにじむ程度だが、Kシリーズは定期的な手入れが不可欠。タイミングベルトは6年毎か、9万6000kmでの交換が望ましい。冷却系の調子も常に確認しておきたい。
Kシリーズ・エンジンは、仕様が無数に存在する。SOHCとDOHC、8バルブと16バルブ、キャブ仕様のほか、シングルポイント(SPi)やマルチポイント(MPi)のインジェクションもある。
その中でもMPiは最も動力性能で秀でていた。104psを発揮し、AUTOCARのテストでは初代マツダMX-5(ロードスター)に迫るラップタイムを残している。
エンジンオイルやクーラントの状態は、こまめに確認しておく。ヘッドガスケットの交換は自分でも簡単だが、作業は難しい。交換の際、ヘッド研磨もしておきたい。整備さえ怠らなければ、Kシリーズでも30万kmくらいは普通に走る。
AP社製のATを警戒する人もいるが、基本的には信頼性が高く、感触も良い。当時としては評価が高かった、CVTも選べた。
ハイドラガスのメンテナンスが、長期的な課題ではある。少なくとも今のところ、多くの部品が英国では安価に入手可能な状態にはある。
不具合を起こしやすいポイント◇ボディ

錆はメトロのアキレス腱。リア・サブフレームのマウント、サイドシル、リアフェンダー、車内の足元、ルーフ後端、テールゲートのヒンジ、窓ガラスの周囲、ドアやテールゲートの下部などは錆びやすい。またリア・サブフレームも、錆びるポイント。
◇エンジン

アップデートを受けたAシリーズエンジンは、基本設計は古くても評価が高かった。滑らかでトルクがあり、燃費も優れている。劣化してくると、オイル漏れやノッキング、吸気の乱れなどが生じる。

オースチン/MG/ローバー・メトロ(1980年〜1989年/英国仕様)続いて登場したKシリーズも優れていたが、冷却系の不調でヘッドガスケットを傷めることがある。走行距離が多いなら、エンジンオイルは指定の1万9000kmより早いタイミングで交換したい。
◇冷却系

経年劣化でラジエター内が汚れ、腐食が進行することがる。ウオーターポンプも交換しておきたい。
Kシリーズのエンジンでは、パイプ類や吸気マニフォールド周りからクーラント漏れすることも。オーバーヒートを招き、ヘッドが変形したり、ガスケットが吹き飛ぶ。
◇サスペンションとトランスミッション

ハイドラガスのパイプが腐食し圧力が落ちると、車高が下がり乗り心地も悪くなる。ガスの補充は比較的簡単。ハイドラガスのディプレーサーは、状態の良い中古部品と交換できる。新しい部品はもうない。
ワイドレシオな設定で、4速MTは1990年代まで採用され続けている。
◇インテリア

アップライトな運転姿勢になるが、シートは形状に優れる。年式によって改良が加えられているが、後期モデルではリアシートの空間が犠牲になっている。
英国で掘り出し物を発見◇メトロ・クラブマン1.3L 登録:1989年 走行:3万4300km 価格:3795ポンド(52万円)

この販売店は、低走行距離のメトロを扱うことで英国では有名。その中でもこのメトロは特に優良らしい。オースティン・ローバー終焉直後に登場した、ローバー・メトロだ。
ボディに付くエンブレムはメトロのみ。オイスターベージュのボディは当時のまま。カラーバンパーと、上質なミンク・インテリアが備わる。

オースチン/MG/ローバー・メトロ(1980年〜1989年/英国仕様)珍しい4速ATも載っている。出荷時のままのステッカーが残り、トランク内もきれいだ。

MGメトロ 登録:1987年 走行:4万6600km 価格:9750ポンド(134万円)

ワンオーナーのMGメトロ。ブラックのボディには艶も残り、グレーとレッドのインテリアの状態も良い。当時トップスペックのモデル。
一部の内装は緩んでいるようだが、1980年代のベロア生地なら一般的なこと。当時のデザインらしいアルミホイールを履いている。出荷時のノーマルホイールも残っている。ディーラーの記録とナンバーが一致している。
近年、初期のメトロの価格は上昇中。この価格なら、まだお買い得といえるだろう。
オーナーの意見を聞いてみるミニ・マニアだと認めるブライアン・ショート。「メトロ・モザイクを新車で購入し、妻もメトロGTaのオーナーでした。ずっとメトロが好きです」。と話す。
「1981年式のHLEが売られているのを1年前に見つけ、購入を決めました。初代オーナーは牧師さんで、1986年まで保管していたようです。クラシックカーの専門店から、車両を見ずに購入したのですが、説明とは違って車検が切れていました」

オースチン/MG/ローバー・メトロ(1980年〜1989年/英国仕様)「ワイパーと燃料計は、不動。キャブレターのジェットも、プラスティック製のホルダーから外れていました。すべて自分で修理しています」
「驚くほどのオリジナル・コンディションです。フロント部分は新しいパネルに変えてありますが、ほかのボディはオリジナル。ドアのスピーカーも当時のまま。カセットテープのプレーヤーが付いていた時代のものです」
まとめ状態は様々あるが、理想的なメトロを良好な状態で見つけるのは、今では困難。特に初期のメトロは、ミニの部品取りにされたケースも多い。購入時には、クルマに付いている部品の状態はよく確かめたい。
後期モデルも同様。MPiはSPiより需要が高い。状態の良い素のメトロを見つける方が、状態の悪いメトロを仕上げるより、はるかに安価で済むはず。
◇良いトコロ

オースチン/MG/ローバー・メトロ(1980年〜1989年/英国仕様)まだ今のところは、主に中古部品となるが、比較的安価に部品が手に入る。状態の良いメトロを安価に見るけることも、まだ可能。興味があるなら、今が買いどきといえる。
◇良くないトコロ

交換用部品は底をつきつつある。車両価格は、価値を正当評価していないほど安いことも。
オースチン/MG/ローバー・メトロ(1980年〜1989年/英国仕様)のスペック価格:新車時 4898〜7999ポンド
生産台数:207万8218台
全長:3404-3521mm
全幅:1544-1562mm
全高:1359-1377mm
最高速度:131-191km/h
0-96km/h加速:9.5-18.6秒
燃費:9.9−17.7km/L
CO2排出量:−
乾燥重量:747-862kg
パワートレイン:直列4気筒998cc-1396cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:44ps/5250rpm-104ps/6000rpm
最大トルク:7.3kg-m/3000rpm-12.9kg-m/5000rpm
ギアボックス:4速、5速マニュアル/4速AT/CVT

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cat_oa-rp16797_issue_35f0e54a053d oa-rp16797_0_76d0dde99b6c_【やはり、ライバルではなかった】ダイハツ・タフト独自路線 乗って聞いてわかった ハスラーとの明らかな差 76d0dde99b6c 76d0dde99b6c 【やはり、ライバルではなかった】ダイハツ・タフト独自路線 乗って聞いてわかった ハスラーとの明らかな差 oa-rp16797

【やはり、ライバルではなかった】ダイハツ・タフト独自路線 乗って聞いてわかった ハスラーとの明らかな差

2020年9月20日 05:50 AUTOCAR JAPAN

タフトに試乗 感じるある種の違和感text:Kenji Momota(桃田健史)
text:Sho Tamura(田村 翔)
体温計測の結果は36.6℃。両手をしっかりアルコール消毒し、試乗に関する同意書に署名。周囲とソーシャルディスタンスを保ちながら、試乗に関する説明を受けた。
新型コロナウイルス拡大の影響を鑑み、自動車メーカー各社の報道陣向け公道試乗会の延期や中止が相次ぐ中、ダイハツが東京お台場のホテルを基点に「タフト」試乗会を実施した。

ダイハツ・タフト    田村 翔これまでタフトについては、オンライン会議システムを使い、ダイハツの製品企画担当者らと意見交換してきたが、試乗は今回が初めてだ。
用意された試乗車は、最上位グレードの「Gターボ」2WDと、ノンターボエンジン搭載の中位グレード「G」2WDの2種類。
まずは、フォレストカーキメタリックの「Gターボ」から乗った。
走り出して最初に感じたのは、視界に対する、ある種の違和感だ。
タフト最大のアピールポイントである、スカイフィールトップは、他に類のない運転感覚がある。
ダイハツによると、運転者が前方を向いた状態で、上下の視野は50~60°。一方で、運転者を支点としてスカイフィールトップを見ると上下86.5°の広がりがある。
また、スカイフィールトップは一般的なサンルーフと比べて、かなりフロントガラス側に配置されている。運転席からの天井を含めた前方視界が「なんだか、いつもの勝手が違う」ように感じる。
シェードを開閉 空間の強弱が楽しいスカイフィールトップを満喫するため、お台場から東京ゲートブリッジに向かった。
眼下には、東京オリンピックのボート・カヌーの競技会場。頭上には、羽田空港への最終着陸準備が整った大型旅客機のお腹が見える。

ダイハツ・タフトのスカイフィールトップ。    田村 翔気分はまるでオープンカーだ。むろん、スカイフィールトップ自体が開閉することはないのだが。
そんなふうに感じるさせる理由について、わかったような気がした。それは、ルーフ自体の低さだ。
東京ゲートブリッジ走行中に、スカイフィールトップのシェードを閉めてみると、一気に車内が狭く感じる。
ボディデザインでのウエストラインがかなり高く、いわゆる上屋(うわや)が小さいことが、タフト独特の雰囲気を醸し出している。
ただし、それは単なる狭さとか、息苦しさではなく、コックピット感につながっている。
そうした独特の空間が、スカイフィールトップによって、さらに大きく変化する。そうした、人が感じる空間の強弱感が、実に楽しい。
空間の楽しさは、外装や内装の造形だけで実現しているのだはない。
走りの楽しさも大きく影響してしている。
クロスオーバーSUVなのに人馬一体Gターボは実に、スカイフィールトップとの相性が良い。
2500rpmからジワリと広がるトルク感が、タフト全体の楽しい世界感を演出している。

ノンターボエンジンはアクセルを強めに踏んで加速した際にCVTから聞こえる高周波音が気になると筆者。    田村 翔もう少し踏み込んでいうと、走り全体に人馬一体感があるのだ。
新型プラットフォームのDNGAによって、現行タントは先代と比べてカッチリした走り味となっただが、タフトはそうした基盤を継承したうえで、ターボエンジンとの相性が良い。
パワステはソフトタッチだが、それがまた、スカイフィールトップとの相性が良い。
今回はAWD車が準備されていなかったが、あくまでもイメージでの話だが、スカイフィールトップとは2WDの方が相性が良さそうに思う。
また、後席に座ってみると、頭上にスカイフィールトップがなくても、視線の先にスカイフィールトップがあるだけで、開放感と一緒に楽しさを感じる。
一方、ノンターボエンジンは3000rpmから伸び感が心地良い。少し気になったのが、アクセルを強めに踏んで加速した際にCVTから聞こえる高周波音だ。「ノンターボ用機器の特性」(ダイハツ関係者)という。
個人的には、スカイフィールトップを活かす人馬一体感をしっかり味わえるGターボを選びたい。
実質的にハスラーとはライバルにあらず今回試乗して、改めて実感したのは、タフトとスズキ「ハスラー」はライバルではない、ということだ。
ハスラーも、パッと見た目は上屋が小さく見えるが、車内空間の雰囲気はタフトとかなり違う。ハスラーは、オーソドックスな軽SUV。

ハスラーは、オーソドックスな軽SUV。 対して、タフトはまさにクロスオーバーSUVだと筆者は感じた。    田村 翔対して、タフトはまさにクロスオーバーSUV。
また、オフロード走行に対する考え方も、搭載機器、カタログや商品紹介ホームページの訴求方法、さらにオンラインでのエンジニアとの意見交換を通じて、明らかな違いがあると確信した。
実際、ダイハツとスズキそれぞれの販売店から「価格帯はかなり近い設定だが、ユーザーはあまり重なっていない」という声が多いようだ。
ダイハツによると、タフトは発売1か月で月販目標台数の4.5倍となる1万8000台を受注。客層は、男女、年代を問わず幅広い。
外装色は、フォレストカーキメタリック、レイクブルーメタリック、サンドベージュメタリックと新色が人気。
また、フロントグリルのイメージが変わる、ディーラーオプションのメッキパックの装着率が約5割に達した。
購入した動機では、独特の外装デザインやスカイフィールトップが気に入った、またDNGAによる走りを指摘する声が多い。

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cat_oa-rp16797_issue_35f0e54a053d oa-rp16797_0_96a276a470df_【シェアするクラシックカー】モーリス・エイトが広げるファンの若返り 後編 96a276a470df 96a276a470df 【シェアするクラシックカー】モーリス・エイトが広げるファンの若返り 後編 oa-rp16797

【シェアするクラシックカー】モーリス・エイトが広げるファンの若返り 後編

2020年9月19日 16:50 AUTOCAR JAPAN

最大の不安材料はブレーキtext:Jon Pressnell(ジョン・プレスネル)
photo:Will Williams(ウィル・ウイリアムズ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
 
モーリス・エイト・シリーズEを最初に借りた、デボラ・フライ。シートベルトがないことも不安材料だったが、一番大きな心配はブレーキだった。
4輪ともに油圧式ながら、現代の交通事情に合わないと感じたという。「気を使ったのは、ブレーキ。できるだけ先行車との車間距離を取るように、意識しました。直前にクルマが割り込んできて、ドキッとする瞬間もありました」

モーリス・エイト・シリーズE ツアラー(1938〜1941年)彼女はエイト・シリーズEを、クラシックカー・イベントにも持ち込んだ。借りている間に、1600km以上の距離を走ったという。「ただ自動車イベントに行くだけでなく、モーリスで向かい、色々な人と会うことが素晴らしい体験でした」
「地元の、チャリティ・イベントのようなものにも参加しました。イランからのテレビ取材も受けましたし、俳優のラリー・ラムの番組でも取り上げてもらいました。彼の最初のクルマが、古いモーリスだったようです」
「様々な年代の人と出会うことができた、素敵な夏でした。一番の思い出は、チェスターフィールドで開かれた1940年代マーケット。当時の服装で着飾って、4人で参加したんです」
「このクルマは沢山の人を笑顔にします。どこへ向かっても、ちょっとした話題になりました。レジスターのクラブマガジンにも、毎月記事を書きました」
返すのが悲しいほど大好きになった信頼性はどうだったのだろう。「一度、4本すべてのプラグが点火されなくなりました。プラグコードが切れていたんです。激しい雨の日には、ワイパーが動かなくなりました。レジスターのメンバーが、すぐに直してくれました」
「モーリスが大好きになりました。返すのが悲しく感じるほど。一生の記憶ですよ」。と振り返るフライ。

モーリス・エイト・シリーズE ツアラー(1938〜1941年)「お金があれば、買いたい。古いトラクターやランドローバーを持っている友人がいるのですが、彼もエイトを探しています。レジスターの将来的なメンバーかもしれません」
モーリスを借りたことで、フライには新しい出会いがあった。「レジスターで知り合った人から、1963年製のキャンピングトレーラー、イタリアのラバンティ・グラツィアを買いました。友人も沢山得ました」
2番目に借りたのは、デビッド・アランソン。2019年の夏だ。彼はシトロエンCXを所有したことはあったが、クラシックカーは初めて。「気にはなっていましたが、実際に行動するほどではありませんでした」
アランソンは42才。ハートフォードシャー出身のサラリーマンだ。彼はモーリスで3000kmほどを走った。
「ドーバー海峡に近いボーリューや、西部のノーフォーク・コーストまで走りました。最後には、モーリス・レジスター・ナショナルラリーにも参加しています」
「高速は走らず、いつも下道を選びました。事前にルートを調べる必要がありますが、その計画も楽しみの1つ。ナビの誕生で、最近はする機会が減りましたよね」
いつか1台を見つけ、所有したい「時間は掛かります。でも感じるストレスは少なく、当時の交通条件に近い環境で、クルマを走らせることができたと思います」
「日常的な買い物や、近場へのドライブにも乗りました。エイト・シリーズEは乗りやすい。古いクルマなのに、実用的で本当に驚きました」

モーリス・エイト・シリーズEを借りたデビッド・アランソン「とても好きになりました。運転することが楽しい。ブレーキは、車間距離を気にしていれば大丈夫」。とアランソンが話す。
多くの注目も集めたという。「買い物に行くと、いつも数名の人がクルマを囲んで話しかけてきました。ひと目見たいと、近寄ってくる人も」
メンテナンスの手間は、最小限で済んだようだ。「トランスミッションに250ccほどのフルードと、エンジンに1.5Lのオイルを補充しています。燃費は、一度計算してみたら15.6km/Lくらいは走るようです」
クラシックカーへの思いに、変化はあっただろうか。「エイト・シリーズEのカタチが好きです。ツアラーは、夏の季節に良いですね。いつか1台を見つけ、所有したいと考えています」
アランソンにエイト・シリーズEを貸し出したことで、モーリス・レジスターにも良い変化が起きている。レジスターのメンバー、シモンズが説明する。「ウェブサイトを運営したらどうかと、アランソンに勧められ、開設しました」
「アランソンを、会費不要の正式なメンバーとして迎え入れました。レジスターに関心を持ってくれ、協力してくれます。かけがえのない、新メンバーです」
扱いやすく、運転が楽しいモーリスこの記事が出る頃には、モーリス・エイト・シリーズEは3人目の貸し出し人へ渡っているはず。その前に、筆者も試乗させてもらった。
とても扱いやすく、運転が楽しい。FYK 259のモーリスは、見事に仕上がっている。

モーリス・エイト・シリーズEを借りたデビッド・アランソン918ccのサイドバルブ・エンジンは滑らかに吹け上がる。十分活発に速度を上げ、70km/hくらいでのクルージングは問題ない。80km/hでも、恐怖感はない。
トランスミッションは、変速時にカチッと決まり、ゲートはタイト。シンクロメッシュの状態は良いようだ。
ブレーキペダルのストロークは短く、比較的簡単にモーリスの速度を落としてくれる。ステアリング・ラックの調子も良く、直進時の安定性やコーナリングにも不安はない。
乗り心地は、意外なほどに快適。4本ともにリーフスプリングが支えている。
確かに、このモーリス・エイト・シリーズE ツアラーは、初心者でも運転できるクラシックカーだといえる。不必要に身構える必要もない。
筆者も、今から40年以上前、間違った選択をしたわけではないようだ。すでにクラシックカーの経験は少なくないわたしだが、この小さなモーリスを、しばらく借りたいと思ってしまった。
モーリス・エイト・シリーズE ツアラー(1938〜1941年)のスペック価格:新車時 135ポンド/現在 1万5000ポンド(204万円)以下
生産台数:2776台
全長:3658mm
全幅:1422mm
全高:1549mm
最高速度:98km/h
0-100km/h加速:6.2秒
燃費:12.7-15.6km/L
CO2排出量:−
乾燥重量:714kg
パワートレイン:直列4気筒918cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:30ps/4400rpm
最大トルク:5.3kg-m/2400rpm
ギアボックス:4速マニュアル

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cat_oa-rp16797_issue_35f0e54a053d oa-rp16797_0_75907af83e1f_【なぜ1代かぎりで終焉?】三菱アイミーブ、EV花盛りなのに生産中止の背景 ミニキャブ・ミーブ存続のワケ 75907af83e1f 75907af83e1f 【なぜ1代かぎりで終焉?】三菱アイミーブ、EV花盛りなのに生産中止の背景 ミニキャブ・ミーブ存続のワケ oa-rp16797

【なぜ1代かぎりで終焉?】三菱アイミーブ、EV花盛りなのに生産中止の背景 ミニキャブ・ミーブ存続のワケ

2020年9月19日 12:02 AUTOCAR JAPAN

アイミーブ生産終了 11年の歴史に幕text:Kenji Momota(桃田健史)
三菱自動車(以下、三菱)のEV「アイミーブ」が2020年度をもって生産中止になる。2020年9月18日夜、新聞各社や通信社が「関係者の話」として一斉に報じた。発売開始は2009年で、累計販売台数は約2万3000台である。
ところが、ちょっと気になることがある。

この報道が出た前日の17日、三菱は商用EV「ミニキャブ・ミーブ」でグレード展開の変更や、車両接近通報装置の変更など一部改良して、モデル継続を発表しているのだ。
同社はアイミーブと同じモーターなどを搭載し、2011年に発売されている。
三菱の事業戦略としては、2020年5月にルノー日産三菱アライアンスが今後の方針を発表。そのなかで、3社の役割分担を明確化し、技術開発と販売国・地域において各社の「選択と集中」を進めることが明らかになった。
例えば、中型乗用EVについては日産自動車、小型乗用EVについてはルノー、また軽自動車についてはEVを含めて日産と三菱の合弁企業NMKVが開発を進める。
こうした状況下で、「アイミーブ」は消えるのに「ミニキャブ・ミーブ」が生き残る。
その背景に何があるのか?
また、アイミーブがEV市場に残した成果とは何だったのか?
アイミーブ、トップダウンで決まった改めてアイミーブ誕生の経緯を振り返ると、実にいろいろなことがあった。
そもそも、三菱がEVを本格的に量産することを決めたのは、大手金融機関のトップらの協議がきっかけだ。その協議に直接関わった人物から、アイミーブが発売して間もない頃、筆者は詳しい話を聞いている。
また、アイミーブの初期開発に直接携わった関係者からも、量産をするための「初めの1歩」がいかに大変だったかを聞いた。
要するに、アイミーブは三菱のトップダウンで話が進み、開発現場としては「なんとしてでも量産しなければ」と様々な苦悩を乗り越えた末に誕生したモデルなのだ。
なにせ、大手自動車メーカーがEVを通常の生産ラインを使って大量生産したのは、世界自動車史上でアイミーブが初めてだったからだ。
それまでのEVは使用目的が限定的な特殊車両的な扱いを受け、欧米の小規模企業による少量生産が主体だった。
90年代頭、米GMがカリフォルニア州が施行したゼロエミッションヴィークル(ZEV)規制法への対応モデルとして「EV1」をリース販売したことがある。だが、GMの事業方針転換によりユーザーから車両が回収されて解体するというEV史での”暗い過去”しか残らなかった。
アイミーブは大手自動車メーカーによる正統派EVの第1号なのだ。
三菱アイミーブの使命は終わっていたアイミーブは世界約50か国で販売されたが、発表して間もない頃、仏パリモーターショーとニューヨークモーターショーでは、一部メディアによる公道試乗会が催され、筆者も参加した。
試乗の感想としては、「ズッシリして上級感がある」だった。逆に言えば、ベースとなった軽自動車「i」はリアエンジンの軽量ボディであり、その車両床部に大型電池パックを搭載したことで、クルマとしての運動特性が大きく変わっていた。
海外メディアからも「大手メーカーのEVは、走りの質感が良い」と評判は上々だった。
一方、日本では経済産業省が旗振りした、都道府県が主体で行った電動車普及施策「EV/PHVタウン構想」がきっかけとなり、官公庁を中心にアイミーブの普及が一気に進んだ。
そうした各所での取材シーンを思い浮かべると、アイミーブはEV新時代を具現化するための先駆者だったと改めて思う。
その後、アイミーブのEV制御技術や部品はミニキャブ・ミーブと「アウトランダーPHEV」で活用されていく。
だが、三菱の経営再建の中で、電動化開発の予算は限定的であり、アイミーブの進化も事実上、ストップしてしまった。
そこに日産がやってきた。軽自動車の企画で合弁企業NMKVを設立。また、電動化事業の全般もリーフによる量産効果を優先し、企画・開発・部品購買の主導権は日産に移った。
この時点でアイミーブの使命は終わっていた。
ミニキャブ・ミーブ、なぜ生き残る?次世代軽EVとして、NMKVでは日産「IMk」の開発が進むが、そこにはアイミーブ初期開発者も携わり、三菱のEV魂を投入している。
一方、次期アウトランダーは、次期エクストレイルが主体で開発される兄弟車として登場する可能性が極めて高く、三菱が培ったアイミーブ由来のPHEV技術が反映されるのか、それともされないのか?
どちらにしても、前述のようにルノー日産三菱アライアンスの中で、中型車での電動化技術の主役は日産であることは間違いない。
こうした状況の中で、なぜミニキャブ・ミーブは生き残ったのか?
これは、近年になり大手事業者がESG投資(環境・社会・ガバナンスを主とする企業業績判断による投資)に対して関心が一気に高まっており、いますぐ導入できる商用EVとしてミニキャブ・ミーブに注目が集まっているからだ。
例えば、東京電力が中心となり2020年5月、電力メーカーや自動車メーカーなど約40社で「電動車活用推進コンソーシアム」を設立しているが、東京電力EV推進室によると「軽をベースとしたEV需要への期待が大きく、メーカー各社と新規開発について今後、協議していきたい」と話している。
次世代商用EVを含めた新世代EVに向けて、アイミーブは大いに貢献してきたと思う。
アイミーブ開発に携わってきた皆さんに、自動車産業に携わる者として心から感謝したい。

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cat_oa-rp16797_issue_35f0e54a053d oa-rp16797_0_31f84e04fd6b_【詳細データテスト】BMW X7 小型車並みの制動距離 リムジン並みの静粛性 ハンドリングと乗り心地のバランスも上々 31f84e04fd6b 31f84e04fd6b 【詳細データテスト】BMW X7 小型車並みの制動距離 リムジン並みの静粛性 ハンドリングと乗り心地のバランスも上々 oa-rp16797

【詳細データテスト】BMW X7 小型車並みの制動距離 リムジン並みの静粛性 ハンドリングと乗り心地のバランスも上々

2020年9月19日 11:50 AUTOCAR JAPAN

はじめに今回のテスト車は、ミュンヘンが送り出す背の高い大型高級車の最新版。全長は5.2m近く、全高は1.8mを超える、2.5t近いBMW、X7だ。
2019年春に英国上陸を果たしたX7だが、これまでロードテストにかける機会を逸してきた。そして、発売以来の1年半は波乱万丈とさえいえるものだ。ラインナップには、すでに差し替えられたエンジンもある。おおむね、ユーザーの支持を反映した結果ではあるが。

テスト車:BMW X7 xドライブ M50i Mパフォーマンス    MAX EDLESTON当初のラインナップは3機種で、そのうち2機種がディーゼルだったが、そのいっぽうの30dはすでにディスコン。40iとM50dは継続販売されており、これに加わった40iと40dはいずれも340psを発生する。ディーゼルのトップグレードとなるM50dに搭載されるのは、驚異的な4ターボユニットだ。
最上位グレードはxドライブ M50i。いま手に入るうちでもっともパワフルな7シーター乗用車だが、実質的な先代モデルであるX5の3列シート版は最強モデルがディーゼルだったのに対し、こちらはガソリンモデルだ。
それでもX7は、M50iの上に、X7 Mも加わる見込み。その最大のMモデルは、メルセデスAMG GLS 63あたりと熾烈なバトルを繰り広げることになるだろう。
とはいえ、今回テストできるのは現時点でのトップモデルとなるMパフォーマンス仕様。530psのV8ツインターボで、0−100km/h加速の交渉タイムは4.7秒だ。BMWファンを満足させるモデルになっているのか、さっそく吟味していきたい。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆X7は、すでに定評のあるX5の兄貴分で、どちらもアメリカ・サウスキャロライナ州スパータンバーグ工場で生産される。北米市場での成功を見込んで開発されたことは想像に難くない。
実際、X5と比べてどれくらい大きいのかというと、全長は30cm近く、全高はおよそ5cmほど上回る。ウェイトは、同等のグレードならおよそ200kg重い。

セルフレベリング機構付きエアサスペンションを標準装備する7座SUVに、530psの4395ccツインターボV8を搭載。車両重量は、下位のX5より200kgほど増している。    BMW AGプラットフォームはクラスター・アーキテクチャー(CLAR)と銘打たれる、BMWの大ぶりなエンジン縦置きモデルのベースとなるコンポーネンツ。それをもとに構成されるモノコックは、アルミと高張力スティールを用いる。
こうした重量軽減が見込めるマテリアルを使用していながらも、テスト車の実測重量は2583kgに達する。これは、高級SUVとしても、許容範囲の上限といえるだろう。これよりGLS 400dは重いが、12気筒を積んだベントレー・ベンテイガはわずかながら軽いのだから。
GLSと同じ7座を標準仕様とするのは、X5との大きな違い。そのうえ、3列目の2座は、一般的な体格の大人も不満を覚えない快適性をもたらすという。その点は、追い追い確かめていこう。
X5ではオプション設定となるセルフレベリング機構付きエアサスペンションも、X7には標準装備。高級車市場において、空気バネを好むライバルが多いなかで、いまだにコイルスプリングを重用しているBMWとしては珍しい。
その採用の大きな動機は、車高調整を重視したこと。通常時の最低地上高は221mmだが、乗降や積み下ろしを容易にするべく、40mmダウンが可能。また、悪路ではさらにアップすることもできる。
今回テストするM50i Mパフォーマンスには、サスペンションに専用チューンが施される。また、4WDシステムには、電子制御トルクベクタリング機構を持つリアディファレンシャルも組み込み済みだ。
インテグラルアクティブステアリングと銘打たれたオプションも、テスト車には装備されていた。これは、高度な制御の可変レシオステアリングと、速度感応式アクティブ4WSを統合したものだ。
エンジンは4395ccツインターボV8のN63型で、530psと76.5kg−mを発生。最大トルクは、Mモデルに搭載される兄弟版ユニットのS63と同等だ。
M50dのB57ことターボを4基掛けした3.0L直6は、ガソリンV8を上回る77.6kg-mを発生するが、ユーロ6dエミッション規制をクリアできないため、今月いっぱいで生産終了される予定だ。
速いディーゼル車のファンは、48Vマイルドハイブリッドとシーケンシャルターボを備えた直6ディーゼル群の一角として復活することに期待しているだろう。
しかし、ミュンヘン方面からの情報では、4ターボのB57D30S0は複雑で生産コストがかかりすぎ、しかもBMWが許容する以上のメカニカルトラブルが発生しがちだという。高額なディーゼルの需要が激減しているマーケットの現状をみるに、復活や代替ユニットの登場は見込めない。
内装 ★★★★★★★★★☆要塞を思わせるエクステリアは、好き嫌いがはっきり分かれそうだが、インテリアについてはより多くの合意が取れそうだ。
テスト車はM50iに、4995ポンド(約69.9万円)のフルメリノレザーシートを装備した、この上なく豪華な仕様。また、基本的な構造はX5同様の優秀なレイアウトで、比率だけを7シリーズ並みにスケールアップし、ヘッドルームも増している。

X5同様に優れたレイアウトで、7シリーズのように広々としたキャビンは、頭上にもゆとりがある。3列目へのアクセスは良好とはいえないが、乗り込めば快適に過ごせるスペースがある。    MAX EDLESTONアメニティについても不足はない。このBMW最大のモデルは、5ゾーンエアコンや調整可能なアンビエントライト、温度調整式カップホルダー、マッサージ機能付きフロントシートを装備。
ルーフは、ところどころ途切れてはいるものの、ほぼ全長いっぱいがガラス張りだ。また、ルーフライニングにはロールス・ロイスのスターライトヘッドライナーのようにLEDが散りばめられている。
インフォテインメントに関しては、向かうところ敵なしだ。たとえ、GLSの大画面ディスプレイが、X7のそれより驚きを呼ぶような要素だったとしてもだ。
もし、X7にわずかでも不足しているものがあるとしたら、雰囲気だろうか。レンジローバーの大型モデルが備えている、ラウンジ的なフィールはない。GLSと比べてもクールなキャビンで、乗員をプロテクトするような包まれ感が強い。
だが、質感は高い。おそらく、奇妙なほど魂が込もってはない改良版のアウディQ7より上だろう。
またX7は、BMWにおけるシートアレンジの新次元を切り拓いた。GLSやQ7と同じく標準装備される3列目シートへのアクセスは、思ったよりも不便だ。というのも、Cピラーと電動可倒式2列目シートとの間隔がそれほど広くないのである。
しかしながら、いったん最後列に収まってしまえば、乗員の快適性は、3シリーズの前席と比べても大きく見劣りすることのないレベルだ。
テスト車はオプションの6座レイアウト仕様で、2列目には3人掛けベンチの代わりに大ぶりのシートが2脚据え付けられる。これもレンジローバーのようなビジネスクラスを思わせる雰囲気こそないものの、スペースでは上回る。
テールゲートは古典的ともいえる上下分割式で、ラゲッジスペースのフロアはほぼフラット。積載容量は、3列目シート使用時でも326Lある。ハッチバックのファミリーカーよりやや少ない程度で、6〜7名乗車でこの数字ならまずまず悪くない。
走り ★★★★★★★★★☆このご時世、530psもの4.4LツインターボV8を2.5t級の3列シートSUVに積むというコンセプトは、反社会的といってもいいだろう。このX7のトップグレードを前にして、夢中になるなというのは無理な話だ。
このエンジンは、驚くほどさまざまな顔を持つ。怒涛のパフォーマンスを見せつけたかと思うと、一転して申し分のない滑らかな洗練ぶりを味わせもするのだ。

エンジンは、強烈なパワフルさと、申し分のないなめらかさをあわせ持つ。ブレーキも強力で、スムースさもコントロール性も上々。制動時のスタビリティも高い。    MAX EDLESTONスポーツプラスモードでローンチコントロールを作動させると、X7 M50iは四輪の底知れぬトラクションを活用し、リア寄りに荷重移動しつつ、とてつもない加速でスタートを決める。
ゼロスタートでの所要時間は、97km/hに4.8秒、161km/hに11.3秒。テストコースの1マイル、すなわち1.6kmほどのストレートが尽きる頃には、225km/hに達していた。それでも、自衛本能がこのクルマにふさわしい巨大なブレーキを効かせろと訴える地点に至っても、加速の勢いは衰える気配がない。強烈だ。
0−97km/hを3.9秒でこなすポルシェ・カイエンターボや4.4秒のレンジローバー・スポーツSVRに比べれば200kgほども重いだけに、そうしたライバルたちと肩を並べるというわけにはいかない。だが、公道上でその不足に気づくことはまずないだろう。
もしかしたら、パワーリフティングのように腰を沈めてから、朗々たるV8の猛威が高まり、前方へと爆発的に飛び出す走りは、ライバルたちより楽しませてくれるかもしれない。
実際、じつに広い回転域で発揮される豊かなトルクは、4速での48−113km/hを5.5秒でこなす。単なる速さだけでなく、フレキシブルさも印象深い。8速ATの、機敏で巧みな変速もグッドだ。
ただし、ちょっとばかり不満もある。あくまでも小さなものではあるが。
まずは燃費だ。テスト時のアベレージは6.7km/L。衝撃的な数字だが、驚くほどではない。
次が予想よりやや頻繁にシフトダウンする傾向をみせることがある点。走りを台無しにするようなものではないが、同乗者に不快な思いをさせないためには、右足の操作をやや繊細に行わなければならない。
緊急停止を試みた際のブレーキ性能には目を見張る。加速時と同じく、ハードブレーキング時のスタビリティは特筆すべきもので、113km/hからの完全停止に要する距離は45.2m。これは小さくて軽いフォルクスワーゲン・ポロのそれより短い。
対して、一般的な走行状況では、ブレーキペダルのプログレッシブさとフィールは、どちらも入念に調整され、スムースさと制御の効いた制動を実現している。
使い勝手 ★★★★★★★★★☆◇インフォテインメント

X7のインフォテインメントシステムは、iドライブの最新版を採用。扱いやすいおなじみのダイヤル式コントローラーと、タッチとジェスチャーでの操作が可能な新型の12.3インチディスプレイを組み合わせ、音声操作にも対応している。
動作はなめらかで、レイアウトは直観的。視認性にも優れている。同じく12.3インチのディスプレイは、メーターパネルにも使用。おそらく、この環境のもっとも優れた特性は、メルセデス・ベンツGLSやアウディQ7のシステムと異なり、前方視界を妨げず、ダッシュボード上の占有スペースがそれほど大きくないことだ。

もはやiドライブの性能的な優秀さは言わずもがなだが、ライバルのシステムに比べて前方視界を妨げにくいディスプレイのレイアウトも長所に挙げられる。エンタテインメント系のオプションは充実している。    MAX EDLESTONUSBポートは、3列目も含めた室内の各所に用意。プロフェッショナル・エンタテインメントパッケージを追加すれば、2列目に10.2インチディスプレイが2画面と、BD/DVDプレイヤー、HDMI端子が設置される。
テスト車に装着されていたバウワース&ウィルキンスのサウンドシステムは、3280ポンド(約45.9万円)のオプション。出力は1500Wで、よほどのオーディオマニアでなければ、ほかにはめったにないほど豊かで鮮明な音質に満足できるはずだ。
◇燈火類

BMWのレーザーライト・ヘッドライトは、ローライトであっても、照射範囲の幅と高さ、明るさのいずれもがすばらしい。ハイビームは、今回は試す機会がなかった。
◇ステアリングとペダル

ステアリングホイールとペダルの配置について、なんら不満はない。BMWの常で、シートとステアリングコラムの調整に関しても上々だ。
操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆曲がりくねった狭い山間路を飛ばすのは、このクルマでは容易なことではない。しかし、広くてスムースな、速度域の高い道路を走る際のマナーはやはりみごとだ。
グリップは有り余るほどで、これほどのウェイトとサイズを持つクルマに期待するレベルを超えている。オプションの四輪操舵と、やや手応えは軽いが正確でレスポンスに優れるステアリングは、自信を持って操作でき、車体を実際よりも小さく感じさせる助けになる。

ワインディングが得意とはお世辞にもいえない巨大なクルマだが、コーナリングのペースを上げてもグリップレベルやスタビリティは高い。ロールは小さくないが、正確なステアリングとオプションの4WSもあって、車体の大きさを意識させない。    MAX EDLESTONもちろん、その範疇に治っている間は物理法則の支配をうまく逃れている。とはいえ、コーナーに入れば、横方向の挙動はかなり発生する。ロールに抗うアクティブスタビライザーを含むシャシー制御システムである、2450ポンド(約34.3万円)のエグゼクティブドライブ・プロパッケージを装着していてもだ。
そのロールは徐々に起きるよう抑えが効いているので、動きはじめても驚きを呼ぶことはない。それでも、速度の高いコーナリングをするならば、その傾きぶりはふらついて危険な状況に陥りそうだと感じるのではなく、むしろかなり楽しくさせてくれるものではないだろうか。
このX7はコーナリング中でも、進路がぶれることを避けるのに十分なホイールトラベルをいつでも残しているように感じられる。それだけに、旋回時でもスタビリティはめざましいままだ。
公道上でこれだけの寸法と重量を速いペースで走らせるために、ドライバーは常にクルマ任せではない操縦を求められる。しかし、この最大のMパフォーマンスモデルは、ペースを上げればグリップとアジリティを発揮するいっぽうで、ゆったり走れば扱いやすいスタビリティと快適な乗り心地を披露する。そのバランスは、衝撃的なほど運動性の完成された、予想しなかったほど魅力的なドライビングを実現する。
快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆コンフォートかどうかは主観が入りがちで、数量的に表すことは難しいかもしれない。だが、少なくとも静粛性は、具体的な数値で評価することが可能だ。
113km/h定速走行時の室内騒音は、かつてテストしたGLS 400dと同じ62dBをマークした。これはかなり静かだといえるレベルだ。これに勝るのは、世界最高クラスのリムジンくらい。たとえば、遮音タイヤを履いたロールス・ロイス・ファントムの計測値は60dB。その差は明らかにわかるものだが、昼と夜ほどの大きな違いではない。

静粛性は非常に高く、長距離移動での快適性にも優れる。しかし、低速での乗り心地に関しては、クラストップレベルにわずかではあるが及ばない。    MAX EDLESTONちなみに、2017年に計測した、ツインターボの旧型V8ディーゼルを積むベントレー・ベンテイガは65dBだった。テスト時点では、豪華絢爛さの権化とさえ思えたクルマだったのだが。
この穏やかで安らぎを感じるところへ、さらに加わるのがエアサスらしい乗り味だ。高速道路の速度域では、オプションのアクティブスタビライザーを切り離すと、申し分ない落ち着きをみせる。波長の長いフローの心地よさは、22インチホイールとMのバッジにそぐわないほどだ。
主として長距離移動に用いるオーナーなら、このクルマを選んだことを後悔はしないだろう。広々としたガラスハウスは、のどかさを感じさせるが、それは感覚だけの話。実際の走りは速い。
残念な点があるとすればひとつだけ、車高調整式サスペンションのトラベルを考慮した上で期待していたほどには、低速での乗り心地が洗練されていないことだ。
このクルマのオーナーは、路面のくぼみを避けるために進路を外れたり、荒れた路面にひるんだりすることはないだろう。しかしこのX7は、そうしたもろもろを扱うのに、レンジローバーやQ7に比べてわずかながらも明らかに苦戦するところがある。
購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆X7の英国における見直し後のラインナップは、7万5000ポンド(約1050万円)強から9万3000ポンド(約1302万円)弱で、もっとも高いモデルがM50iとなる。
後者については、近くアウディが投入するであろうガソリンモデルのSQ7よりも高くなりそうだが、メルセデスAMGのGLS 63よりはかなり安い。レンジローバー・スポーツP525オートバイオグラフィー・ダイナミックはほぼ同価格だが、7人乗りが標準仕様ではない。それだけに、BMWの値付けはかろうじて妥当だといえる。

X7 M50iの残価率は、3年後で50%。これはディーゼルのGLSや6気筒のレンジローバーを上回る。テスト車はオプション込みで11万3000ポンド(約1582万円)だが、追加可能なアイテムをすべて含むわけではない。アルティメットパッケージが、そのリストに入っていないのは不思議だ。
このパッケージオプションは、テスト車が個別に装着しているものの多くが含まれるだけでなく、後席のエンタテインメントディスプレイやブラインド、TVチューナーなどもセットになっていて、個別選択するより割安な設定。X7の装備充実を図るなら、一般的なチョイスとなりそうだ。
テスト時のデータを見ると、燃費はセールスポイントになりそうもない。それは予想できたことだろうが、同時に、絶対的な弱点になると覚悟していたかもしれないが、それほどでもなかった。
たしかに、ハードに走らせれば燃料消費も激しいが、113km/h定速巡航では10km/Lを超える。M50dのほうが燃費に優れるのは確かだが、その差はおそらく10〜20%といったところだろう。83Lの満タン給油は懐が痛むものの、その場合の航続距離は890km近い。
スペック◇レイアウト

X7 M50iは、アルミ素材を多用したBMWのCLARプラットフォームの拡大版を使用。現行X5も、ベースは同じものだ。4.4LのV8はフロント縦置きで、左右のシリンダーバンクに挟まれるかたちでタービンを2基装着する。
サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リアがマルチリンク。アジャスト可能なエアスプリングを四輪に装備する。車両重量の実測値は2583kgで、前後重量配分は48:52だった。
◇エンジン

CLARプラットフォームの拡大版に、ホットVレイアウトの4.4L 8気筒をフロント縦置きするX7。テスト車の前後重量配分は、わずかにリア寄りの48:52だった。駆動方式:フロント縦置き四輪駆動
形式:V型8気筒4395ccツインターボ、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ88.3×89.0mm
圧縮比:10.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:530ps/5500~6000rpm
最大トルク:76.5kg-m/1800~4600rpm
許容回転数:6500rpm
馬力荷重比:214ps/t
トルク荷重比:30.8kg-m/t
エンジン比出力:121ps/L
◇ボディ/シャシー

全長:5151mm
ホイールベース:3105mm
オーバーハング(前):874mm
オーバーハング(後):1172mm
全幅(ミラー含む):2218mm
全幅(両ドア開き):-mm
全高:1805mm
全高:(テールゲート開き):2175mm
足元長さ(1列目):最大1130mm
足元長さ(2列目):650~770mm
足元長さ(3列目):600~720mm
座面~天井(1列目):最大1090mm
座面~天井(2列目):980mm
座面~天井(3列目):900mm
積載容量:326~2120L
構造:スティールモノコック
車両重量:2480kg(公称値)/2583kg(実測値)
抗力係数:0.34
ホイール前/後:9.5Jx22/10.5Jx22
タイヤ前/後:275/40 R22 107Y/315/35 R22 111Y
ピレリPゼロ
スペアタイヤ:なし(ランフラットタイヤ)
◇変速機

形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.50/7.9 
2速:3.52/12.4 
3速:2.20/19.8 
4速:1.72/25.3 
5速:1.32/33.0 
6速:1.00/43.5 
7速:0.82/52.8 
8速:0.64/67.8 
最終減速比:3.39:1
◇燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:6.7km/L
ツーリング:10.8km/L
動力性能計測時:3.0km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):5.1km/L
中速(郊外):7.9km/L
高速(高速道路):9.3km/L
超高速:8.0km/L
混合:7.8km/L
燃料タンク容量:83L
現実的な航続距離:558km
CO2排出量:293g/km
◇サスペンション

前:ダブルウィッシュボーン/エアスプリング、アクティブスタビライザー
後:マルチリンク/エアスプリング、アクティブスタビライザー
◇ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン、アクティブ可変レシオパワーステアリング
ロック・トゥ・ロック:2.25回転
最小回転直径:13.0m
◇ブレーキ

前:395mm通気冷却式ディスク
後:345mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電動、スイッチ(センターコンソールに設置)
◇静粛性

アイドリング:44dB
全開時:79dB(4速)
48km/h走行時:56dB
80km/h走行時:59dB
113km/h走行時:62dB
◇安全装備

DSC/ABS/DTC/CBC/DBC/HDC/LKAS/ACC
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%
◇発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温35℃
0-30マイル/時(48km/h):2.1秒
0-40(64):2.8秒
0-50(80):3.7秒
0-60(97):4.8秒
0-70(113):6.0秒
0-80(129):7.5秒
0-90(145):9.1秒
0-100(161):11.3秒
0-110(177):13.7秒
0-120(193):16.8秒
0-130(209):20.6秒
0-402m発進加速:13.3秒(到達速度:174.1km/h)
0-1000m発進加速:24.1秒(到達速度:220.5km/h)
ライバルの発進加速
ライバルの発進加速
レンジローバー・スポーツ SVR(2015年)
テスト条件:乾燥路面/気温11℃
0-30マイル/時(48km/h):1.8秒
0-40(64):2.5秒
0-50(80):3.3秒
0-60(97):4.4秒
0-70(113):5.6秒
0-80(129):6.9秒
0-90(145):8.5秒
0-100(161):10.3秒
0-110(177):12.5秒
0-120(193):15.1秒
0-130(209):18.3秒
0-402m発進加速:12.8秒(到達速度:179.3km/h)
0-1000m発進加速:23.2秒(到達速度:227.1km/h)
◇中間加速

20-40mph(32-64km/h):1.5秒(2速)/2.3秒(3速)/3.2秒(4速)
30-50(48-80):2.1秒(3速)/2.7秒(4速)/3.6秒(5速)/5.9秒(6速)
40-60(64-97):2.2秒(3速)/2.7秒(4速)/3.4秒(5速)/4.8秒(6速)/7.1秒(7速)
50-70(80-113):2.3秒(3速)/2.8秒(4速)/3.5秒(5速)/4.8秒(6速)/6.3秒(7速)/11.5秒(8速)
60-80(97-129):2.9秒(4速)/3.7秒(5速)/4.9秒(6速)/6.3秒(7速)/10.2秒(8速)
70-90(113-145):3.2秒(4速)/4.0秒(5速)/5.2秒(6速)/6.7秒(7速)/9.8秒(8速)
80-100(129-161):3.9秒(4速)/4.2秒(5速)/5.6秒(6速)/7.2秒(7速)/10.5秒(8速)
90-110(145-177):4.6秒(5速)/6.1秒(6速)/8.0秒(7速)
100-120(161-193):5.4秒(5速)/6.6秒(6速)/9.0秒(7速)
◇各ギアの最高速

1速:51.5km/h(6500rpm)
2速:80.5km/h(6500rpm)
3速:128.7km/h(6500rpm)
4速:164.2km/h(6500rpm)
5速:214.0km/h(6500rpm)
6速:249.4km/h(5750rpm)
7速:249.4km/h(4732rpm)
8速:(公称値):250.0km/h(3680rpm)
8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1662rpm/1899rpm
◇制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温35℃
30-0マイル/時(48km/h):8.5m
50-0マイル/時(64km/h):23.1m
70-0マイル/時(80km/h):45.2m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.95秒
ライバルの制動距離
レンジローバー・スポーツ SVR(2015年)
テスト条件:乾燥路面/気温11℃
30-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):24.3m
70-0マイル/時(80km/h):47.5m
結論 ★★★★★★★★☆☆X7は、エンスージアスト受けする類のBMWではないが、こと最上位グレードのM50iに関する限り、オーナーがそれを気に病む心配はなさそうだ。
BMWがこのマーケットに参入しようとした決断は、北米や中東のような広い道に恵まれない欧州のドライバーからすれば疑問を覚えるだろう。しかし、このレンジローバーのライバルの完成度について、少なくともその走りを非難することは難しい。

結論:驚くほど大柄で、うらやましいほど洗練されている。しかし、多くのひとびとにとってはあまりにも過剰なクルマだ。    MAX EDLESTON長距離走行でのマナーは非の打ちどころがなく、キャビンは広くて快適で、ハンドリングは驚くほどコンフィデンスをもたらしてくれる。穏やかながらもパワフルなクロスプレーンV8エンジンを積み、どこをとっても意外なくらい好ましい道連れだといえる。
しかしながら、このクルマにはオフロードでの究極的な信頼性やキャビンの雰囲気で、レンジローバーには及ばない。また、どうしても3列シートが必要というのでなければ、6気筒のX5のほうが魅力的な選択肢となる。弟分のほうが走りは甘美で、ランニングコストは低く抑えられ、見栄えがよく、挙動の洗練度で引けを取ることもほぼない。
それゆえ英国では、X7を求めるユーザーは少数派となるだろう。しかし、500psオーバーのSUVとなれば話は別だ。需要は少なくないだろう。
◇担当テスターのアドバイス

サイモン・デイヴィス
速いSUVとしては、本格Mモデルよりも絶対的に円熟したMパフォーマンスのほうが間違いなく好みだ。BMW Mがエアサスペンションを使うならば、X7 Mはまったく異なるクルマになるはずだ。しかし、それでM50iのような懐の広い運動性能を実現できたなら、それこそ驚きだ。
リチャード・レーン
このMバッジを持つX7が控えめだと評価されることは絶対にないはずだ。しかし、もっと迫力のある見た目とパワーを求めるというなら、アルピナXB7という選択肢がある。 
◇オプション追加のアドバイス

絶対におすすめなのは、2450ポンド(約34.3万円)のエグゼクティブドライブ・プロパッケージと1195ポンド(約16.7万円)のインテグラルアクティブステアリング。バウワース&ウィルキンスのサウンドシステムはエクセレントだが、3280ポンド(約45.9万円)とかなり高価だ。
◇改善してほしいポイント

・キドニーグリルが大きすぎる。いくら車体が大きくても、やはり見栄えはよくない。
・プラグインハイブリッド仕様には、EV走行でほかにはないような航続距離を実現してほしい。110kmは超えてもらいたいところだ。
・ウェイトは重すぎる。大きくて高性能なクルマではあるが、軽量化の余地はあるはずだ。

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【ブランドらしさを高めた2代目】ロールス・ロイス・ゴーストへ試乗 6.75L V12 前編

2020年9月19日 10:20 AUTOCAR JAPAN

プラットフォームから一新した2代目text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
 
ゴージャス。課税前の金額が20万8000ポンド(2828万円)もするクルマの、1つの表現。ラムウールのフロアマットがご希望なら、別途の追加料金が必要になる。
ゴースト。2009年にデビューし、史上最も販売面で成功したロールス・ロイス製のサルーン。目前にあるのは、まったく新しいバージョン2.0となる。もっとも、カリナンの売れ行きを見ると、ゴーストの販売記録はいずれ塗り替えられるだろう。

ロールス・ロイス・ゴースト(英国仕様)初代となる先代のゴーストには、巨大なBMW製の基礎構造が隠れていた。BMWがロールス・ロイス・ブランドを保有していることは、皆さんもご存知だろう。
1990年末、フォルクスワーゲンは、ロールス・ロイス・ベントレーの買収に動いた。しかし、ロールス・ロイスは譲渡条件に含まれておらず、ベントレーのみがフォルクスワーゲンに吸収された過去がある。
分断されたかに思えた買収劇だったが、20年が経過してみると、悪いことだったとはいえないようだ。ロールス・ロイスとベントレーは、まったく異なるクルマづくりを進めている。各モデルが強い個性を主張できるほど、ブランドとして確かな成長を遂げた。
親会社とは異なる、専用のプラットフォームも生み出せるようになった。「ラグジュアリーのアーキテクチャ」と、自ら認めるものだ。
この豪華なアーキテクチャは、長い押し出し構造材を用いた、オール・アルミニウム製。全長やホイールベース、地上高の異なるクルマを、比較的簡単に展開できる。
カリナン由来のV型12気筒と四輪駆動車内スペースの確保やデザインのために、ハードウエアの搭載位置の変更も容易だという。例えばゴーストの場合、テールエンドは先細りにできている。
カリナンやファントム、そしてゴーストは、同じプラットフォームを基礎構造としている。今後登場する、クーペやコンバーチブルの新型も、同じものを採用するだろう。

ロールス・ロイス・ゴースト(英国仕様)ゴーストの内側に積まれるパワートレインは、基本的にはカリナンのもの。ボンネットの下には、ツインターボで過給される6.75LのV型12気筒エンジンが収まる。
最高出力は571psで、肝心な最大トルクは86.5kg-mもある。しかも極太のトルクは、アイドリングから600rpmだけ回転数が上の、1600rpmから生み出される。
トランスミッションは8速ATで、四輪駆動。発進とほぼ同時に、豊かなトルクを4本のタイヤから路面へ伝えることが可能だ。
ロールス・ロイスは、ドライブトレインの部品番号には、BMWではなくロールス・ロイス独自のものが割り振られていると主張する。筆者は、あまり重要なことだとは思わないけれど。
サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーン式で、リアがマルチリンク式。前後ともにエア・サスペンションとアダプティブ・ダンパーが備わるが、ドライブモードで硬さを変化させられるわけではない。
オーナーの多くは、自ら設定を変えたいとは考えていない。ロールス・ロイスが設定した乗り心地に、身を委ねたいのだ。
クルマ版のコンシェルジュゴーストは、クルマ版のコンシェルジュ。基本的には、オーナーの人生をより心地よくし、面倒なことをかわってくれる存在だといえる。
リア・サスペンションには、電圧12Vで稼働するアクティブ・アンチロールバーを採用。カメラ映像から路面の凹凸を読み取り、起伏の接近を判断し、柔軟さを変化させる。

ロールス・ロイス・ゴースト(英国仕様)フロント側には、ボディをフラットに保つための、マスダンパーを備える。リアにはステアリング・システムが付く。
ほかにも多くのテクノロジーが、ゴーストを影武者のようにサポートしている。しかし、オーナーはその存在を知る必要はない。
ゴーストはかなり大きい。全長は5546mmで、全幅はミラーを含むと2148mm。先代より、わずかに大きくなっている。
ただし、ドアの防音材などの厚みも増しており、車内スペースに大きな違いはない。といっても、高身長のオーナーがリアシートで快適に過ごすのには十分以上の、空間は用意されている。
身長の高いドライバーの場合、太いBピラーが横方向の視界にかかりそうだ。オプションのリアウインドウのブラインドも、視界を制限する。しかし、外界の目線から隠れたいのなら、むしろ好都合な存在となる。
ロールス・ロイスの最上級、ファントムのオーナーなら派手好きで、細かいことを気にしないかもしれない。しかしゴーストのオーナーは、浪費に対する意識も高く、志向が違う。目立つことは、あまり好まないだろう。
ステアリングを握る音が目立つほど静かゴーストのレザー内装は、ステッチは控えめ。ファントムのように、ガラス張りのギャラリーがダッシュボードを飾ることもない。目立たないことに対する、ロールス・ロイス流の仕立て方だ。
ダッシュボードの右端に、小さな星が刻印された、ゴーストのエンブレムがあしらわれる。聞こえより、実際目にする雰囲気はずっと良いはず。

ロールス・ロイス・ゴースト(英国仕様)インテリア全体のフィット感や仕上げも、素材の選ばれ方も、見事。筆者の好みでは、メーターパネルはモニター式ではなく、アナログ・メーターが並んでいても良いと思う。
エアコンの送風口は、繊細な金属製。アンビエント・ライトも、贅沢に感じられるかどうかは別として、巧妙にインテリアを演出する。ロールス・ロイスとして、極めて快適だということは、疑いようがない。
車内はとても静か。全体で100kgもの防音材が用いられている。ちなみにファントムは130kg。当初は低音域が少し大きかったそうだが、空気口の処理で軽減させたという。
高速道路の追い越し車線を走っていても、リアシートのオーナーは、フロントシートのドライバーとささやくような声で会話ができる。車内で聞こえる一番大きなノイズは、レザー巻きのステアリングホイールを握る、手のひらが擦れる音くらい。
もう少し直径が大きくて、細いリムの方がファントムっぽいと、筆者は思う。
この続きは後編にて。

外部リンク