cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_43f08422c6c8_揺さぶるイスに匂い装置も、VR体験をよりリアルにする技術の数々 43f08422c6c8

揺さぶるイスに匂い装置も、VR体験をよりリアルにする技術の数々

 広島市立大学の脇田航助教らは、VR(仮想現実)コンテンツ用に搭乗者を揺さぶる駆動いすを開発した。球面と受け皿でいすを支える構造をもち、球面を滑らせることで前後左右に回転する。ジェットコースターやトロッコなどの座席が動く乗り物系VRコンテンツに提案していく。

 半球と受け皿でいすを支え、2本のシリンダーでいすをつり上げるように駆動する。搭乗者といすの重心が低いため、起き上がり小法師のように搭乗者を揺さぶる。身体全体を持ち上げて揺するよりも小さな力で済む。

 いすの回転角度は前後左右いずれも25度で、振れ幅は50度。搭乗者が揺らされると身体がしなるため、頭部の振れ幅は90度近くなる。新たにいすとシリンダーの接続部に回転継ぎ手を採用して、動きの表現を広げた。

 現在は半球を切削加工で製作しているが、金型を用意すれば製造コストを抑えられるという。50万円程度での製品化を目指す。VRアミューズメント施設などに提案。耐久性試験を経て2月を目標に同大発ベンチャーのランバス(広島市中区)で受注生産を始める。
日刊工業新聞2019年1月23日

歩行できる装置も開発
 広島市立大学の脇田航助教は、仮想現実(VR)ゲーム用の360度方向の歩行入力装置を開発した。腰を囲むドーナツ状のクッションの中に荷重センサーを配置し、移動方向を検出する。歩くように脚を上げた動きを計測して歩行や走行としてVRゲームに入力する。直径1メートル程度の装置の中で無限に歩き続けるようなVR体験ができる。

 VRゲームでは全身の動きを狭いスペースで計測し、コンテンツに反映させることが課題になっている。本当に歩いたり走ったりすると広いスペースが必要になり、ヘッドマウントディスプレー(HMD)などの配線の取り扱いが問題になってくる。

 そのため乗馬やサーフィンのような乗り物に乗せて下半身の動きを制限するコンテンツがアミューズメント施設では主流だった。

 今回、脇田助教は、クッションで腰を囲い、脚を動かしても実際には移動しない計測装置を開発した。クッション内部には腰の高さに荷重センサーが配置され、装置に体重をかけるとその力を検出する。さらに膝の上げ下げを、膝の付け根の高さのセンサーで計測する。膝の角度の計測分解能は5―15度程度。膝を上げ下げする速度を移動速度に反映できる。

 検出システムの部品原価2万円で構成できる。研究用試作ではドーナツ状のクッションや架台が高価になっているが、構造自体はシンプルなため量産機ではコストを抑えられると見込んでいる。

 ベンチャーを立ち上げて事業化する計画。まずは施設用のVRアトラクションに提案する。将来は家庭用の歩行入力システムに展開したい考えだ。

日刊工業新聞2019年12月26日
東工大は香りで演出
 東京工業大学の加藤真悟大学院生と中本高道教授らは、消臭機能付き嗅覚提示ヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)を開発した。部屋ににおいが充満しにくく、匂い情報を切り替えやすい。VR(仮想現実)コンテンツに香りを加えてよりリアルな体験を演出できる。

 HMDに後付けする形で、芳香部と消臭部を鼻を挟むように配置した。芳香部では香料を吐出すると弾性表面波素子に液滴がのり、高周波振動で霧状になって漂う。消臭部では霧を吸い込み、活性炭で吸着する。4種の香料をセットできる。

 1度に吐出する液滴は3ナノ―10ナノリットル(ナノは10億分の1)。においの強さは滴下量で調整する。香料1ミリリットルで10万回滴下できる。香料を混ぜることで幅広い香りを表現できる。

 HMD上で芳香・消臭することで部屋全体ににおいがこもりにくくなる。残り香が混ざらず、VRコンテンツ中のシーンの切り替えがしやすくなる。

 VR映画館のように同時に複数の人がVRコンテンツを鑑賞する場合でも、鑑賞者全員でのにおいの時刻同期が要らない。HMDなどの装着から鑑賞終了まで一人ひとり運用できるため、セットアップの人員を抑えられる。鼻の周辺にだけ香料が漂うため、空間全体に香りをまく例に比べて香料を減らせると期待される。HMDのVRコンテンツでは第一人称視点の作品が多く、鑑賞者が目を向けないと状況が伝わらないことがあった。においで視覚を補完することができる。

日刊工業新聞2019年1月16日

【ファシリテーターのコメント】
東映が映画館で公開したVR映画を以前、体験したのですが、音の迫力によって没入感がこんなにも違うのかと感じました。上記紹介した技術によって没入感がどの程度変わるのか、ぜひ体験してみたいです。
葭本 隆太

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_3306a4b39547_ジーエス・ユアサ社長、全固体で電池の世界は一気に変わる 3306a4b39547

ジーエス・ユアサ社長、全固体で電池の世界は一気に変わる

 ―2019年4月から3カ年の次期中期経営計画が始まります。
 「現中計でリチウムイオン電池事業の営業損益を黒字化した。国内外の顧客から引き合いが増えている。電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、HV用に加え、車の始動用リチウムイオン電池も19年8月から量産し、手薄だった欧州系メーカーを開拓する。一方、EV、PHV用と同様、HV用も複数社への供給になりそうだ。需要が急増し、次期中計はリチウムイオン電池関連向け投資を増やす」

 ―車載用鉛電池への投資にも積極的です。
 「アフリカや南米、中東のほか、アジアのメコン川流域の各国を中心に25年頃まで鉛電池市場は伸びる。タイの工場は設備増強が完了し、中国・天津市とトルコの工場も、21年の完成予定で増強中だ。未開拓の南米は次期中計の課題。単独で鉛電池工場は作らず、現地企業への出資や協業などを考える」

 ―次世代電池などへの取り組みは。
 「多様な電池開発に取り組んでいるが、本命は全固体電池だろう。オールジャパンの開発に参画するほか、自社でも手がけ、20年代半ばに投入したい。安全で設計自由度が高く電池の世界は一気に変わる。リチウムイオン電池は家庭用太陽光発電の自家消費向けもターゲットの一つ。今は電池モジュール供給までだが、蓄電システムや制御ソフトウエアの開発にも取り組む」

(聞き手=松中康雄)


【記者の目/車載以外の受注に期待】
 地道な生産改善により、リチウムイオン電池事業を黒字化した。モノづくり企業にとって改善は永遠のテーマ。IoT(モノのインターネット)導入や予知保全を進めて生産性を高め、さらなる利益改善にも挑む。車載以外は、風力発電向けの大型受注を獲得した。潜水艦向けの追加受注、航空機用の交換需要もあり期待できる。(京都・松中康雄)

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_69f8de013511_新幹線のスピードアップ狙うJR東日本の新しい戦略組織 69f8de013511

新幹線のスピードアップ狙うJR東日本の新しい戦略組織

 JR東日本は今春にも、社内に点在する新幹線関連部署を統括した新たな組織を立ち上げる。東京を起点とする5方面の新幹線ネットワークが完成したのを機に「戦略的にしっかりと、組織として位置付ける」(深沢祐二社長)のが狙い。さらなる安全・安定輸送を実現するとともに、インド新幹線のような海外展開や老朽化対策の大規模改修、既設路線およびミニ新幹線区間のスピードアップといった課題を見据えて推進体制を整える。

 現在、関連する部署で新組織の詳細を詰めている。新組織の傘下には、2018年に地方組織から本社組織に昇格させた「新幹線運行本部」のほか、戦略立案機能を持たせるとともに、従来は沿線各支社内にあった現場組織も再編する方針だ。

 JR東日本エリアの新幹線は15年に、北陸新幹線の金沢延伸に伴う長野―上越妙高間開業で工事路線がすべて完成した。

 一方で、直通運転する北陸新幹線は23年に敦賀への延伸を予定。東北新幹線が直通する北海道新幹線は30年に札幌延伸を計画し、ネットワークの拡張が見込まれる。

 JR東では札幌延伸に備えて到達時分短縮のため、東北新幹線でスピードアップに取り組む考え。5月には時速360キロメートルの営業運転を目指す新幹線試験車両「ALFA―X」を完成し、各種試験を始める。車両に加えて線路についても、騒音対策といった高速化対応の改良を構想しており、実現可能性を探っているところだ。 

 新幹線統括組織はJR西日本も18年に「新幹線鉄道事業本部」を開設している。新幹線車両で起こした台車亀裂問題を受けて実施。従来、社内に分散していた新幹線関連部署を再編して新幹線に特化した体制を整備し、迅速に意思決定できる体制を構築した。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_0b4d7e68d607_電子部品製造装置向け、パーツフィーダー50%高速化 0b4d7e68d607

電子部品製造装置向け、パーツフィーダー50%高速化

 シンフォニアテクノロジーは電子部品製造装置向けに従来比で50%高速搬送を実現したパーツフィーダーを開発した。7月にも豊橋製作所(愛知県豊橋市)で量産に入る。電源を台板に組み込んだことで、煩雑な配線作業を不要にした。設置時間は従来比6分の1程度で済む見通し。新製品をテコに電子部品製造装置向けパーツフィーダー市場での世界シェアを3年後に現在の10数%から30%に引き上げる。

 タッチパネルを搭載した次世代パーツフィーダーで、コントローラー操作部と電源部を分け、設置の自由度を高めた。設置面積を従来比2―3割削減できる見通し。

 搬送速度を同50%引き上げたことで、0・8ミリメートル角、長さ1・6ミリメートル以上の電子部品を対象とした場合、パーツフィーダーとしての供給速度は業界最速になる見込みだ。

 また、IoT(モノのインターネット)の普及に対応して通信機能を内蔵。パソコンやプログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)などでの遠隔モニタリングや設定変更が可能だ。付加価値を高める一方、価格は従来製品比1割増程度に抑える方針。

 自動車の電動化やスマートフォン、タブレット端末の普及などにより電子部品の需要は中長期的に高まっていく見通し。これに伴い製造装置需要も拡大すると見られる。

 シンフォニアテクノロジーのパーツフィーダー事業の受注・売上高は直近3年間で2倍近くに拡大した。中国や韓国、台湾、東南アジアなど海外市場開拓が奏功した。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_92c2bfc50263_小規模店の軽減税率対策、「必要ない」が5割 92c2bfc50263

小規模店の軽減税率対策、「必要ない」が5割

 リクルートライフスタイル(東京都千代田区)は小規模店舗のオーナーや店長を対象に「消費増税・軽減税率制度に関する店舗の意識調査」を実施した。軽減税率制度への準備が「完了している」「取りかかっている」は13・1%で、「準備が必要と感じているが行動していない」が37・2%。「準備が必要と感じていない」は49・7%となった。

 行動していない理由は「必要な対応はわかっているが時間や手間、コストなどの事情から準備が進められていない」が43・6%で最も高い。こうした店舗の約半数は制度施行の半年前の4月頃から対策を始めるという。

 準備が完了や取りかかっていると回答した店舗では、54・3%が「軽減税率制度に対応したレジの購入、システムの改修を行った、もしくは相談した」とレジから着手していた。

 また、軽減税率制度では従来の取引年月日や請求書発行者の氏名などに加え、レシートに「軽減税率対象品目であること」「税率ごとに合計した税込み対価の額」の記載が必要なことを「知らない」と回答した店舗は64・6%に達した。

 調査対象は小規模店舗のオーナーや店長1047人。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_4b7a81c6a738_コンビニの雑誌売り場に変化 4b7a81c6a738

コンビニの雑誌売り場に変化

 大手コンビニエンスストアは成人雑誌の販売を中止する。セブン―イレブンとローソンは8月をめどに中止する。セブンは全国の1万5000店に販売中止の要請を始めており、ローソンは取り扱いのある1万店すべてで販売を取りやめる。

 ファミリーマートは2018年4月から直営店での販売を中止。フランチャイズ店は選択制で、約2000店が自主的に販売を止めている。海外ではコンビニなどで成人雑誌を販売することはほとんどなく、国内ではミニストップがすでに中止している。

 20年の東京五輪・パラリンピックを前に、訪日外国人のほか、女性や子どもが来店しやすい店にする狙い。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_00df4f695177_居酒屋の空席情報をリアルタイムで表示 00df4f695177

居酒屋の空席情報をリアルタイムで表示

 「今すぐ入れる居酒屋、探せます」―。ヤフーは22日、テーブルに設置した人感センサーで空席情報を取得し、リアルタイムに飲食店予約サービス「ヤフーダイニング」に掲載する実証実験を24日から2月26日まで実施すると発表した。新宿西口エリアの大手居酒屋チェーン6店舗限定で行う。

 ヤフーダイニング内に開設した特設ページに6店舗の空席情報を「空席あり」「残りわずか」「混雑中」などと表示する。実証を通じて来客数への影響を検証し、ヤフーダイニングへの機能実装、レストランやカフェなど居酒屋以外への展開も検討する。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_4776a5183ae6_ホンダやカシオ…学生とのコラボで企業が学ぶ「大人の上から目線は間違いだった」 4776a5183ae6

ホンダやカシオ…学生とのコラボで企業が学ぶ「大人の上から目線は間違いだった」

 中学・高校生などの若年層と企業のコラボレーションが広がってきた。1995年以降生まれの彼らは、幼いときからスマートフォンが身近にあり、参加交流型サイト(SNS)から得る情報に対して敏感。起業や社会課題の解決への意欲が高い人も多い。彼らの世代は「ジェネレーションZ(Z世代)」と呼ばれており、新しい感覚でアイデアを生み出す担い手として注目が集まる。

コミュニケーションに今の家族らしさ
 両手に収まるサボテン型デバイスをリビングに。家族に日頃伝えられない「ありがとう」も「ごめんね」も、音楽でラッピングしてサボテンが伝える。すれ違いの多い“砂漠化家族”に潤いを与えたい―。

 18年末に都内で開かれた中高生と企業が一緒にモノづくりやコトづくりに挑むコンテスト「モノコトイノベーション2018」の決勝大会。優勝したサボテン型デバイス「Laughie(ラッフィー)」は、宮城県と東京都、神奈川県、大阪府の女子中高生4人のチーム「今を翔(かけ)る少女。」が考案した。

 アイデアや試作モデル、熱のこもった発表のいずれの完成度も高いと評価された。リビングに置いた親機のサボテンに音声メッセージを録音。スマホで伝えたい相手や自分の気持ちを設定する。相手が近づいた時、音声メッセージと気持ちに合わせた音楽をサボテンが再生する。相手がメッセージを聞けば、自室に置いた子機が光って教える。

 このコンテストは、企業の持つ課題に対し、中高生らがチームを組んでアイデアを発想。これをもとに、勝ち残った8チームが企業と一緒に約4カ月かけて試作モデルを完成させ、決勝で披露した。デンソーやダイヤモンドメッキ技術を持つジャスト(山形県上山市)などが参加した。

 家族に素直な気持ちを伝えるのが気恥ずかしいのは昔も同じだが、今どきの家族ならではの事情もある。メンバーの1人は、「生活時間帯が違い、家族がリビングに集まらない」と話す。LINEのやりとりは、「家族のように近い存在の人ほど、簡単に済ませて、素っ気なくなる」。そこで声と音楽を使うことを思いついた。

『大人の事情』を持ち出さない
 同チームと組んだカシオ計算機の担当者は、「最初は学生にメーカーの開発プロセスを知ってほしいという“上から目線”の気持ちもあった。実際は教えられることの方が多かった」と振り返る。

 企業の商品開発では多くの人が関わり、さまざまな制約がある。「普段は“大人の事情”でやれないことも、この4カ月は中高生たちの『やりたい』という気持ちに向き合った」(カシオ)。

 他チームも、中高生ならではのアイデアと企業の技術をうまく組み合わせた。2位の「NEW CREATE(ニュークリエイト)」は、本田技術研究所とタッグを組み、通学時に教科書などの重い荷物を載せ、学生の歩く斜め前を走行する小型モビリティー「LIGHT(ライト)」を提案した。

あえて徒歩、に価値

 審査員を務めたデザイナーの長谷川哲士氏は、「徒歩通学をすること自体は変えていないことに感銘を受けた」という。人の移動を楽にするモビリティーは乗り物が多い。同チームの調査では、中高生は平均10キログラムの荷物を持って通学するというが、乗り物で移動を楽にするより、「友だちと話をしながら通学するのも大事な時間」と考えた。

 個人で所有せず、駅前でのレンタルを想定。すぐ荷物を手に取れる高さと走行位置、荷物の大きさに合わせて伸縮できる天板のデザインを工夫した。

 コンテストは今回で4回目。約500人の応募者から275人を選抜して予選を開き、企業の出した各課題に対するアイデアを競った。決勝に進出できたのは、各課題に対して1チームずつ選抜された合計30人だ。

世の中を変える挑戦
 審査員のインクルージョン・ジャパン(東京都品川区)の吉沢康弘取締役は、「会社が大きくなるかどうかは大会の順位と関係ない。自分たちが起業して世の中をどう変えられるか想像し、挑戦してほしい」と、参加者にエールを送った。過去3回の大会出場者から、実際に起業した人も出てきている。

 楽天もZ世代のアイデアを活かそうと、18年8月から、全国の高校生と同社社員が一緒に地域課題の解決策を考えるプログラムを展開。同年末に都内で開いた発表会では、10校の学生たちがインバウンド(訪日外国人客)や熊本地震からの復興、高齢化地域でのコミュニティーなど、多様な課題へのアイデアを披露した。いずれも楽天のサービスを使った地方創生のアイデアだ。

 大賞に選ばれた静岡県の富岳館高校は、地元・富士宮のブランド化につながる農業の取り組みを発表。「富士宮やきそば」は全国で知られる名物だが、富士宮産の野菜は使われておらず、「地元の農業とのつながりがない」と高校生は指摘する。地元の農家の情報を発信するアイデアを考えたが、高齢の農家には難しい。そこで、自分たちでオンライン上の活動を始めた。

Z世代の独創性、全世代を動かす
 高校生のプレゼンを見た小林正忠常務執行役員は、「大人だけが正解を知る時代は終わった」と喜ぶ。地域課題を解決する技術やサービスは海外でもニーズがある。小さな一歩も、世界の課題を解決することにつながる。

 Z世代が注目されるのは独創性に富み、全世代を動かす行動力があるからだ。海外では14年にマララ・ユスフザイさんがノーベル平和賞を受賞。米国では銃社会の反対運動をリードする。日本でもワンファイナンシャル(東京都港区)を起業した高校生の山内奏人さんがレシートなどの画像を買い取るスマホソフトを発表し、耳目を驚かせた。

 この動きは、Z世代がITスキルやリテラシーの高い「デジタルネイティブ」であることと関係する。ソフトを開発すれば簡単に販売でき、ハード開発も必要な情報や知識をネットから得る。モノづくり自体もデジタル化した。必修化されるプログラミング教育はこの動きを後押しする。

 SNSは社会問題などの慎重な話題も扱いやすい。専門家ともつながり、知識を深められる。豊富な知識とノウハウを持つ企業とつながれば、新たなビジネスや社会変革の連鎖が期待される。


(文=梶原洵子)
日刊工業新聞2019年1月17日掲載

【ファシリテーターのコメント】
モノコトイノベーションの取材は今回で3回目。意外にも、ちょっとした“手間”や“不便さ”を価値にしているアイデアが多いことに、ハッとさせられました。記事で紹介した2チームのアイデアもそうなのですが、より短時間でカンタンに済ませようと思えば別の方法を選択します。他にも、通学中のバスの中でスマホを手放すことで知らない人との会話のきっかけをつくる仕組み。議論中に感情的になってしまう自分を落ち着かせるデバイス(今はディスカッションの授業が多いそうです)など。
私はZ世代より上の世代で、どんどん出てくる新しい技術を急いで取り込もうとしてきたような気がします。将来、テクノロジーが空気のように当たり前になった時に、どんなものに価値を感じるようになるのか。少し先の未来を見せてもらいました。
梶原 洵子

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_9bed96addf92_ハローキティが福祉の魅力を発信! 9bed96addf92

ハローキティが福祉の魅力を発信!

 世界のアイドルが東京の福祉を盛り上げる―。東京都は、グローバルでも知名度の高いサンリオのキャラクター“キティちゃん”ことハローキティを「TOKYO福祉のお仕事アンバサダー」に任命した(写真)。若年層を中心に幅広く福祉の世界へ目を向けてもらうのが狙い。

 ハローキティさんは、都がサンリオとライセンス協定を締結した上でアンバサダーに就任。「小池百合子知事に任命いただいて光栄です。キティもこれから福祉のお仕事について一生懸命勉強して、たくさんの人にその素晴らしさを伝えたいと思います」とやる気満々だ。

 今後、その発信力を生かし、東京の福祉を担う人材確保を推進するPR広告などに登場する予定。3月3日に新宿NSビル(東京都新宿区)で開催する「福祉のお仕事就職フォーラム」への参加も決定している。

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平成最後のサラリーマン川柳は哀愁たっぷり?

 「人生の 余暇はいつくる 再雇用」「メルカリで 妻が売るのは 俺の物」。第一生命保険は22日、第32回サラリーマン川柳コンクールの入選100句を発表した。今年は、企業に65歳以上の定年延長を求める流れなどを受け遠ざかる人生の余暇を嘆く句が目立った。メルカリや会員制交流サイト(SNS)などモノや情報を効率的にシェアする様子を表す句も多数寄せられた。

 定年関連では「再雇用 昨日の部下に 指示仰ぐ」などが入選。SNS関連では「今どきの ホウレンソウは LINEから」などが選ばれた。平成最後となった今回の応募総数は、4万3691句。同日都内で開いた発表式で、同社担当者は平成最後の印象に残る句として入選した「ジュエリーを 平成最後と ねだる妻」を挙げた。またこれまでのコンクールを振り返り、「サラリーマン川柳は時代を映す鏡だ」とした。

 3月15日までインターネットなどで投票を募り上位10句を決めて5月下旬に発表する。
第32回サラリーマン川柳


【ファシリテーターのコメント】
入選作品には昨年の流行語や話題の出来事を織り交ぜた句も多く見受けられました。個人的には「間食を もぐもぐタイムと 正当化」が印象的でした。考え事に間食はつきものです。
国広 伽奈子

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