cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_43f08422c6c8_揺さぶるイスに匂い装置も、VR体験をよりリアルにする技術の数々 43f08422c6c8 43f08422c6c8 揺さぶるイスに匂い装置も、VR体験をよりリアルにする技術の数々 oa-newswitch

揺さぶるイスに匂い装置も、VR体験をよりリアルにする技術の数々

 広島市立大学の脇田航助教らは、VR(仮想現実)コンテンツ用に搭乗者を揺さぶる駆動いすを開発した。球面と受け皿でいすを支える構造をもち、球面を滑らせることで前後左右に回転する。ジェットコースターやトロッコなどの座席が動く乗り物系VRコンテンツに提案していく。

 半球と受け皿でいすを支え、2本のシリンダーでいすをつり上げるように駆動する。搭乗者といすの重心が低いため、起き上がり小法師のように搭乗者を揺さぶる。身体全体を持ち上げて揺するよりも小さな力で済む。

 いすの回転角度は前後左右いずれも25度で、振れ幅は50度。搭乗者が揺らされると身体がしなるため、頭部の振れ幅は90度近くなる。新たにいすとシリンダーの接続部に回転継ぎ手を採用して、動きの表現を広げた。

 現在は半球を切削加工で製作しているが、金型を用意すれば製造コストを抑えられるという。50万円程度での製品化を目指す。VRアミューズメント施設などに提案。耐久性試験を経て2月を目標に同大発ベンチャーのランバス(広島市中区)で受注生産を始める。
日刊工業新聞2019年1月23日

歩行できる装置も開発
 広島市立大学の脇田航助教は、仮想現実(VR)ゲーム用の360度方向の歩行入力装置を開発した。腰を囲むドーナツ状のクッションの中に荷重センサーを配置し、移動方向を検出する。歩くように脚を上げた動きを計測して歩行や走行としてVRゲームに入力する。直径1メートル程度の装置の中で無限に歩き続けるようなVR体験ができる。

 VRゲームでは全身の動きを狭いスペースで計測し、コンテンツに反映させることが課題になっている。本当に歩いたり走ったりすると広いスペースが必要になり、ヘッドマウントディスプレー(HMD)などの配線の取り扱いが問題になってくる。

 そのため乗馬やサーフィンのような乗り物に乗せて下半身の動きを制限するコンテンツがアミューズメント施設では主流だった。

 今回、脇田助教は、クッションで腰を囲い、脚を動かしても実際には移動しない計測装置を開発した。クッション内部には腰の高さに荷重センサーが配置され、装置に体重をかけるとその力を検出する。さらに膝の上げ下げを、膝の付け根の高さのセンサーで計測する。膝の角度の計測分解能は5―15度程度。膝を上げ下げする速度を移動速度に反映できる。

 検出システムの部品原価2万円で構成できる。研究用試作ではドーナツ状のクッションや架台が高価になっているが、構造自体はシンプルなため量産機ではコストを抑えられると見込んでいる。

 ベンチャーを立ち上げて事業化する計画。まずは施設用のVRアトラクションに提案する。将来は家庭用の歩行入力システムに展開したい考えだ。

日刊工業新聞2019年12月26日
東工大は香りで演出
 東京工業大学の加藤真悟大学院生と中本高道教授らは、消臭機能付き嗅覚提示ヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)を開発した。部屋ににおいが充満しにくく、匂い情報を切り替えやすい。VR(仮想現実)コンテンツに香りを加えてよりリアルな体験を演出できる。

 HMDに後付けする形で、芳香部と消臭部を鼻を挟むように配置した。芳香部では香料を吐出すると弾性表面波素子に液滴がのり、高周波振動で霧状になって漂う。消臭部では霧を吸い込み、活性炭で吸着する。4種の香料をセットできる。

 1度に吐出する液滴は3ナノ―10ナノリットル(ナノは10億分の1)。においの強さは滴下量で調整する。香料1ミリリットルで10万回滴下できる。香料を混ぜることで幅広い香りを表現できる。

 HMD上で芳香・消臭することで部屋全体ににおいがこもりにくくなる。残り香が混ざらず、VRコンテンツ中のシーンの切り替えがしやすくなる。

 VR映画館のように同時に複数の人がVRコンテンツを鑑賞する場合でも、鑑賞者全員でのにおいの時刻同期が要らない。HMDなどの装着から鑑賞終了まで一人ひとり運用できるため、セットアップの人員を抑えられる。鼻の周辺にだけ香料が漂うため、空間全体に香りをまく例に比べて香料を減らせると期待される。HMDのVRコンテンツでは第一人称視点の作品が多く、鑑賞者が目を向けないと状況が伝わらないことがあった。においで視覚を補完することができる。

日刊工業新聞2019年1月16日

【ファシリテーターのコメント】
東映が映画館で公開したVR映画を以前、体験したのですが、音の迫力によって没入感がこんなにも違うのかと感じました。上記紹介した技術によって没入感がどの程度変わるのか、ぜひ体験してみたいです。
葭本 隆太

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_9979d5998377_堀場製作所が水素と半導体に全力、新組織で技術横断を急ぐ 9979d5998377 9979d5998377 堀場製作所が水素と半導体に全力、新組織で技術横断を急ぐ oa-newswitch

堀場製作所が水素と半導体に全力、新組織で技術横断を急ぐ

堀場製作所は、水素関連と半導体関連でそれぞれ、事業部門ごとに持つ計測技術、リソースを結集・横断してソリューション提案するグループ横断組織を立ち上げた。水素関連では、環境負荷が低い水素社会の実現に向け、燃料電池向け評価装置に加え、水素の多様な製造・貯蔵向け計測制御などまでを扱う。半導体では計測機器などを束ねた組織とし、総合力で事業領域を広げる。


水素関連の多様な計測制御を扱うのは車、環境、医用、半導体、科学の5事業の横断組織「ハイドロゲンエナジープロジェクト」。どの部門にも属さない約10人の独立組織だ。


水電解セル評価装置や濃度分析計といった水素を作る領域向けから、水素ステーションの水素脆化評価や材料分析装置などの貯蔵領域、燃料電池車の電池や電解質、触媒評価向け装置をはじめ水素を使う領域向けまでを扱う。各事業が持つ装置の水素関連への展開をとりまとめ、各シーンごとに最適ソリューションを提供し、「水素の堀場」と認識されるのが目標だ。


一方、半導体関連事業は現在、製造装置向けマスフローコントローラー(ガス流量制御機器)と薬液濃度モニターが中心。新たに製造や開発工程に使える光計測や異物検査装置なども含めトータル提案する「オプティカルスマートセンシング」に特化した組織を立ち上げた。既存5事業のリソースを融合して半導体関連事業での第三の柱を育て、同社が掲げる総合力で競合と差別化を図る「クロスセグメント」の代表例にする。


既に堀場は自動車関連事業で同様の展開を実施。代表製品は自動車排ガス測定装置だが、現在は車開発向けの多様な計測機器から、エンジニアリング、自動運転車向けサイバーセキュリティーまで領域を広げ、トータルソリューションを強みにする。この手法を他事業にも応用していく。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_b998df84a6e3_「はやぶさ2」成功のウラに架空小惑星の存在あり、リアリティーを追求した運用訓練 b998df84a6e3 b998df84a6e3 「はやぶさ2」成功のウラに架空小惑星の存在あり、リアリティーを追求した運用訓練 oa-newswitch

「はやぶさ2」成功のウラに架空小惑星の存在あり、リアリティーを追求した運用訓練

はやぶさ2帰還

2020年12月6日、小惑星探査機「はやぶさ2」が6年間に及ぶ深宇宙航行を経て地球へと帰還した。想定を遥かに超えて岩だらけの小惑星「リュウグウ」と対峙(たいじ)し、サンプルを持ち帰るとともに多くの世界初を成し遂げることができた。その過程で大きな役割を果たしたのが「運用訓練技術」である。


運用訓練技術は、国際宇宙ステーション(ISS)や宇宙ステーション補給機こうのとり(HTV)など、安全性・信頼性が高いレベルで求められるわが国の有人宇宙開発を支えている技術である。はやぶさ2ではHTVを参考に、日本の深宇宙探査ミッションとして初めて「探査機シミュレータ」を駆使した実時間の「運用訓練」を取り入れた。


やぶさ2開発時に作られた試験用機器をつなぎ合わせ、実機と電気的に同じ動きをする「探査機シミュレータ」を製作し、現実の管制室と接続した。小惑星探査ならではの「リアリティー」を追求するため、我々は二つの装置を開発した。


現実感追求

一つ目は「画像生成装置」である。探査機を小惑星表面へ誘導するためには搭載カメラで撮影した小惑星画像が必要となる。3次元グラフィックスにより架空の小惑星「リュウゴイド」を作成し、シミュレーター内の撮影指示に対してリアルタイムな模擬画像出力を実現した。




「画像生成装置」による架空の小惑星「リュウゴイド」の模擬画像例-表面と探査機の陰影(JAXA提供)



二つ目は「遅延装置」である。3億キロメートル先のリュウグウに滞在する探査機と地上の通信には片道20分の時間遅れが存在する。これを管制室・シミュレーター間に設置した「遅延装置」によって再現したのだ。


これらの工夫が訓練の臨場感を劇的に高め、得られた「リアリティー」によって運用チームは「本物の探査機を操作する感覚」で訓練へ取り組むことができた。


さらに訓練方法にも二つの工夫を施した。一つ目はアジャイル型開発を参考にした「繰り返し訓練計画」である。訓練期間を約3カ月単位の「節」に分割し、前節の課題を次節の手順に反映した。リュウグウ到着までに4節を繰り返し、バグを洗い出した。結果、頑強な運用手順・探査機設定が仕上がった。


二つ目は「異常ケースの出題」である。訓練中にシミュレーター上の探査機から地上の機器に至るまで数多くの異常事態を「意図的に」発生させ、対処する訓練を繰り返すことで、運用チームの対処能力・手順が格段に磨かれた。


「想定外」対処

このような独自の訓練を経て運用の完成度を事前に高めたことが、リュウグウ到着後の「想定外」に集中対処する余力を生み、成果につながったと分析している。はやぶさ2の「運用訓練」には民間企業も携わっており、民生分野への波及も期待される。今後は「運用訓練技術」を伝承・改良し、次期深宇宙探査計画におけるさらなるミッション成功へ挑んでいきたい。(月曜日に掲載)


◇研究開発部門 第一研究ユニット 研究開発員(宇宙科学研究所 はやぶさ2プロジェクトチーム併任) 武井悠人


山形県出身。博士(工学)。15年入社。東京工業大学大学院博士課程修了。小惑星探査機「はやぶさ2」のシステム担当・フライトディレクタとして運用立案・指揮を担当。専門は宇宙機の軌道/姿勢/マニピュレーターの力学と制御、深宇宙航行技術。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_9ad0e957bfe7_「数理・データサイエンス・AI」教育に大きなうねり、教員不足にどう対応するか 9ad0e957bfe7 9ad0e957bfe7 「数理・データサイエンス・AI」教育に大きなうねり、教員不足にどう対応するか oa-newswitch

「数理・データサイエンス・AI」教育に大きなうねり、教員不足にどう対応するか

日本の全大学が「数理・データサイエンス(DS)・人工知能(AI)」教育に取り組む大きなうねりが起きようとしている。きっかけは内閣府の「AI戦略2019」策定で、大学生1学年あたり約50万人すべてが学部1、2年次に「リテラシー(読解記述力)レベル」を学ぶという、これまでにない規模の計画だ。企業のDS人材ニーズも高く、就職・採用活動もにらんで全学開講などを急ぐ大学の急増が予想されている。(取材=編集委員・山本佳世子)


DS全学化「教員不足」課題
「DSの専門家が学内におらず、専門外の教員が担当せざるを得ない」「人的リソースがなく、大学に求められる内容と質を整備できない」「非常勤講師でよいので紹介サイトなどないか」―。文部科学省事業で活動する「数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム」が、2020年12月に公表した第2回調査の自由記述欄には、こんな声があふれる。コンソーシアムの北川源四郎議長は「DS教育の課題はなんといっても教員不足」と強調する。


総合大学であれば数理(数学や線形代数など)は、従来の教養教育で提供しており教員もいる。しかしDSやAIに踏み込むと、お手上げの大学が少なくない。受験生増が期待できるDSの学部・学科の新設が相次ぐ中、DSを専門とする教員は争奪戦でもある。


しかしここへ来て、期待を持てる状況も出てきているという。大量の学習者に対応できるオンデマンド型のe―ラーニングの活用だ。「以前は難しいと思っていたが、新型コロナウイルス感染症拡大で、オンライン授業を皆が経験したことで変わってきた」と北川議長の声は明るい。DSは分析のプログラミングなど、実際に手を動かす演習が欠かせない。しかし座学の講義の部分ならeラーニングで問題ない。






コンソーシアムはAI戦略が策定される前の17年度から、国立大学を中心に活動し、分科会でまとめたカリキュラムや教材を他大学に活用してもらうべく公開している。加盟は当初からの六つの拠点校、拠点校の活動を参考に学内整備を進める協力校、特定学部などの特定分野拠点校、さらに公私立大学も入った連携校と、100を超えて拡大している。


※新連載では、独自のモデル開発とそれを地域ごとに広げる役目がある拠点校と、協力校のうちの先進事例を取り上げる。初回はコンソーシアムの事務局・まとめ役も務める東京大学の数理・情報教育研究センター(MIセンター)だ。


東京大学/新科目と合わせ体系化
東京大学はMIセンターを17年に設置し、教員40人弱のうち半分ほどを専任とする。駒場キャンパス(東京都目黒区)における低学年での全学教育でまず、基礎統計やアルゴリズム入門などバラバラにあった科目を集めて、MIセンターの新設科目と合わせて体系化した。


数学教育強み
東大は理工系学生向けの数学教育がしっかりしているのが強みだ。しかし人文科学系の学生だと高校の数学で学ぶ範囲が狭いため、行列を学んでいなかったり指数関数を知らなかったりする。そのため大規模大学ほど一般に、DSの全学必修化はハードルが高いという。東大は全学の底上げに、駒場の充実をキーとしている。


駒木文保センター長(大学院情報理工学系研究科教授)は「統計やプログラミングは、学生によって必要性を感じる時期が多様だ」と説明する。学部高学年の3、4年生になってのこともあれば、大学院生で学び直すケースもある。


誰でも学べる
そのため「希望者は(学年や所属によらず)だれでも学べる仕組み」(駒木センター長)を整えて、“全学での学び”を保証する。高学年の学生が本郷キャンパス(同文京区)から、駒場の科目をオンラインで学ぶ形が、今後は珍しくなくなるかもしれない。


東大がまとめ役のコンソーシアムは、「リテラシーレベル」のモデルカリキュラムや教材を約1年前に整備し、公開している。この3月末には全学生の半分が、3、4年生で学ぶ「専門基礎レベル」のモデルカリキュラムを公表する予定だ。


一方でMIセンター独自に、東大理工系の3、4年生向けの難しい講義も、ホームページにアップしている。多様な大学に目配りしつつ、高いレベルをリードするのは東大ならでは、だ。


相乗効果期待
さらにDSの標準言語「Python」(パイソン)のプログラミング入門での受講生の急増を受け、自動採点システムを学内で開発し、導入した。大規模なオンライン教育での活用が期待できるという。全国の全大学の学びに向けて、さまざまな取り組みの相乗効果が、期待されることになりそうだ。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_782728506f0c_ZホールディングスとLINEが経営統合、海外大手企業に挑む川辺ZHD社長の戦略は 782728506f0c 782728506f0c ZホールディングスとLINEが経営統合、海外大手企業に挑む川辺ZHD社長の戦略は oa-newswitch

ZホールディングスとLINEが経営統合、海外大手企業に挑む川辺ZHD社長の戦略は

総合力で「GAFA対抗」
Zホールディングス(HD)とLINEの経営統合が1日、完了した。電子商取引(EC)や広告、金融といった領域を拡充し、海外展開も強化して2023年度に売上高2兆円、営業利益2250億円を目指す。ただインターネット関連分野では米IT大手4社のGAFAをはじめとする海外勢の存在感が大きい。ZHDは差別化に向けて人工知能(AI)に力を注ぐ考えだが、どれだけ早く統合効果を発揮できるか試される。(斎藤弘和)


「3年で数千億円上げるのは非常に挑戦的だ」。川辺健太郎ZHD社長は同日の会見で売上高についてこう述べ、23年度の目標は高いと認めた。ZHDの21年3月期売上高見通しは1兆1400億円。LINEの19年12月期売上高は2274億円だった。ポータルサイト「ヤフー」と対話アプリケーション(応用ソフト)「LINE」の相互送客などで利点を見込むが、相乗効果を早く発揮できるかが課題となる。


川辺社長が当面の成長株と位置づけるのは国内のEC事業や広告事業だ。例えばECでは、オンライン店舗と実店舗の商品データを連係させて、消費者が自分に合った購入手段を選べるようにする枠組みの強化を図る。


また、中長期的にはフィンテック(金融とITの融合)の収益貢献も見込む。スマートフォン決済に関しては22年4月に国内の「LINEペイ」を「ペイペイ」に統合するための協議を開始した。海外向けLINEペイは引き続きアジア主要国での拡充を目指す。








ただ世界では、GAFAや、中国IT大手3社のBATが権勢を振るう。川辺ZHD社長はこの点について「我々が優れている点は、グループの守備範囲の広さ。親会社も入れると携帯電話サービスまでやっている」と語った。GAFAは一つの商材に特化して大きくなった会社が多いことが念頭にある。


今回の経営統合に伴い、ソフトバンクと韓国ネイバーが折半出資する「Aホールディングス」が発足した。AHDは戦略的持ち株会社としてZHDの株式を65・3%保有。ZHDの傘下に、事業会社であるヤフーとLINEが置かれている。こうした総合力を生かせるかが焦点となる。


またZHDは差別化に向けて、AI技術にも力を注ぐ方針。21年度からの5年間で5000億円のAI関連投資を行い、AI人材は5000人増員する計画を示した。新たな挑戦を成功させて自社の魅力を高め、優秀な人材を集める好循環を実現できるか試される。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_bc566dc876af_泉佐野市のタオル企業が挑戦、工場排水の無害化技術を農業と養殖に bc566dc876af bc566dc876af 泉佐野市のタオル企業が挑戦、工場排水の無害化技術を農業と養殖に oa-newswitch

泉佐野市のタオル企業が挑戦、工場排水の無害化技術を農業と養殖に

スマイリーアース(大阪府泉佐野市、奥龍将社長、072・450・2018)は、タオルの製造で発生した処理水を活用して、有機農業と養殖業への参入を目指す。2021年度中に処理水の貯水プールを二つ増設し、貯水容量を5―6トンに拡大する。タオルの製造を通じて水や土壌のエコシステムを構築し、循環型社会を実現する狙いだ。


同社は18年に製造過程で発生する工場排水を無害化する技術「自浄清綿法(じじょうせいめんほう)」を開発し、特許を取得した。無害化した処理水を貯水するプールを製造し、メダカやヌマエビの養殖に成功。本格的な魚の養殖へ挑戦することにした。


既に同社では保有する里山の間伐材を活用したバイオマス発電を実施。タオルの洗浄、乾燥など工場内で使用する熱源は全てバイオマスエネルギーでまかない、二酸化炭素(CO2)排出量削減に貢献。熱源にできない間伐材の利活用を推進するため、土壌改良材の開発にも着手し、将来の有機農業に生かす。


明治20年代からタオル産業で栄えた泉佐野市は、高度経済成長を期に生産量は激減し、98年には同市の河川で深刻な水質汚染が問題となった。持続可能な開発目標(SDGs)への意識が高まる中、従来のタオル産業のイメージを払拭(ふっしょく)し持続可能な産業に変革する狙いがある。スマイリーアースは08年に創業。ウガンダ共和国からオーガニックコットンを仕入れてタオルを製造し、ウェブサイトと店舗で販売している。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_345d71ac5a23_SDGsの潮流に乗る日華化学、フッ素フリーの撥水剤で海外アパレルに売り込み 345d71ac5a23 345d71ac5a23 SDGsの潮流に乗る日華化学、フッ素フリーの撥水剤で海外アパレルに売り込み oa-newswitch

SDGsの潮流に乗る日華化学、フッ素フリーの撥水剤で海外アパレルに売り込み

フッ素フリー撥水剤を拡販
日華化学は繊維加工薬剤の国内トップメーカーで、近年は海外の大手アパレル会社に直接マーケティングを進めている。そこで重要なテーマが環境負荷物質の排除。国連の掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の潮流と相まって、環境対応の技術に力を集中する。


戦略商品が撥水(はっすい)剤「NEOSEED(ネオシード)」。フッ素化合物を使わない撥水剤シリーズで、加工後の洗濯耐久性などの品質がポイントだ。「フッ素フリー志向のアパレル世界大手の市場で、推定20%のトップシェア」と池端和彦化学品部門繊維化学品事業部事業部次長は胸を張る。


その中でダウンジャケット用として好調なのが2018年投入の「NR―8800」。主成分はシリコーン系だ。


最近のダウンは薄手で、小さく丸めてかばんに入るポケッタブル型が人気。柔らかな生地の風合いが肝心だが、フッ素フリーの撥水加工との両立は無理というのが長く定説だった。柔らかい風合いになる従来のシリコーン系で加工すると生地の糸が滑りやすくなり、特に薄手の生地は引っ張りの力がかかると生地の目が崩れ、羽毛が漏れるからだ。


それに挑戦し、「数千のサンプルを作り、絞り込んだ。従来のシリコーン系とは化学構造が違い、撥水性も桁違い。糸も滑らないものができた」と界面科学研究所商品開発研究部繊維化学品開発1グループの後藤昌央サブリーダーは特徴を話す。


シリコーンの知見を持つ米ダウ(ミシガン州)と共同で開発。両社の技術イノベーションは高く評価され、20年9月に著名な米国の「R&D100アワード」の表彰を受けた。




撥水剤のイノベーションは高く評価され、米国の「2020R&D100アワード」を受賞した



アパレルの世界大手ブランドは“疑わしき”を含む有害性物質を製品から排除するよう、発注先に要請を強めている。半面、多くの中堅ブランドは安全性を高めたフッ素系の撥水剤を使い、全体はフッ素系が主流。日華化学も高付加価値のフッ素系は引き続き重点分野だ。微妙な情勢だが「10年後、アパレルはフッ素フリーが過半となる可能性が高い」と池端事業部次長はみる。持続的成長の潮流を注視しながら、繊維産業の環境負荷軽減に貢献する各種ソリューションの提供を強化する。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_2e30fb2efd61_欧州市場に電動化商品投入へ、井関農機の勝算 2e30fb2efd61 2e30fb2efd61 欧州市場に電動化商品投入へ、井関農機の勝算 oa-newswitch

欧州市場に電動化商品投入へ、井関農機の勝算

井関農機は欧州市場向けを中心に、電動化商品を投入する。景観整備向けに、電動の草刈り機や道路清掃機などのプロ用商品を数年内に発売する考え。家庭菜園やハウス栽培向けにも、電動のミニ耕運機などを投入する。井関農機は愛媛大学と共同で電動トラクターの研究を進めており、得られた知見を商品開発に生かす。


欧州市場では環境意識の高まりを背景に、自動車だけでなく草刈り機や道路機械分野でも電動化が加速するとみている。欧州の道路は道幅が狭いため、道路清掃機は日本のような大型車両でなく、トラクター先端に回転ブラシを付けたようなタイプが中心だ。


愛媛大と共同で2012年に行った電動トラクターの実証実験では、エネルギー消費量がディーゼルエンジン車比で7割削減できた半面、耕せる面積は3分の1しかなく、稼働時間の延伸やコスト削減が課題になっている。


一方、家庭菜園やハウス向けの電動ミニ耕運機は国内で09年に発売済み。クリーン性に加えて運転音が静かでエンジンオイルの交換が要らず、油臭もない長所がある。高価格のため販売が伸びなかったが、これらの商品特性が欧州の都市住宅地での拡販に役立つと予想する。


将来はリチウムイオン電池搭載などの電動機に加え、水素エンジンの農業機械も視野に入れる。環境意識の高まりで電池を作る工程や運送工程も含めた二酸化炭素(CO2)削減が問われるとみて、水素エンジンを研究する考えだ。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_c0b997129190_コベルコ建機の「130トン級解体専用機」がスゴい! c0b997129190 c0b997129190 コベルコ建機の「130トン級解体専用機」がスゴい! oa-newswitch

コベルコ建機の「130トン級解体専用機」がスゴい!

コベルコ建機は1日、超大型建物解体専用機で130トン級の新商品「SK1300DLC」を4月に発売すると発表した。消費税抜きの価格は3億4000万円。年間7台の販売を目指す。解体専用機はこれまで100トン級、200トン級、350トン級をラインアップしており、130トン級を加えることで商品力を強化する。


130トン級機種は同クラスで業界初となる四つ折れ超ロングアタッチメント仕様を新規に設定。従来と異なる新しい四つ折れ構造により、200トン級機種に迫る作業高さと先端アタッチメント重量を実現した。


三つ折れやセパレートアタッチメントを含め7種類のアタッチメントをそろえた。対象物の高さと強度に応じて最適な工法を実現できる。鉄骨コンクリートのビルやプラント、清掃工場など高層建造物の解体作業を地上から効率良く行える。


メーンブームの脱着にかかる時間を大幅短縮し、分解作業時間は100トン機種の約4分の1になった。メーンブームを外せる構造にしたため、本体(カウンターウエート、クローラーなし)は重量32トン以下、高さ3・3メートル以下の条件で輸送でき、搬送可能地域が広い。



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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_ffa5951126bf_カラー映像を高速投映できるプロジェクターが登場、プロジェクションマッピングが進化する! ffa5951126bf ffa5951126bf カラー映像を高速投映できるプロジェクターが登場、プロジェクションマッピングが進化する! oa-newswitch

カラー映像を高速投映できるプロジェクターが登場、プロジェクションマッピングが進化する!

東京大学の石川正俊特任教授と東京工業大学の渡辺義浩准教授らは、タオルや水などの対象物の変形に合わせカラーの動画を投映できるプロジェクターを開発した。毎秒947コマの速度で24ビット階調のカラー動画を対象物に投映し、立体物に映像を張り合わせる技術「プロジェクションマッピング」を実現できた。コンサートイベントのショー演出などの活用が期待される。企業と連携し市販化の準備を進めている。


従来のプロジェクターはスクリーンなどの静止した物体への投映を前提としている。毎秒30―120コマの動画の投映が主流で、動く対象物に投映するには速度が足りなかった。一方、変形し高速で動く対象物にプロジェクションマッピングする技術はあったが、白黒の動画しか投映できなかった。


研究グループは、高速変調と高輝度化を両立できる光源デバイスを導入。さらに出射光量の損失を抑えた光学系システムを開発した。24ビット階調のカラー映像を毎秒947コマの際に200ルーメン(ルーメンは明るさの尺度)、毎秒500コマであれば800ルーメンで投映できる。さらに8ビット階調の白黒の映像であれば、毎秒2841コマで850ルーメン、毎秒1000コマで3000ルーメンでの投映が可能。


プロジェクションマッピングやデジタルサイネージ(電子看板)、拡張現実(AR)など実世界の物体へ映像を投映するプロジェクター技術の重要性が高まっている。さらにロボットなどの産業応用でもプロジェクターから対象物に映像を投映しカメラで捉える画像センシングシステムの開発が進んでいる。

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