cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_aaf0625f77e7_VRゲームを進化させる、直径1m内で無限に歩け続けられる装置 aaf0625f77e7

VRゲームを進化させる、直径1m内で無限に歩け続けられる装置

 広島市立大学の脇田航助教は、仮想現実(VR)ゲーム用の360度方向の歩行入力装置を開発した。腰を囲むドーナツ状のクッションの中に荷重センサーを配置し、移動方向を検出する。歩くように脚を上げた動きを計測して歩行や走行としてVRゲームに入力する。直径1メートル程度の装置の中で無限に歩き続けるようなVR体験ができる。

 VRゲームでは全身の動きを狭いスペースで計測し、コンテンツに反映させることが課題になっている。本当に歩いたり走ったりすると広いスペースが必要になり、ヘッドマウントディスプレー(HMD)などの配線の取り扱いが問題になってくる。

 そのため乗馬やサーフィンのような乗り物に乗せて下半身の動きを制限するコンテンツがアミューズメント施設では主流だった。

 今回、脇田助教は、クッションで腰を囲い、脚を動かしても実際には移動しない計測装置を開発した。クッション内部には腰の高さに荷重センサーが配置され、装置に体重をかけるとその力を検出する。さらに膝の上げ下げを、膝の付け根の高さのセンサーで計測する。膝の角度の計測分解能は5―15度程度。膝を上げ下げする速度を移動速度に反映できる。

 検出システムの部品原価2万円で構成できる。研究用試作ではドーナツ状のクッションや架台が高価になっているが、構造自体はシンプルなため量産機ではコストを抑えられると見込んでいる。

 ベンチャーを立ち上げて事業化する計画。まずは施設用のVRアトラクションに提案する。将来は家庭用の歩行入力システムに展開したい考えだ。

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cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_04e8c1808504_タピオカブームは、世界経済の「不吉な兆し」は本当? 04e8c1808504

タピオカブームは、世界経済の「不吉な兆し」は本当?

 今や、ちょっとした繁華街の街角ならスタンドを見かけることが当たり前になったタピオカ飲料。これが“不吉な兆し”だという珍説を聞いた。

 現在の人気は第3次ブームといわれる。1990年代に起きた第1次ブームの頃、日本経済はバブル崩壊後の混迷の時代だった。2008年頃の第2次ブームは、言わずと知れたリーマン・ショックが世界経済を震撼(しんかん)させた。

 何の関連性もないとわかっていても、指摘されれば気になる人もいるだろう。米中の貿易摩擦の余波や、いまだ不透明な英国の欧州連合離脱問題など、世界経済には不安要因が渦巻いている。

 欧州中央銀行は「欧州経済の回復を支える」として利下げを決定。米国の連邦準備制度理事会は、あすにも緩和策を打ち出す可能性が大きい。かろうじて堅調とされる日本の景況も、いつブラックホールに転落するかわからない。18―19日の日銀の金融政策決定会合から目が離せないわけだ。

 かつてのタピオカは、もっと小さくて透明だった。今は大粒で、カラメルや黒蜜で味付けしている。「今と昔はまるで違うじゃないか」と言いたいところだが、ミルクティーに沈む黒い球体が、得体(えたい)の知れないブラックホールのようにも見えてくる。

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cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_89ca79c5dd43_電動化時代にエンジン部品の研究開発を強化するデンソー 89ca79c5dd43

電動化時代にエンジン部品の研究開発を強化するデンソー

 デンソーは愛知県刈谷市の本社敷地内に、自動車エンジン部品などの研究開発棟を新設する。既存施設が老朽化しており、建て替えによる最新設備の導入などで開発能力を高める。投資額は数十億円規模とみられ、2020年2月の完成を計画する。デンソーはCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)という新分野に力を入れるが、エンジン車の需要も当面続くとみている。次世代、既存技術の両にらみで開発体制を強化する。

 新設する「パワエレ&エレフィ開発センター(仮称)」は、敷地面積が1万2700平方メートル、延べ床面積が約2万平方メートルの3階建て。人員は350人程度となる見込み。

 デンソーは電気自動車(EV)など電動車の市場は急拡大が見込まれるものの、エンジン車の需要もハイブリッド車(HV)を含め底堅く推移するとみている。

 デンソーは吸排気や燃料噴射、点火、発電、冷却などのエンジン部品を手がけている。新棟では開発部品を搭載したエンジンを実際に動かし、性能や耐久性を評価する実験を主に手がける。コンピューター利用解析(CAE)などデジタルエンジニアリングの活用も加速し、開発力を高める。

 デンソーは5月、エンジン関連部品を手がける愛三工業の出資比率を現在の3・8%から約38%に引き上げ、持ち分法適用関連会社にすると発表。燃料ポンプなど一部の重複事業を愛三工業に譲渡することも検討している。

 エンジン部品の開発力を拡充するとともに、事業の構造改革で収益力を盤石にする。

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cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_36171e64f1d3_日立はシニア研修、キヤノンは職種転換…製造業で「学び直し」促進のなぜ? 36171e64f1d3

日立はシニア研修、キヤノンは職種転換…製造業で「学び直し」促進のなぜ?

 製造業でデジタル変革(DX)に向けて社員の学び直し(リカレント教育)を推進する動きが活発だ。日立製作所は2020年度から中堅以上のシニア向けデジタル技術研修を始める。キヤノンは22年までに工場の自動化で生じた余剰人員の職種転換により、ソフトウエア技術者を大量育成する。住友化学もデータサイエンティストなどの人材確保に注力する。国内はデジタル人材の絶対数が不足しており、既存リソースの活用が有効な手段となりそう。

 日立製作所は人材育成子会社の日立アカデミー(東京都台東区)を中心に、20年度の開始を目指して中堅・ベテラン社員向けのDX研修カリキュラムを作成している。21年度までに若年層を含むデジタル対応力強化に向けた教育量(人・日単位)を従来比で50%増やす。注力するIoT(モノのインターネット)共通基盤「ルマーダ」事業の世界展開を担う人材育成を急ぐ。

 キヤノンは既存社員の職種転換を進め、22年までに品質検査を含むソフトウエア技術者を計370人育成する。18年10月に本社近くに新設した教育施設を活用し、人工知能(AI)やIoT、クラウドサービスなどの研修を充実させる。工場の省力化を図る一方で事務機器など製品の競争力に直結するソフト開発体制を拡大する。

 住友化学は21年度をめどに計170人のデジタル人材を確保する。育成対象の内訳は全社のデータ解析を指揮するデータサイエンティストが20人、生産や研究開発現場で統計解析を行うデータエンジニアが150人。プラントの運転自動化や設備保全の負担軽減、材料開発の効率化を先導するデジタル人材が今後不可欠となることに対応する。

 政府が18年にまとめた試算によると、20年に先端IT人材が5万人、一般IT人材が30万人不足する見通し。30年にはその2倍の60万人が足りなくなるという。DX時代のデジタル人材育成・確保競争は業種の垣根を越えて激しくなるばかりだ。

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cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_c786468b46e8_日本初の液体ミルク、グリコが「白さ」に徹底的にこだわったワケ c786468b46e8

日本初の液体ミルク、グリコが「白さ」に徹底的にこだわったワケ

 2018年8月に厚労省の省令改正を皮切りに国内での生産販売が可能になった液体ミルク。国内では2019年3月に江崎グリコと明治が発売している。発売から約半年が経過し、当初計画の2倍以上を出荷するなどの好調が続いている。しかし液体ミルクの販売までには従来の粉ミルクを「液体にしただけ」とは違う苦労があったという。開発から発売、その後の展開までを、現在液体ミルクを販売している江崎グリコ、明治に聞いた。
 江崎グリコは日本で初めて液体ミルク「アイクレオ 赤ちゃんミルク」を発売した。マーケティング本部の水越由利子氏に話を伺った。

「白さ」にこだわり

―開発をスタートしたのはいつからですか?
 2016年4月に発生した熊本地震がきっかけです。海外から液体ミルクが届けられたという記事を見たとき、「日本製の液体ミルクがあれば安心して子育てができるようになるね」と話したことがきっかけです。もともと社内に乳飲料の製造知識と乳幼児の栄養に関する知識があったので、これがうまく融合できたことが大きかったと思います。

―ノウハウを持っていたことで開発もスムーズに進んだのでしょうか。
 とはいえ、開発は難しいだろうと考えられていました。販売までに3年、開発には2年半かかりました。省令がなかったので、どういった内容にすべきか悩みました。粉ミルクを基準に考えてはいましたが、液体の方が保存期間中に成分がゆるやかに変わっていきやすいという特徴があります。その中でも赤ちゃんに必要な栄養をきちんと担保する、というのを見定めるのが難しかった部分です。テストの結果が出る前に成分変化の予測を立てながら開発を進めていきました。

―一番こだわったポイントは。
 色の白さです。海外の製品は灰色っぽい色をしているものが多く、「日本のお父さんお母さんが安心してミルクをあげられるだろうか」と考えた時に、やっぱり白いものがよいだろうという結論になりました。「白さ」へのこだわりは紙パックで製造することにつながっています。
紙パックの製造工程では、超高温・短時間で殺菌するという製法を取っており、これがミルクの白さにつながっています。高温で長時間殺菌するとミルクの色が変化してしまうのです。

―粉ミルクと液体ミルクで使われている成分は異なりますか。
 基本的に一緒です。弊社では母乳を目指した設計にしているので必然的に同じになっています。ミルクで育児をされている方から「母乳が出ないことへの罪悪感」という話をよく聞きます。必要以上に自分を追い詰めないでほしいと思いますし、粉ミルクが母乳に近いものであればそういった方々の不安を少しでも払拭できるのではと考えています。
また粉ミルクよりも液体ミルクの方がサラリとしていて飲みやすい、という声も聞いています。

―お母さんたちに液体ミルクの存在や使い方などを周知するための活動はどのように行いましたか。
 弊社としては液体ミルクの存在を世間に広める活動を早い段階から行ってきたと思っています。発売時に体験会を実施し、また栄養士の資格を持った「アドバイザー」が全国に300人ほどおり、育児用品販売店などで栄養相談を行っています。使い方だけでなく、お母さんたちが一人で抱えがちな“授乳”というものをどうシェアするかといったお話もしています。特に液体ミルクはお父さんだけでなく祖父母も育児に参加しやすくなると言われています。

 液体ミルクは子育てを変えるものだと思っています。授乳をお母さん一人に背負わせない、いろんな人が授乳することで赤ちゃんにいろんな人が愛情を注いでもらえるようにしたい。日本の子育ての幸福度を上げたいというのが最終的な目標であり、液体ミルクはその一助になると考えています。

―授乳までの工程も時間も粉ミルクよりはるかに短縮できます。
 約10秒でパックから哺乳瓶に移し替えてすぐあげられるので、泣いている赤ちゃんを待たせずに済みます。粉ミルクだと調乳に約10分かかります。生まれてから数カ月はミルクの時間が1日にだいたい8回。液体ミルクであれば1日に80分近く短縮できます。それだけあればお母さんの寝る時間や、遊びや散歩の時間が確保できます。精神的、身体的な負担が軽減できるんです。
また、粉ミルクを使っているお母さんたちから聞くのは、荷物が多く外出が億劫になることや、出先での調乳が負担という声です。出かける際には哺乳瓶、お湯と湯冷ましそれぞれを入れた水筒、粉ミルクのセットが必要ですが、液体ミルクであれば、紙パックと哺乳瓶だけで済みます。さらに紙パックなら軽いし畳んで捨てやすいんですよね。
 災害担当の方にも紙パックは好評でした。避難所で問題になるのがごみ捨ての問題。その際にかさばらない紙パックは良いとのことでした。


災害備蓄に液体ミルクを
―日常・非常時両方で使いやすいというのは大きな利点ですね。
 防災でポイントとなってくるのが、「ローリングストック」をどう生活に取り入れるかだと思います。日常で使いやすいものが災害時にも役立ちます。非常時にいきなり液体ミルクをあげて赤ちゃんが飲まない可能性もありますので、普段から少しずつ練習しておくのも大事です。「災害食大賞2019」の新製品・セット部門にて金賞を受賞したのですが、その時評価されたのが「普段から使える」という点でした。液体ミルクはいざという時の“お守り”であり、普段からも活用してほしいと思っています。
 
―災害時備蓄用として自治体からの問い合わせも増えていると思います。
 問い合わせも多く、実際にいくつかの自治体には備蓄していただいています。ただ自治体によっても温度差があり、あまり導入が進んでいないと感じています。熊本地震で被災した方に、当時生後4カ月の子が泣いてしまい周りに迷惑をかけることや、子供をケアする環境が避難所に整っていなかったことから10日間車中泊をしたというお話を伺いました。妊産婦さんや赤ちゃんは災害弱者になりやすいんです。導入している自治体も、もっと公表していただいたら良いのでは、と思うのですが。

―消費者から改善してほしい部分などの声はあがっていますか。
 現在薬局や一部の売店などでは売られていますが、コンビニで販売してほしいという声が上がっています。今後販売拠点は増やしていく予定です。
 また容器に関してもそのまま赤ちゃんにミルクをあげられるようにしてほしい、という声も多くいただいています。ただ海外で販売されているものに関しても哺乳瓶への移し替えが基本で、乳首付き容器はわずか3%だそうです。まずは紙パックで、「開封後すぐに赤ちゃんにあげる」などの正しい使い方が浸透・定着してほしいと思っています。


連載・「液体ミルク」が変えるもの(全5回)

【01】災害時に赤ちゃんの命を守る「ミルク」備蓄していない避難所6割近くに(9月14日配信)
【02】日本初の液体ミルク、グリコが「白さ」に徹底的にこだわったワケ(9月17日配信)
【03】(9月18日配信)
【04】(9月19日配信)
ニュースイッチオリジナル

【ファシリテーターのコメント】
紙パックならではの良さは、軽さと普段使いがしやすい点です。ローリングストックにぜひ取り入れてみては。
昆 梓紗

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cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_79e79c20051e_「最上位は過去の性能をしのがなくては」 厳しいカメラ市場、キヤノンの戦略は? 79e79c20051e

「最上位は過去の性能をしのがなくては」 厳しいカメラ市場、キヤノンの戦略は?

 デジタルカメラ市場の縮小が続いている。ミラーレスカメラだけは販売が伸びているが、スマートフォンの普及によるカメラ離れの影響は大きく、ミラーレス新製品の投入だけで市場を回復させるのは難しい。カメラ各社はどのような戦略を立てているのか、カメラ事業トップに聞く。第1回はキヤノンの戸倉剛常務執行役員。(聞き手・国広伽奈子)

―市場縮小をどう見ていますか。
 「普及価格帯の減少傾向が特に強い。(スマホ普及で市場全体が縮小していく)メガトレンドは致し方ないが、消費者をよく見て、魅力を感じられる商品を出していく」

―普及価格帯のミラーレス「EOS KissM」は根強い人気です。
 「日本では女性の購入比率が高く、KissMは新規層の獲得に寄与した。とはいえ、若者や女性比率の向上は難しい。既存のカメラの形に縛られないことも重要だ」

―若者や女性に支持されるための戦略は。
 「まずカメラに触ってもらう、カメラの入り口に立ってもらうことが必要だ。そのために新たな撮影スタイルを提供できるカメラを投入する。液晶画面がなく、スマホの画面で撮影画像を見る小型カメラや単眼鏡のような形の超望遠カメラ、子ども向けカメラなどはそうした取り組みだ。スマホとレンズ交換式カメラの中間領域を狙うが、コンパクトデジカメと同じものでは決してない」

―ミラーレスは、今後どのような戦略で臨みますか。
 「35ミリメートルフルサイズのイメージセンサーを搭載した『EOS Rシステム』は、まだ楽しめる層が限られている。システムの拡充が最重要事項。(性能や価格など)現行機種の上と下の領域に拡充する」

―ミラーレス最上位機種は、どのような構想ですか。
 「過去の性能をしのぐ製品でなければならない。ミラーレス開発は“快速・快適・高画質”を今後も追求する。動画性能も消費者の注目が高い。ネットワークとの親和性も重要な進化軸だ」

―ミラーレス用レンズの拡充も重要です。
 「手頃な価格や小型・軽量を意識する。一眼レフで用意できなかったユニークなレンズも提案したい。画質へのフィードバックもできるレンズを出す。画像処理に対するレンズ情報の活用はさらに進化できる。EOS Rシステムにしかできない点を追求する」

―交換レンズの製造の自動化について。
 「高精度の追求や良品率の上昇、製造コストの抑制のためには自動化を取り入れる必要があり、最適な工程から順次取り組んでいる。ボディーの製造と比べると、交換レンズの製造の自動化は形状の特性からハードルが高い。自動化に向けて一生懸命進んでいる状態だ」

 ―第5世代通信(5G)が注目されています。カメラへの影響は。
「高画質画像はファイルが大きい。5Gは撮影の快速・快適につながる大きなキーワードだ。大きなスポーツ大会など、決められた環境内できれいな画像を早く、リアルタイムにやりとりするには重要な通信環境だろう。カメラ内部のデバイスについても、5Gの環境が整った段階では今と異なるものが必要になるとは想像がつく」

―19年、20年は大きなスポーツイベントが国内で続けて開催されます。
 「今回のように、世界的なイベントが連続することはなかなかない。長年取り組んでいるプロ向けのサポートも今までになく力を入れている。また、ビッグイベントは市場にとってもプラス。プロユーザー向けのビジネスチャンスであることはもちろんだが、交換レンズシステムのすごさや映像の価値を多くの人に認識してもらえる機会だ」


連載・局面打開へ挑むカメラ各社(全6回)
【01】キヤノン(9月17日公開)
【02】ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ(9月18日公開)
【03】パナソニックアプライアンス社(9月19日公開)
【04】オリンパス(9月20日公開)
【05】富士フイルム(9月21日公開)
【06】ニコン(9月22日公開)
日刊工業新聞2019年8月2日の記事に加筆

【ファシリテーターのコメント】
新たなコンセプトの製品を次々に打ち出し、充実した製品ピラミッドをさらに広げるのが基本的な考え方。その頂点は「(映画制作向けの)『シネマEOS』も含めるとフラッグシップの考え方も変わるかもしれない」(戸倉常務)。映像制作用カメラの小型化や軽量化の需要は強く、キヤノンが一般消費者用と業務用との線引きも変える可能性がある。
国広 伽奈子

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cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_2a9dcf385286_アース製薬の最先端工場、「ほぼ自動化」で生きる“女性目線” 2a9dcf385286

アース製薬の最先端工場、「ほぼ自動化」で生きる“女性目線”

 アース製薬の赤穂工場(兵庫県赤穂市)の一角に、洗口液「モンダミン」を製造する工場がある。製造から出荷まで、ほぼ全てが自動化された最先端の工場だ。成長が続く洗口液市場の増産に対応すべく、効率化した。

 寺田繁和工場長は「13人で1日8万本作れる。2交代なら1日16万本だ。ライフスタイルの多様化でボトルサイズや液種は増える可能性は高い。今も進化している」と意気込む。

 モンダミンは、調合、充填、密封、ラベルの貼り付け、包装、保管、出荷という工程で製造される。製造ラインだけでなく、倉庫でも機械が働く。

 調合前の原料はタンクローリーで大量に運び込まれる。ドラム缶で購入するより費用も労力も抑えられるという。調合も自動計量で行われ、ヒューマンエラーが起きない。

 充填からラベルの貼り付けまでは、ベルトコンベヤーの固定器具を工夫した。ボトルに合わせてスライドする仕組みで、多くのボトルサイズに対応する。モンダミンは80ミリリットル―1.3リットルまで14種類のボトルがあるが、固定器具の交換は不要だ。

 また、液体切り替え時の配管洗浄も自動化されている。20種類ほどある液種の切り替えもスムーズだ。夜間に洗浄することで、工場の稼働率も高める。

 寺田工場長は「工場は自動化されているが、日々の整理整頓や安全衛生のチェックは人の目で実施する。特に女性目線で工場内をパトロールしてもらう。休憩室も含め、細かな部分に目が行き届く」と笑顔をみせる。人間の“目力”は健在だ。

 モンダミン工場は現在、一般人の工場見学も受け付けている。ガラス越しに全工程を見られる。夏休みには従業員の家族向けに見学会を実施し、特別にボトル詰め体験をしてもらうという。人間同士の結束を高めながら機械をフル活用し、働きやすく効率のいい現場を作り上げている。(文=門脇花梨)

【工場データ】2017年2月に稼働した。地上4階建てで、延べ床面積は1万1567平方メートル。モンダミンを年間2400万本生産している。一般見学コースでは30年以上の歴史があるモンダミンについて学べるコーナーや、試用コーナーを用意している。

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cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_c2b9890b9467_ICT建機の導入、環境省が支援するワケ c2b9890b9467

ICT建機の導入、環境省が支援するワケ

 環境省は2020年度、情報通信技術(ICT)を活用して作業効率を高めた建設機械の導入を支援する事業を始める。稼働時間が短縮されて燃料消費が抑えられるICT建機の普及を後押しし、建設現場の省エネルギー対策につなげる。事業新設に向け、20年度概算要求に15億円を計上した。500台のICT建機の需要創出を狙う。

 新事業は国土交通省と連携する。ICTによる省エネが見込めるブルドーザーと油圧ショベルを対象とし、従来機との差額の半分を補助する。1台最大300万円の補助を検討している。

 対象2機種は距離や角度、位置のデータをICTで収集・分析し、作業を自動化できる。ブルドーザーは1回の作業で地面を平らに仕上げられる。油圧ショベルも設計通りの角度ののり面を整備できる。どちらも完成までのやり直し作業が減り、稼働時間短縮による燃料消費削減の効果がある。

 ICT建機は高価なため導入が進んでいなかったが、環境省は温暖化対策の側面から普及を支援することにした。建設会社には燃料費削減のメリットもある。次の現場にも早くICT建機を投入できるため、建機の稼働率も高まる。

 建機の省エネ対策としては、電気とエンジンを併用したハイブリッド建機が開発されている。また大気汚染防止のため排ガス対策も進む。ICT建機は生産性向上と環境対策を両立する製品として普及が期待される。

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cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_00188f259c00_LPガスへの燃料転換で企業価値が上がった理由~LPG車導入によるBCP対策~ 00188f259c00

LPガスへの燃料転換で企業価値が上がった理由~LPG車導入によるBCP対策~

 浅野保温(愛知県扶桑町)は東海三県を中心に建設業における熱絶縁工事業を50年以上営む。配管やダクトの保温保冷工事を実施し、必要に応じて板金を施す。蒸気用のジャケットも本社工場で製作しており、内製率の高さは強みで緊急工事にも対応する。3代目の浅野朋幸社長は「遠方の仕事にも積極的に対応するなど細かい仕事を積み重ねて成長していく」と力を込める。

 そんな浅野保温の本社敷地内にはLPガスの充填施設(オートコンポ)がある。LPガスを燃料として走行するLPG車の一つでガソリンを併用できる「バイフューエル車」を導入しており、その充填用のほか、災害時の備えと位置づける。LPガス非常用発電機や炊き出しセットなども配備し、自社の事業継続計画(BCP)推進はもちろん、災害時には避難所として地域住民を受け入れる体制を整えている。こうした地域貢献は企業価値の向上につながっている。
 LPG車:「排気ガスがクリーン」「航続距離が長い」「1リットルあたりの販売価格はガソリンより安い」などの長所がある。日本LPガス協会によると、日本における普及台数は約22万台で、そのうち多くがタクシーやトラックなどの業務用車両。タクシーでは全体の約8割を占める。
燃料費削減と航続距離の延長を期待
 「関東や関西へも車で移動するため、燃料費節減と航続距離の延長の効果を期待した」。浅野保温の浅野社長はバイフューエル車を導入した理由をそう説明する。LPG車は会社員だった頃に利用した経験があったため、導入に抵抗はなかった。異業種交流会でともに経営の勉強をしていた位田モータース(名古屋市西区)の位田幸司社長がバイフューエル車の製造販売を手がけていたこともあり、導入を決めた。

 13年に2台導入し、19年にもう1台取り入れた。期待した通り1台あたり年間10万―20万円の燃料費削減効果を生み出しており、今後さらに導入台数を増やす計画という。

 LPガスの充填施設は本社移転を機に今年設置した。LPガスの充填所には隣町の小牧市に行かなくてはならず、設置の意向は数年前から持っていた。ただ、従前の本社では保安距離の関係などで設置できなかった。本社の移転により満を持して実行した。

地域貢献への想い
 充填施設に災害対応機能を導入した背景には、経済産業省による補助金の獲得を目指したことのほかに自身の経験があった。「18年秋に台風の影響で町内など狭い範囲で半日ほど停電し、パソコンやエアコンが使えなくなった。そうしたとき仮に顧客からなぜ仕事に来られないのかと言われると理解が得られにくいと考えた。大災害はもちろん小規模な災害に対しても備えは重要だと思った」(浅野社長)という。

 さらに地域の避難所としての体制も整えた理由は地域に貢献したいという思いが大きかった。浅野社長は「補助金を獲得する条件だったことが(地域の避難所としての体制整備に)取り組んだ前提にある」と前置きしつつ、「災害時に少しでも近隣住民を受け入れられれば、扶桑町では(仕事がなく)工事を請け負っていない我々にとってよい地域貢献になると考えた」と振り返る。

 最終的には災害時に休憩所や応接室、会議室の合計約180平方メートルを開放し、100人程度が避難できる体制を整えた。電気供給が止まってもLPガスによって炊き出しや電気機器の充電などができる。現在は扶桑町と災害協定の締結に向けて協議を続けている。

人材採用の効果を期待
 避難所としての体制整備は思いがけない効果も生んだ。地元メディアや業界紙に好意的に取り上げられ、近隣から高く評価された。浅野社長は「企業価値の向上は大企業にしかできないと思っていたが、(中小企業の我々が)実現する方法に気づいた」と説明する。

 浅野保温が手がける熱絶縁工事業は新しい顧客を獲得し、請負件数を積み重ねることが成長への道という。地域貢献による企業価値の向上はそれを牽引する大きな力になる。浅野社長は「人手不足で採用が難しくなっている。企業価値の高まりにより、よい人材が集まってくれれば」とも期待する。LPガス施設の設置が経費削減効果を生み出すだけでなく、企業の成長への足場になろうとしている。


LPガスへの燃料転換のご案内
http://www.j-lpgas.gr.jp/nenten/index.html

LPガスへの燃料転換事例や削減効果シミュレーションプログラム等を掲載しており
ます。


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cat_oa-newswitch_issue_aaf0625f77e7 oa-newswitch_0_756b7daea313_整備人材を海外から採用、人手不足で商用車メーカーが動く 756b7daea313

整備人材を海外から採用、人手不足で商用車メーカーが動く

 三菱ふそうトラック・バスは2020年に、自動車整備士の外国人技能実習生を現状比1・5倍以上の350人規模に引き上げる。20年に主要市場のインドネシアから60人を採用する計画。19年に国内自動車メーカーで最大規模の約300人体制とし、当面計約350−400人の規模を維持する。インドネシアの整備士育成や国内の人手不足対策が狙い。

 三菱ふそうは19年に外国人技能実習制度「自動車整備作業」で、インドネシアから148人の技能実習生を採用する予定。これまでベトナムとフィリピンから計157人(19年6月末時点)が全国の拠点で技能実習を受けており、19年での計305人は国内自動車メーカーとして最大規模の人数だという。

 インドネシアを中心とした東南アジアは三菱ふそうの主要市場であり、日本で技術を磨いた技能実習生を母国での整備士として育てたい考え。また技能レベルによっては最大5年間の就労ビザの取得が可能となり、国内での整備人材として活用も視野に入れる。

 技能実習生の教育はオン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)が中心だが、研修のためのトレーニングセンターも一部活用する。三菱ふそうは、整備などの社内教育機関「ふそうアカデミー」のトレーニングセンターを川崎工場(川崎市中原区)など国内5カ所に置く。最新のITシステムを完備した教室や実技演習に使う研究室などを設けており、技能実習生の教育にも生かす。

 人手不足対策などの点から、整備人材を海外から採用する動きは国内商用車メーカーで広がっている。日野自動車はフィリピンなどから数十人以上の技能実習生を採用している。いすゞ自動車も技能実習生を受け入れている。一方、UDトラックスはスウェーデン・ボルボグループの人材を生かすなど、19年に整備士を海外から約130人採用する計画だ。

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