cat_oa-newswitch_issue_7b3e53579ed9 oa-newswitch_0_7b3e53579ed9_ドローン荷物輸送解禁でビジネスチャンスを掴め 7b3e53579ed9

ドローン荷物輸送解禁でビジネスチャンスを掴め

 ドローンネット(東京都千代田区)は、2018年度から、産業・ビジネス向けのドローン事業を本格化させる。17年度は格闘技試合の撮影など娯楽向けが中心だったが、離島・山間部のドローン荷物輸送が18年夏に解禁される見込みなど「規制緩和でドローン市場が急速に広がる」(野尻孝執行役員)と見て、産業向けに軸足を移す。ドローンサービス利用の「スカイビジネス」会員募集を開始、21年度に計3万件の登録を目指す。

 スカイビジネスは会員制で、月会費は7980円(消費税込み)。登録するとドローン空撮映像売買の「スカイストック」に参加できるほか、ドローン操縦士に業務を頼みたいときのマッチングシステム「スカイクラウド」が利用できる。遠距離現場に行かなくてもドローンを通じて現場映像が見られる「ドローンスコープ」サービスも予定する。

 ドローンスコープサービスではドローン業務の依頼者がわざわざ行かなくても、現場にいるドローン操縦士と同じ映像を見ながらコミュニケーションできるため、東京本社から九州の建築現場をリアルタイムで指揮監督したり、四国に住む祖父母へ東京にいる孫の運動会風景を生中継で送ったりするなど、さまざまな利用法が考えられる。

 スカイストックは旅行会社が国内旅行名所をビデオで紹介したり企業が自社の商品を売り込みたいときに海や鳥の映像をイメージビデオで流したりするといった利用を想定する。地方自治体や旅館が観光地のPR向けに、ドローン空撮映像を購入するような使い方も有効という。
日刊工業新聞2018年4年6日

【ファシリテーターのコメント】
ドローン市場は全世界で年間15兆円以上といわれ、規制緩和とアイデアビジネスで20年代は同数十兆円に膨らむとの予測もある。ただ、日本でのドローンの規制緩和は、外国の速度に比べると遅い。上空を飛ばすときに国土交通省の許可をいちいち取らなければならないほか、都市上空を飛ぶ場合に住民プライバシーや安全対策をどう確保するかなどの問題が山積している。規制緩和が進めば、ドローンネットの事業拡大にもつながる。
(日刊工業新聞編集委員・嶋田歩)
日刊工業新聞 記者

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cat_oa-newswitch_issue_7b3e53579ed9 oa-newswitch_0_fb92e34cae15_5000万台を突破した「ウォシュレット」、TOTOが噴射する外国人のお尻 fb92e34cae15

5000万台を突破した「ウォシュレット」、TOTOが噴射する外国人のお尻

 日本人の清潔志向と相まって普及した温水洗浄便座。TOTOのウォシュレットは1980年の販売開始から順調に出荷台数を伸ばし、3月に累計5000万台を突破した。国内では温水洗浄便座の18年の一般世帯普及率が80・2%と、既に日常生活にはなくてはならない存在になっている。家庭だけではなく、商業施設や駅、高速道路のサービスエリアなど公共トイレでもウォシュレットが多く使われるようになってきた。

 もちろん市場は国内だけではない。同社は海外展開にも力を入れる。海外では、この10年で出荷台数が約5倍に拡大した。特に中国を中心とするアジアや米国西海岸での販売が伸長している。米国ではホテルや富裕層向けの住宅で普及が進む。

 4月には、成田国際空港第1ターミナルの到着ロビーに、IoT(モノのインターネット)を活用したトイレ空間を開設した。タブレット端末でウォシュレットの操作ができ、5言語に対応するなど外国人にも使いやすくした。訪日外国人に対して、入国後最初に使用するトイレでウォシュレットを体験してもらうのが狙い。帰国後の購入のきっかけにつなげたい考えだ。

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cat_oa-newswitch_issue_7b3e53579ed9 oa-newswitch_0_08fa866b5ba8_地熱・工場廃熱で発電する電池、IoTセンサー用の実用化目指す 08fa866b5ba8

地熱・工場廃熱で発電する電池、IoTセンサー用の実用化目指す

 東京工業大学物質理工学院の松下祥子准教授と三桜工業の研究グループは、地熱や工場廃熱などの熱を利用して発電する電池を開発した(写真)。光エネルギーを電気に変える色素増感型太陽電池内の色素を半導体に変え、熱エネルギーを利用することを考案。40度―80度Cの熱で発電することに成功した。2024年までにIoT(モノのインターネット)センサー用電池に実用化を目指す。その後、地熱利用発電所を構築したい考え。

 開発した電池は、ゲルマニウム半導体と高分子固体電解質を利用した。熱エネルギーで半導体が電子を生成し、電解液中のイオンを酸化還元して発電する仕組み。

 縦2センチ×横1・5センチ×厚さ2ミリメートルの電池を作製し、電解液内で発電温度を40度―80度Cまで下げることに成功した。また、発電終了後に80度Cに保った状態で70時間以上放電し、放電後10時間以上放置すると発電能力が復活することが分かった。

 これまで同様の仕組みで作製した電池は、発電温度が600度Cと、標的とする発電温度の60度―150度Cを超えてしまっていた。研究チームは、安定でイオンが移動しにくいゲルマニウム半導体を使い、発電温度を下げることに成功した。

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cat_oa-newswitch_issue_7b3e53579ed9 oa-newswitch_0_1ea8b525d170_村田製作所が業界最小のSAWデバイス量産、何ができる? 1ea8b525d170

村田製作所が業界最小のSAWデバイス量産、何ができる?

 村田製作所は業界最小の表面弾性波(SAW)デバイスの量産を始めた。チップ設計とパッケージング方法を見直し、同社従来品比で面積を2―4割弱ほど小型化。伝送特性などは同等以上にした。スマートフォンのマルチバンド対応で同デバイスの搭載数が増えており、顧客の小型化ニーズに応えた。

 価格や販売目標は非公表。中国系スマホメーカーなどに供給する。新デバイスは送受信電波を同時にやりとりするSAWデュプレクサーと、必要な周波数の電波の受送信に使うSAWフィルター。

 SAWデュプレクサーは、同社従来品比約24%減の長さ1・6ミリ×幅1・2ミリメートル。SAWフィルターは、同約37%減の長さ0・9ミリ×幅0・7ミリメートルにした。
日刊工業新聞2019年7月19日

村田恒夫社長の答え
 ―実用化が迫る次世代通信の5Gなど通信分野の見通しは。
 「5Gで使う(大きな情報量を伝送できる高周波数帯である)『ミリ波』などに合わせた回路需要が高まる。表面弾性波(SAW)フィルターはミリ波などの領域では使えない。ただ4Gにおいてモジュール(複合部品)にして小型化する方向で需要が増える。同フィルターも年率5%の増産を図る」
日刊工業新聞2019年2月5日の記事から抜粋

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cat_oa-newswitch_issue_7b3e53579ed9 oa-newswitch_0_474f94e2f723_アバター開発ありきではない、「遠隔存在」で人手不足解消に向き合う 474f94e2f723

アバター開発ありきではない、「遠隔存在」で人手不足解消に向き合う

 「こんにちは」―。自然豊かな小笠原諸島で、つぶらな瞳をした1台のヒト型ロボットが観光ガイドに向かってあいさつしながら手を振っている。現地に生息する亀に触れて驚いた様子を見せる。ロボットを動かしているのは約1000キロメートル離れた東京・竹芝にいる人間だ。

 テレイグジスタンス(東京都港区)がKDDI、JTBなどと共同で実施したロボットを使った旅行体験イベントの一幕。ロボットの目や手が、人間が装着した仮想現実(VR)対応のヘッドマウントディスプレーや、触覚デバイスを搭載したグローブと連動している。実際に現地に訪れているような臨場感を味わえる。

 社名にも冠した「テレイグジスタンス(遠隔存在)」と呼ぶこの技術は、東京大学名誉教授の舘暲が1980年に世界で初めて提唱した。舘が約40年に及ぶ研究成果の社会実装を託した一人が、起業を目指して舘の研究室に通っていた最高経営責任者(CEO)の富岡仁。富岡は人を時間や場所の制約から解放するテレイグジスタンスに多様な社会課題を解決する可能性を見いだし、三菱商事退社後の17年1月に舘らとともに創業した。

 社会実装に向けたニーズを探るため富岡と最高執行責任者(COO)の彦坂雄一郎は手分けし、約1年かけ150社以上の企業訪問を重ねた。彦坂はそこで「深刻な人手不足に悩む企業の実態に直面した」と当時を振り返る。

 例えば椅子の修理を専業にする石川県の中小企業は、生地の張り替えなど職人の高度な技能による完成度の高さが評価され、全国から修理注文が殺到している。だが若手をはじめとする人材獲得に苦戦していた。人材を確保できなければ習得に10年かかるという職人の技能伝承は難しい。彦坂は都市部に労働人口が集中する日本の社会課題を肌で感じた。

 「難しい領域だが、ロボティクスで解決すべき問題だと強く感じた」。富岡と彦坂は人手が必要な製造業や小売りといった労働集約型産業に照準を定めることを決めた。人がロボットを自分の分身として利用すれば場所を問わずに働ける。人工知能(AI)を活用し、ロボットに職人の技能を学習させれば伝承も可能になる。人手不足に苦しむ多くの企業を救う一手になると同時に、市場が広くビジネスとして成立すると確信した。

 20年には実用化の第1弾プロジェクトが始動する予定。将来的にはロボットの完全自動化を視野に入れる。安全性、耐久性など超えるべきハードルは高いが「ロボットが人間の良きパートナーとして共存する世界を実現したい」。彦坂は自社開発したアバターロボットのプロトタイプ「モデルH」を前に未来を想像し、力を込めた。
(敬称略)
(文=下氏香菜子)
日刊工業新聞2019年7月19日

【ファシリテーターのコメント】
勝手な思い込みですが、アバター開発はアバターありきな感じがしていました。テレイグジスタンスは人手不足の解決を目指しています。課題と向き合い、必要とされる技術の開発です。SDGsのアジェンダには「民間企業の活動・投資・イノベーションは、生産性及び包摂的な経 済成長と雇用創出を生み出していく上での重要な鍵である」とあり「課題解決のための創造性とイノベーションを発揮する ことを求める」と書かれています。テレイグジスタンスに通じます。
松木 喬

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cat_oa-newswitch_issue_7b3e53579ed9 oa-newswitch_0_b1cccc1dad73_「アポロ11号」着陸から50年、日本人はいつ月に立つのか b1cccc1dad73

「アポロ11号」着陸から50年、日本人はいつ月に立つのか

 「あいつら月に行きやがった」。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の的川泰宣名誉教授は50年前をこう振り返る。1969年7月21日(日本時間)、米国のアポロ計画で人類が月に着陸し、そして今再び世界中が月探査に向け動き始めた。米国は2024年にも宇宙飛行士を月面に着陸させる「アルテミス計画」を発表。その動きを各国は敏感に察知し国際探査に向けた準備を進める。日本人宇宙飛行士が月に着陸する瞬間を我々は見られるのだろうか。

「米ソ開発競争」経て…
 70年代に米国はアポロ計画で宇宙飛行士を定期的に月に送り、「月の石」と呼ばれる月の試料を採取した。月の石の分析で多くの科学的知見が得られたという。的川JAXA名誉教授は「分析によって、地球に巨大な天体がぶつかり分裂して月になったという説が新たに持ち上がった」と当時の月探査の科学的意義を強調する。

 20世紀に入るとロケット技術の急速な進歩で、米国と旧ソ連との間で宇宙開発競争が激化。その一環で米国のアポロ計画は進み、人類は69年7月に月に降り立った。JAXA国際宇宙探査センターの佐々木宏センター長は「アポロ計画は旧ソ連との競争の中で生まれ、月に行って帰って来ることが主なミッション。科学的にも月全体ではなく、局所的にしか探査できていなかった」と話す。

 それから半世紀。各国による月面探査が再び活発化している。米国は24年に運用が終了する国際宇宙ステーション(ISS)に続き、月を周回する月近傍有人拠点「ゲートウェー」の整備を進めている。

 将来の火星有人探査に向けた中継地点と位置付けられている。当初、米航空宇宙局(NASA)は22年から同拠点の建設を始め、26年頃の完成を目指すとしていた。アルテミス計画ではゲートウェーから月面に宇宙飛行士を着陸させることを想定し、ゲートウェーの完成も24年より前倒しになるのではないかと見られている。

 こうした動きに対し、日本は深宇宙補給技術や有人宇宙滞在技術などの基盤技術をアピールする。政府は19年中に正式参加の可否を表明するもようだ。

 日本は無人での月探査計画も進める。JAXAは21年度に月面の目標地点に誤差100メートル以内のピンポイント着陸を目指す月着陸実証機「SLIM(スリム)」を打ち上げる予定だ。

 さらにJAXAとインド宇宙研究機関は17年、水がある可能性を秘めた月極域での探査に関する協定を締結。日本から23年度にも資源の可能性を検討する月探査機を打ち上げる。欧州宇宙機関(ESA)とカナダ宇宙庁(CSA)と共同で、月面を移動し大量の試料を地球に持ち帰る計画「HERACLES(ヘラクレス)」の探査機の26年度の打ち上げも検討する。

 一方、月への着陸を目指す超小型月探査技術実証機「OMOTENASHI(おもてなし)」、東京大学とJAXAの研究グループが地球から見て月の裏側への航行を目指す超小型深宇宙探査機「エクレウス」などの計画も進む。これらの探査機は、NASAの新型大型ロケット「SLS」の初号機に搭載し打ち上げる計画だ。

 中国は1月に月探査機「嫦娥(じょうが)4号」を初めて月の裏側に着陸させることに成功した。月探査に向けた国際競争はますます激化していく。

民間も開発後押し
すでに民間は月探査に積極的に取り組んでいる。宇宙ベンチャーのispace(アイスペース、東京都港区)は、21年にも無人の月着陸船を月に着陸させ、探査車(ローバー)で月面を探査する計画だ。

同社と米3機関は共同でNASAの月面輸送サービスのプログラムに採択されている。同社の袴田武史最高経営責任者は「月面の資源探査に必要な輸送システムを構築したい」としている。

トヨタ自動車も月に進出する。トヨタは燃料電池車(FCV)の技術を利用したローバーをJAXAと共同開発する。こうした民間の動きは宇宙ビジネス業界を活性化し、宇宙開発全体を大きく押し上げると期待される。

【インタビュー】JAXA国際宇宙探査センター・佐々木宏氏

 JAXA国際宇宙探査センターの佐々木宏センター長に月探査への展望を聞いた。

 ―米国はゲートウェーの早期建設を目指しています。
 「ゲートウェーは放射線環境などの関係で1人当たり10―30日しか滞在できず、無人の時もある。水や空気が再生できるレベルをISSと同等にする必要があり、日本が開発をリードし技術力をアピールする必要がある」

 ―日本人が月に着陸する可能性は。
 「ゲートウェーにはISSの『きぼう』のように1個まるごと各国の構造物というものはなく他国との共同で作るため、各国の貢献度の測り方が難しい。日本は水や空気の再生技術、ISSへの物資補給船『こうのとり』の技術などで貢献し、ISSと同レベルでゲートウェーの宇宙飛行士に日本人がなれるよう交渉する必要がある。そこから月に着陸する日本人が選ばれるのはさらに厳しい。1回目の月着陸計画では、ゲートウェーに滞在する宇宙飛行士4人のうち、月に降りられるのは2人。それでもいつかは日本人宇宙飛行士が月に立ってほしい」

 ―月より遠い宇宙への探査についてどう考えますか。
 「時間や放射線の問題はあるが、月に行ければ火星にも行けるだろう。NASAは30年代にも火星への有人飛行が可能だと公表している。JAXAは24年打ち上げ予定の『火星衛星サンプルリターンミッション(MMX)』の探査機で、火星衛星のフォボスに行く計画を立てている。米国では月を周回するゲートウェーのように、火星を周回するフォボスに拠点を作る構想があり、米国もMMXに興味を示している」

(文=冨井哲雄、飯田真美子)

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cat_oa-newswitch_issue_7b3e53579ed9 oa-newswitch_0_80a4558911f7_3Dプリンティングで人工頭蓋骨、米OPMが日本市場に本格提案 80a4558911f7

3Dプリンティングで人工頭蓋骨、米OPMが日本市場に本格提案

 米オックスフォードパフォーマンスマテリアルズ(OPM、コネティカット州)は日本で、PEKK(ポリエーテルケトンケトン)を用いた人工頭蓋骨などの提案を本格的に始める。3Dプリンターなどを設置した日本法人の拠点(写真)を東京都大田区に開いた。医療現場への導入に向けて厚生労働省と協議しており、将来は航空宇宙分野への導入も図る。

 米OPMは3Dプリンティングの技術を活用し、人工頭蓋骨や歯科デバイスなどを展開している。日本ではJSRや慶応義塾大学と協業している。

 拠点にはクリーンルームや引っ張り試験機などを設置し、品質を担保。「パートナーとともに我々の技術を広げたい」(スコット・デフェリースCEO)としている。

日刊工業新聞2019年7月18日

高機能樹脂も進化
 素材メーカーが医療分野に3Dプリンター向けの高機能樹脂を提案する動きが盛んだ。義足や仮歯などを容易に作製する方法を提案し、歯科技工士などの人手不足対策や医療現場の負担軽減に役立てる。個人に合う造形が容易で、手術などの際に削って調整する手間などを削減できる点を訴求する。高齢化で拡大が見込める医療・福祉産業でのニーズの取り込みを目指す。

 JSRは熱溶融積層(FDM)方式3Dプリンター用軟質フィラメント「FABRIAL(ファブリアル)Rシリーズ」を展開。同素材を使い、手の関節を痛めている人を対象としたグローブの臨床研究を、慶応義塾大学と進めている。

 慶大、ブリヂストンとは既に車いす競技向けグローブを共同開発した。競技で車いすを激しくこぐためには選手の障害や手の形に合ったグローブが必要。これまでは選手が自作していたが、作成に9時間以上かかり、壊れると同じ物は作成できないという課題があった。

 3Dプリンターを使った義足製造を手がけるゲイトアシスト(さいたま市南区)と開発した義足も近く発売を予定する。金属を使った義足よりも軽量で、義肢装具士が作る場合と比べコストを抑えられる。

 ファブリアルはISO10993に準拠し、細胞毒性や皮膚刺激性がない。柔軟性や耐摩耗性にも優れているとしている。専用ではなく既存品の3Dプリンターで作製ができる点も訴求する。「看護師らが自らモノづくりできる環境を作りたい」(イノベーション推進室3Dチーム)考えだ。

 JSRは3D技術の研究開発について「当社だけではできない」(同)とし、企業や大学と連携している。2017年には慶大と「JSR・慶応義塾大学医学化学イノベーションセンター(JKiC)」を開所。医療3Dソフトウエアを手がけるレキシー(東京都豊島区)を子会社化した。

 18年5月にはPEKK(ポリエーテルケトンケトン)に着目し、3Dプリンティング技術で人工頭蓋骨などを作製している米オックスフォードパフォーマンスマテリアルズとの協業を発表した。

 DICは仮歯や歯牙模型などデンタル用途向けに、3Dプリンター向け光造形材料「TrinDy DTシリーズ」の提案を始めた。強度が高く変形しにくい素材や、オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)に対応可能な素材をそろえた。

 仮歯の作製は歯科技工士などが手がけるのが一般的だが、厚生労働省が「歯科技工士の養成・確保に関する検討会」を5月に発足するなど、人手不足が課題となっている。DICは3Dプリンターで歯科技工士の技に近い精度に造形できる素材を提供することで、課題解決に資する考え。

(文=江上佑美子)
日刊工業新聞2018年12月26日

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cat_oa-newswitch_issue_7b3e53579ed9 oa-newswitch_0_37f79ad9fd4a_「地球は丸くない」と信じる人々に、どう「科学」を伝えるべきか 37f79ad9fd4a

「地球は丸くない」と信じる人々に、どう「科学」を伝えるべきか

「科学不信」によってパリ協定からの離脱を決めた米国大統領
 日常生活の中で、「この歳になるまで知らなかった」「勘違いしていた」知識に触れ、感心したり、恥じ入ったりする経験は、誰しもあるだろう。ちょっとした笑い話として、雑談のネタになったりもする。

 私は、つい最近まで「葉桜(はざくら)」の正しい意味を知らなかった。「花が散って若葉が出始めた頃の桜の木」を指す言葉なのだが、「桜の花と一緒に葉っぱが出ている、花と葉の共演状態」を葉桜というのだと、ずっと思い込んでいた。

 ただ、まるっきり勘違いというわけでもない。葉桜の本来の意味をもう少し詳しく言うと「花が散り始めて若葉が出てきてから、花がすっかりなくなり新緑で木が覆われる時期までの桜の木」。私は、この「花が散り始めて若葉が出てきた」時期だけが葉桜なのだと思っていたのだ。

 まあ、これは笑い話にもならない。私が「深窓の令嬢」をずっと「ふかまどの令嬢」と誤読していたのに比べれば、たいして恥ずかしい話でもないだろう。普段の生活や仕事には影響しない。ましてや人類の将来に関わる間違いでは、もちろんない。

 ところが米国には、深刻な結果をもたらすかもしれない「科学的な誤り」をしている人たちが一定数いる。二酸化炭素排出が地球温暖化の原因であることや、ダーウィンの進化論が「正しくない」と固く信じる人々だ。前者についてはトランプ大統領もその一人で、2017年6月に地球温暖化対策の国際枠組みであるパリ協定から米国が離脱することを表明。人類の未来をかけた国際協調による環境対策に暗雲をもたらした。

 『ルポ 人は科学が苦手』(光文社新書)は、こうした米国を主とする「科学不信」「反科学主義」の現場をリポート。なぜ「不信」になるのか、また、そのような人たちに正しい(とされる)科学知識を伝えるにはどうすればよいかを、読売新聞科学部記者である著者が論じる。

「フラット・アーサー」になるきっかけの多くはユーチューブ動画
 同書には、いくつもの「科学不信」が紹介されているのだが、とくに驚かされたのが「フラット・アーサーズ」と呼ばれる人たちの存在だ。地球が「球体」であるのは、小さな子どもでも知っている科学的な常識だが、彼らは「地球は平ら」であると信じ、強く主張している。

 米国を中心に広がるフラット・アーサーズだが、2017年11月には初めてノースカロライナ州で「フラット・アース国際会議」が開かれ、約500人が参加したそうだ。

 彼らを研究するテキサス工科大学のアシュリー・ランドラム博士によれば、ユーチューブ動画を見てフラット・アーサーになった人が多い。「Eric Dubay: 200 Proofs Earth is Not a Spinning Ball」と題された約2時間の動画は、現時点でおよそ84万回も再生されている。内容はタイトル通り、「水平線や地平線はどこで見ても常に平らだ」など200もの「地球が平らである“証拠”」を紹介している。

 ランドラム博士がインタビューした「フラット・アース国際会議」の参加者の一人は、「私が頼れるのは自分の目だ。その目で、はるか100キロメートル先の平原を見渡すことができる。これこそが地球が平らである証拠だ」などと話している。他のフラット・アーサーもおそらく同様に、自身の感覚や直感を信じている。

 学校で教わったことが、自分の直感からすると、どうもピンと来ない。そんな時、自信満々に、しかもビジュアル要素も入れながら、その直感を巧みに証明してくれるユーチューブ動画と出会う。すると「こっちの方が信頼できる」と思ってしまうのも仕方ないのかもしれない。

まだ人類は「科学に慣れていない」のか
 このように、どうやら「直感と信頼」の組み合わせが、科学不信の有力な容疑者のようだ。だが、ちょっと待ってほしい。少なくとも「信頼」については、科学不信者ではない私たちも、科学知識を得る際に使っているのではないか。

 測量や調査を行って「地球が丸い」ことを自分自身で証明したという人は、ほぼ皆無だろう。二酸化炭素がオゾン層を破壊して温暖化の原因を作ったという科学的な証明ができる人も少ないはずだ。

 地球が球体であることも、地球温暖化の原因や進化論も、私たちは、学校の教室で教師から教えられたか、メディアを通して国際機関の見解を知るなどのプロセスで知識を得たにすぎない。要は、「信頼」できる人や組織が言っているから、という理由だけで、エビデンスを深く追究することなく「科学的事実」を知識として呑み込む。

 『ルポ 人は科学が苦手』の著者、三井誠さんは、そもそも人類は「科学的に考えるのが苦手」なのではないか、との仮説を立てている。長い人類の歴史の中で、「科学」が登場したのは、ごくごく最近だ。まだ人類は「科学」に慣れていないというのだ。

 原始時代の狩猟採集生活や、その後の農耕社会で、人類は、集団生活を守り、子孫を残すべく生活を営んできた。そこに科学が入り込む余地は、ほとんどない。何より、生き残るために大切なのは「信頼」や「共感」だったはずだ。

 その頃からの思考の習慣が染みついた人類は、今でも、信頼、あるいは共感できる存在からもたらされる知識を、そのまま受け取りがちだ。その信頼・共感する対象が、「科学的には正しくないとされている主張」をする人や組織だったりすると「科学不信」が生まれる。

 だから三井さんは、科学を伝える際に「信頼」と「共感」をもたせる工夫が必要であると説く。これは、さまざまな場面での教育やコミュニケーションにも当てはめられる。

 ところで、「この科学常識は間違っているのではないか」という問いかけは、それ自体悪いことではない。常識を疑うことで科学は進歩し、たくさんのイノベーションも生まれてきた。

 だが、「科学不信」は、それとは異なるのではないか。

 科学者のあるべき態度として「常識を疑う」のは「動的」である。つまり、“常に”疑う習慣を持っているのであり、「これが正解」と満足して止まることはない。「正しい答え」や「真実」などどこにもないと認識した上で、少しでもそれに近づくために、疑い、思考し続けるのだ。

 一方、典型的な科学不信の人々が「常識を疑う」のは「静的」だ。ある事実を「疑う」のは、一度だけだろう。「常識とは異なる新しい“真実”」が見つかれば、それを固定させ「信念」に変える。

 私たちがめざすべきは、正しく「信頼」して知識を得ながらも、常に「違う答えもあるのではないか」と思考すること。そして、それに信頼と共感を加味しながら他者に「伝える」ことに他ならない。

(文=情報工場「SERENDIP」編集部)

『ルポ 人は科学が苦手』
-アメリカ「科学不信」の現場から
三井 誠 著
光文社(光文社新書)
248p 840円(税別)

情報工場 「読学」のススメ#69

【ファシリテーターのコメント】
NHKが35年前からラジオ放送している「夏休み子ども科学電話相談」では、子どもたちから、大人がたじたじとなるような無邪気な質問が投げかけられる。基礎知識や理論を知らない相談者たちに、各分野の専門家たちは、悪戦苦闘しながらも、できる限りの易しい言葉と、ワクワクするようなストーリーを使って回答をする。これぞまさしく究極の「信頼」と「共感」をベースにした「科学の伝達」であり、私たちもその手法を参考にしてみたいものだ。
高橋 北斗

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cat_oa-newswitch_issue_7b3e53579ed9 oa-newswitch_0_063677205fa7_平野ノラも来館、懐かしの携帯に再会できるドコモ博物館の魅力 063677205fa7

平野ノラも来館、懐かしの携帯に再会できるドコモ博物館の魅力

 両国国技館の裏手にそびえる27階建ての高層ビル「NTTドコモ墨田ビル」。携帯電話通信網をつかさどる装置群を設置した同ビルの1階にあるのが、携帯電話の歴史を時代の出来事と一緒に学べる「NTTドコモ歴史展示スクエア」だ。1953年8月に始まった港湾電話からスマートフォンまで国内の無線電話機200機超を展示している。

 国内初の移動可能な無線電話である港湾電話サービスは、東京湾と大阪湾に停泊・航行中の船舶を対象にしたサービスだった。65年には新幹線に設置した新幹線電話、68年にはポケットベル、79年には自動車電話がサービスを始めた。

 同スクエアには、これらの実機を展示している。85年にサービスを開始したショルダーフォンを持って当時の新宿の風景を背景に記念撮影できるコーナーもある。「(お笑いタレントの)平野ノラさんも昨年、番組撮影で来られました」(川村郁夫館長)という。

 もちろん、87年にサービスを始めた携帯電話も多数展示。「P501」など、かつて使っていた携帯電話の機種を見つけて喜ぶ来場者が多い。時代の節目に携帯電話を通じて歴史を振り返るテレビ番組や新聞の取材にも使われ、平成30年を振り返る特集で多くのマスコミが取材に訪れた。広告コーナーではサザンオールスターズや広末涼子さんらを起用した懐かしいカタログも展示している。

 18年度の来場者は約8000人と、年1000人のペースで増え続けている。修学旅行の訪問地となっているほか、バリアフリーで死角となる場所が少ないため、障がい者の見学も多い。シニア向けタブレット教室も開いている。

 産業や文化に関連する製品展示を紹介する墨田区の小さな博物館運動にも参加しており、近隣住民が散歩がてらに訪れることもある。川村館長は「近隣には旧安田庭園や江戸東京博物館もある。江戸の下町文化とともにドコモの歴史にも触れてほしい」と語った。

【メモ】▽開館時間=10時―17時▽入館料=無料(10人以上の団体は事前予約制)▽最寄り駅=JR両国駅徒歩6分▽住所=東京都墨田区横網1の9の2▽電話番号=03・6658・3535

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cat_oa-newswitch_issue_7b3e53579ed9 oa-newswitch_0_175df7c97586_シャープ、ゲームで高齢者の認知機能を刺激 175df7c97586

シャープ、ゲームで高齢者の認知機能を刺激

 シャープは、介護施設向けに、高齢者が日常生活に関わる機能を訓練する際の業務を効率化できるサービスを8月1日に始める。認知機能を刺激する20種類のゲームを提供するほか、厚生労働省が定める、訓練に必要な一連の手順などを支援する。全国の「通所サービス」施設数のうち、約5%に当たる2800施設への導入を目指す。

 開始するのは「頭の健康管理サービス」。入所者の関心をチェックする「アセスメント」から「訓練結果の記録・管理・見える化」まで、生活機能訓練に要する業務を国内で初めて一貫支援できる。介護現場は人手不足が深刻化しており、高まる業務改善の需要を取り込む。

 最低限の機器と基本ライセンスを合わせた年間利用料は、5年リースで25万円程度(消費税抜き)を想定。これに人数に応じて生活機能訓練の業務を支援するサービスのライセンス料や、付随する機器の使用料が追加で必要となる。
日刊工業新聞2019年7月18日

【ファシリテーターのコメント】
                        
日刊工業新聞 記者

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