cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_43f08422c6c8_揺さぶるイスに匂い装置も、VR体験をよりリアルにする技術の数々 43f08422c6c8

揺さぶるイスに匂い装置も、VR体験をよりリアルにする技術の数々

 広島市立大学の脇田航助教らは、VR(仮想現実)コンテンツ用に搭乗者を揺さぶる駆動いすを開発した。球面と受け皿でいすを支える構造をもち、球面を滑らせることで前後左右に回転する。ジェットコースターやトロッコなどの座席が動く乗り物系VRコンテンツに提案していく。

 半球と受け皿でいすを支え、2本のシリンダーでいすをつり上げるように駆動する。搭乗者といすの重心が低いため、起き上がり小法師のように搭乗者を揺さぶる。身体全体を持ち上げて揺するよりも小さな力で済む。

 いすの回転角度は前後左右いずれも25度で、振れ幅は50度。搭乗者が揺らされると身体がしなるため、頭部の振れ幅は90度近くなる。新たにいすとシリンダーの接続部に回転継ぎ手を採用して、動きの表現を広げた。

 現在は半球を切削加工で製作しているが、金型を用意すれば製造コストを抑えられるという。50万円程度での製品化を目指す。VRアミューズメント施設などに提案。耐久性試験を経て2月を目標に同大発ベンチャーのランバス(広島市中区)で受注生産を始める。
日刊工業新聞2019年1月23日

歩行できる装置も開発
 広島市立大学の脇田航助教は、仮想現実(VR)ゲーム用の360度方向の歩行入力装置を開発した。腰を囲むドーナツ状のクッションの中に荷重センサーを配置し、移動方向を検出する。歩くように脚を上げた動きを計測して歩行や走行としてVRゲームに入力する。直径1メートル程度の装置の中で無限に歩き続けるようなVR体験ができる。

 VRゲームでは全身の動きを狭いスペースで計測し、コンテンツに反映させることが課題になっている。本当に歩いたり走ったりすると広いスペースが必要になり、ヘッドマウントディスプレー(HMD)などの配線の取り扱いが問題になってくる。

 そのため乗馬やサーフィンのような乗り物に乗せて下半身の動きを制限するコンテンツがアミューズメント施設では主流だった。

 今回、脇田助教は、クッションで腰を囲い、脚を動かしても実際には移動しない計測装置を開発した。クッション内部には腰の高さに荷重センサーが配置され、装置に体重をかけるとその力を検出する。さらに膝の上げ下げを、膝の付け根の高さのセンサーで計測する。膝の角度の計測分解能は5―15度程度。膝を上げ下げする速度を移動速度に反映できる。

 検出システムの部品原価2万円で構成できる。研究用試作ではドーナツ状のクッションや架台が高価になっているが、構造自体はシンプルなため量産機ではコストを抑えられると見込んでいる。

 ベンチャーを立ち上げて事業化する計画。まずは施設用のVRアトラクションに提案する。将来は家庭用の歩行入力システムに展開したい考えだ。

日刊工業新聞2019年12月26日
東工大は香りで演出
 東京工業大学の加藤真悟大学院生と中本高道教授らは、消臭機能付き嗅覚提示ヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)を開発した。部屋ににおいが充満しにくく、匂い情報を切り替えやすい。VR(仮想現実)コンテンツに香りを加えてよりリアルな体験を演出できる。

 HMDに後付けする形で、芳香部と消臭部を鼻を挟むように配置した。芳香部では香料を吐出すると弾性表面波素子に液滴がのり、高周波振動で霧状になって漂う。消臭部では霧を吸い込み、活性炭で吸着する。4種の香料をセットできる。

 1度に吐出する液滴は3ナノ―10ナノリットル(ナノは10億分の1)。においの強さは滴下量で調整する。香料1ミリリットルで10万回滴下できる。香料を混ぜることで幅広い香りを表現できる。

 HMD上で芳香・消臭することで部屋全体ににおいがこもりにくくなる。残り香が混ざらず、VRコンテンツ中のシーンの切り替えがしやすくなる。

 VR映画館のように同時に複数の人がVRコンテンツを鑑賞する場合でも、鑑賞者全員でのにおいの時刻同期が要らない。HMDなどの装着から鑑賞終了まで一人ひとり運用できるため、セットアップの人員を抑えられる。鼻の周辺にだけ香料が漂うため、空間全体に香りをまく例に比べて香料を減らせると期待される。HMDのVRコンテンツでは第一人称視点の作品が多く、鑑賞者が目を向けないと状況が伝わらないことがあった。においで視覚を補完することができる。

日刊工業新聞2019年1月16日

【ファシリテーターのコメント】
東映が映画館で公開したVR映画を以前、体験したのですが、音の迫力によって没入感がこんなにも違うのかと感じました。上記紹介した技術によって没入感がどの程度変わるのか、ぜひ体験してみたいです。
葭本 隆太

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_53fd8dc661cf_耐える「三菱スペースジェット」、反転の道筋は見えたか? 53fd8dc661cf

耐える「三菱スペースジェット」、反転の道筋は見えたか?

 三菱航空機(愛知県豊山町、水谷久和社長)が、国産小型ジェット旅客機の覇権争いに向けた布石を相次ぎ打ち始めた。米国の規制に対応した新機種の開発を本格化したほか、ブランドイメージ刷新を狙って名称を「三菱スペースジェット」に変更した。その傍らでカナダ・ボンバルディアが同市場からの撤退を検討。三つどもえの戦いから、ブラジル・エンブラエルとの一騎打ちに移行していく。起死回生をもくろんだ打ち手は局面を打開できるか。

 三菱航空機は仏パリ郊外で開催された「パリ国際航空ショー(パリエアショー)」で、座席数65―88席の新機種「スペースジェットM100」の開発を公表し、2023年に市場投入する方針を明らかにした。座席幅を広めに設定するなど、100席未満のリージョナルジェット機にはなかった快適性を前面に押し出した設計だ。これに燃費性能など経済性を付加し、来るべき戦いに備えようというわけだ。

 実際、市場の追い風は三菱航空機に吹き始めている。同社によると今後20年間のリージョナル機市場は5137機の需要が見込め、このうち約4割は米国が占めるという。

 競合の一角だったボンバルディアは三菱航空機の親会社の三菱重工業とリージョナル機「CRJ」事業の売却で交渉に入った。100―150席級の小型旅客機「Cシリーズ」は米ボーイングや欧エアバスとの競争に敗れてエアバスの軍門に降り、民間航空機事業から撤退の意思を示している。

 最大手のエンブラエルはボーイングと年内に合弁会社を発足させる計画だ。ただ業界関係者は「ボーイングはリージョナル機はニッチ市場と捉えており興味はないだろう」と指摘する。

 加えてボンバルディアは、米国の航空会社とパイロット組合の間で結ばれた労使協定で座席数などの制限がある「スコープ・クローズ」を見越し、90席級の開発を凍結している模様。「ボンバルディアはリージョナル機の最新型を保有しておらず、三菱航空機は十分に戦える」と続ける。

 三菱航空機がM100の開発に乗り出すのも、スコープ・クローズが大きく影響している。水谷社長も「スコープ・クローズは(座席数制限などの)緩和が期待されていたが、状況変化が起きず今に至っている」と認識。M100は現状のスコープ・クローズの基準を満たしているため、「個々の顧客のニーズに応えていきたい」(水谷社長)としている。

小型機覇権争い、反転攻勢
 だが規制への柔軟な対応が、同社の足かせとなる可能性も出てきた。M100より先に開発を進め、20年半ばに初号機の納入を目指している90席級の「スペースジェットM90」は、足元で約400機の受注がある。このうち大半は米国向けで、スコープ・クローズが現状維持となれば、M90をM100に変更する顧客も出てきそうだ。

 投入時期を23年としているM100に顧客がチェンジオーダーした場合、納入時期はさらに先送りされ、収益化はさらに遠のくことは必至。水谷社長も「納入時期は後ろ倒しになるが、スケジュールを含めて顧客にどう判断してもらうかだ」とし、「顧客ニーズにいかに応えるかが最優先で、収益化の遅れは総合的な判断になる」との考えを示す。

 半面、事業化に向けた地ならしは着実に進展をみせている。三菱重工によるボンバルディアのリージョナル機事業の買収がその一つだ。交渉が成立すれば、三菱航空機は課題だった機体納入後のアフターサービスを手に入れることになり、「当社から見ると非常にありがたい検討をしてもらっている」と水谷社長。交渉の行く末を固唾(かたず)をのんで見守る。

 一進一退を繰り返しながら、飛躍の時を待つ三菱スペースジェット。孝行息子になるべく成長痛に耐える時期は当面続くが、勝ち筋は必ず見いだせるはずだ。

(パリ=長塚崇寛)

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_668f4a276e27_洋上風力発電「対応に苦慮するほど引き合いが増えている」(シーメンス日本法人社長) 668f4a276e27

洋上風力発電「対応に苦慮するほど引き合いが増えている」(シーメンス日本法人社長)

 シーメンス(東京都品川区)の藤田研一社長は、都内で開いた事業説明会でガス&パワー事業の国内展開について「今後、年4―5件の中型発電設備を受注できるだろう」との見通しを示した。バイオマス発電案件は「過去1年間で5件受注し、予算を大幅上回った」と想定を超えるペースで受注を積み増していることを明らかにした。

 日本での再生可能エネルギーは「洋上風力発電がブーム」となり、対応に苦慮するほど引き合いが増えているという。独本社は、2020年4月までにガス&パワー事業の分社化を予定している。

 一方、産業用IoT(モノのインターネット)基盤向け基本ソフト(OS)「マインドスフィア」について、クラウド型に重点を置いてきたが「エッジ(現場)と両方必要な立場」とエッジにも注力していることを説明。生産現場でのデータ収集・解析から、「データをクラウドに集めて経営判断に活用する」までの広範囲なサービスを世界展開できる自社の強みを強調した。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_919b4f9ac428_「トヨタは選んでもらう立場」(章男社長) 自動車メーカー、複雑さ増す勝利の方程式 919b4f9ac428

「トヨタは選んでもらう立場」(章男社長) 自動車メーカー、複雑さ増す勝利の方程式

 一つのプラットフォーム(車台)で組み立てる車種を増やし購買などのコストを低減。それにより価格競争力を高めてシェアを拡大し一層のコスト削減に結びつける―。こうした好循環を描くのが、自動車メーカーの勝利の方程式だった。

 しかし「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」時代を迎え、勝利の方程式は複雑さを増す。対処すべき課題は広範囲にわたり、数量規模拡大だけでは対処しきれない。自動車産業に詳しい藤本隆宏東京大学教授は「ある1社とすべての事業でべったり提携するのではなく、事業内容ごとに提携効果を見極めた方が良い場合もある」と指摘する。

 また各国で電気自動車(EV)の充電インフラの整備度合いにばらつきがあったり、シェアリングなど移動サービスの商習慣は異なったりする。

 基礎分野は共通化してもエンドユーザーと接する分野の戦略は柔軟に変化させられた方がベターだ。藤本教授は、緩やかな提携関係を指向するトヨタ自動車などを念頭に「業界の提携関係は、単純に幾つかの塊に分かれるのではなく、濃淡あるネットワーク状態が続く」と分析する。

 一方、仏ルノーは資本関係を伴う強い提携に積極的だ。欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)から受けた経営統合案は仏政府の横やりで白紙に戻ったが、ジャンドミニク・スナール会長は12日の株主総会で「自動車産業で初めて欧州のチャンピオンをつくろうという話だ。このチャンスに目はつぶれない」と再協議に含みを持たせた。また企業連合とFCAとの統合の「二つは切っても切り離せない」と強調し、日産自動車、三菱自動車を含む4社連合の形成に意欲をみせた。

 ほかに今後の再編で台風の目となりそうなのは、韓国の現代自動車、仏グループPSAだ。PSAはトヨタと欧州事業など一部で提携するが、現代自とともに特定のグループに深く属していない。PSAと現代自は世界販売でトップ10入りする規模もあり、どのグループと、どういった形で関係を築いていくかで業界勢力図は変わってくる。

 厳しくなる環境規制、CASEという大波を乗り越えるために適しているのは、トヨタ型の緩やかな提携か、もしくはルノーが指向する強い提携のどちらか、まだ明確な解は出せない。ただ単なる数合わせではなく、多分野で自社の強みで相手の弱みをカバーする相互補完関係が成立しなければ、十分な提携効果を得られないことは間違いない。

 「仲間づくり」を進める豊田章男トヨタ社長は「トヨタが(相手を)選ぶわけではなく、トヨタは選ばれる立場」と話す。自動車メーカー各社が、“1500万台クラブ”で存在感を示していくためには、「自社の強みを磨き上げる」という古くて新しい取り組みが一層重要になる。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_9b4858ad8b6f_立命館大学の新学長が推進、スマホを使った「知の見える化」とは? 9b4858ad8b6f

立命館大学の新学長が推進、スマホを使った「知の見える化」とは?

 京都と滋賀、大阪にキャンパスを持つ立命館大学。新学部の設置が活発で、びわこ・くさつキャンパス(滋賀県草津市)では学内施設の運営管理のためのロボット実証実験を行うなど、時代の変化を意識している。1月に就任し、学校法人立命館の総長も兼任する立命館大学の仲谷善雄学長に展望を聞いた。

 ―就任から半年の手応えは。
 「2020年までの中期計画の総仕上げを行うとともに、30年までの計画の具体化を進める役目がある。責任の重みはあるが、系列校を含む立命館全体で一体感を持って取り組めている。学生の元気さや父母会、校友会の熱い思いも感じる。立命館アジア太平洋大学(APU)の出口治明学長とは意見が合うので、一緒に学園を引っ張っていけると思う」

 ―取り組む課題は。
 「4月1日付で始めた総長プロジェクトの一つが、国連の持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みの強化だ。従来から進めてきたが取り残されている学生もいる。日常生活の国際化を踏まえ、自分が世界とつながっている意識を持てるようにしていく。その一環として、4月に開設したグローバル教養学部でアジアの視点を持つ人材育成を進める」

 ―研究や教育環境をどう充実させますか。
 「もう一つのプロジェクトとして知の見える化を進めたい。従来の大学は所属以外の研究室の活動がわかりにくく、1、2年生が3年生以降のゼミを選ぶのも大変だった。どこで何の研究をしているかをスマートフォンなどで確認できるようにし、他の研究室の実験などへ気軽に参加しやすくしたい。わくわくや感動を蓄積できる、きっかけを作る環境を整備していく。学生が主体的に取り組み、みんなで解決していけるように支援するのが大学の使命だ」

 ―産学連携にも期待が集まります。
 「社会の課題を大学だけで解決するのは難しく、産学連携が不可欠だ。研究成果の実装をするには企業が頼りだが、一方で大学も社会実装まで関わる必要がある。大学院生が企業と一緒に課題を考え、社会のニーズを実感できるよう人材育成も企業と協力して行いたい」

【略歴】なかたに・よしお 81年(昭56)阪大人間科学卒、同年三菱電機入社。04年立命館大理工学研究所主事、06年情報理工学部副学部長、12年総合科学技術研究機構長、14年情報理工学部長、同年理事・評議員、18年副総長。大阪府出身、60歳。

【記者の目/産学双方の視点生かす】
 企業での経験を持つ仲谷学長は、現在の教育を「『教える』や『育てる』と言いすぎている」とみる。従来の研究者を超える人材を生み出すため、個々が手探りで課題に取り組み、解決策にたどり着くことを願う。ロボットの導入など、学生が刺激を受ける環境作りは活発だ。産学双方の視点を生かした人材育成にも期待がかかる。(文=大阪・安藤光恵)

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_43fcb73aa48b_海洋プラ対策、日本が世界を先導できる理由 43fcb73aa48b

海洋プラ対策、日本が世界を先導できる理由

 海洋プラスチックゴミ問題を議論する主要20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合が15、16の両日、長野県軽井沢町で開かれた。産業界が結集して問題を解決しようと花王や味の素、三菱ケミカルホールディングスなどが参加する「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」が活動する。異業種215社を束ねる澤田道隆会長(花王社長)に日本の強みを生かした解決策を聞いた。

「海洋プラ対策」世界を先導
 ―1月に設立したばかりのCLOMAの特徴を教えて下さい。
 「キーはマテリアル(素材)だ。素材を熟知し、使いこなす技術を開発し、海洋プラ問題、さらにプラゴミ問題の解決に真っ向から取り組む。アライアンス(連携)もベースだ。素材メーカーからプラを利用する企業まで参加する組織は他になく、中小企業も技術が採用されるチャンスがある。連携は日本の力強さであり、世界を先導できる」

 ―プラ使用量の削減、代替素材の普及などを定めたCLOMAのビジョンをG20で発信します。
 「プラの使用をやめようということではない。プラは有用であるが故に多く使われてきた。一方、負の面もあり、海ゴミのような問題が起きた。エビデンス(証拠)から考え、代替素材に切り替える前に3R(削減、再利用、リサイクル)を徹底する。できるだけ少量の使用でプラの良さを享受し、できるだけ使い続ける」

 ―経営者はプラ問題とどう向き合うべきですか。
 「真摯(しんし)に受け止めるべきだ。そして問題解決をコストではなく投資と考えるとリターンが生まれる。いま、環境や社会に配慮した商品の購入層が増えており、プラ問題に寄与する商品が選ばれるだろう。短期に利益が出れば再度、投資ができる」

 ―ESG(環境・社会・企業統治)の考え方ですね。
 「問題解決をビジネスとして回転させると大きなうねりとなって生活者、そして社会にもプラスとなる。いかにプラスにするかが経営者の課題だ。今後、ESGも念頭に技術革新をやっていきたい」

 ―日本は1人当たりプラ消費量が世界2位であり、過剰包装などが指摘されています。
 「使いすぎが良くないという風潮づくりが求められる。日本の廃プラは海外でリサイクルされていた。海外諸国が廃プラ輸入を規制したため、日本は国内処理で困っている。見直せるモノは見直し、使えるモノは使い続ける意識改革の時だ」

【記者の目/G20で日本の力、発信】
 「冷静に考えても日本は3Rのレベルが高い」と澤田会長は語る。シャンプーなど日用品で詰め替えが定着したことをあげ、「こまやかな心遣いのある技術や商品が、世界でも認められてほしい」と願う。その発信の場がG20だ。軽井沢の会場にCLOMAも16件の技術・商品を展示する。日本のプラ対策が遅れている印象を払拭(ふっしょく)する機会だ。(文=編集委員・松木喬)
日刊工業新聞2019年6月14日

【ファシリテーターのコメント】
コストと考えると負担、投資と考えると見返りが期待できる。ESG経営とは、発想の切り替えからだと考えさせられました。SDGsの12に「廃棄物を発生を大幅に削減」とあります。個人的な解釈ですが、発生してもリサイクル分は廃棄物にカウントしない、でいいのでしょうか?まずはリデュースから始めたいです。
松木 喬

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_f5fe5fbf05f4_ポリフェノールはアルツハイマーを予防する f5fe5fbf05f4

ポリフェノールはアルツハイマーを予防する

 東京大学大学院農学生命科学研究科の小林彰子准教授らは、植物の成分であるポリフェノールの一種「ロスマリン酸」の摂取が、アルツハイマー病の予防に効果があることを突き止めた。神経伝達物質の濃度が上昇し、脳の神経細胞に蓄積してアルツハイマー病を引き起こすたんぱく質「アミロイドβ」(Aβ)の凝集を抑制していた。予防法や治療法の開発につながる。

 これまでマウスを使った実験により、Aβ凝集抑制活性をもつポリフェノールとしてロスマリン酸を特定していた。しかし、ロスマリン酸は脳への移行度は高くなく、ロスマリン酸が直接Aβ凝集抑制する以外に、別の作用が存在していると考えられていた。

 研究チームはロスマリン酸を食べて脳内Aβ凝集が抑制されたアルツハイマー病モデルマウスの脳のデオキシリボ核酸(DNA)を網羅的に調べ、遺伝子発現を解析した。その結果、マウスの脳で神経伝達物質「ドーパミン」を介した神経伝達経路が活性化していた。

 ドーパミンは高齢者やアルツハイマー病患者の脳内で減少しており、ドーパミン神経伝達の向上により認知機能障害が改善する。マウスに11日間ロスマリン酸を食べさせると、ドーパミンをはじめ4種の神経伝達物質の濃度が上昇し、Aβの凝集を抑制していた。

 成果は英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_1ce458b04ce8_【今週のリケジョ】流体継ぎ手の生産管理、突発の変更も「任せて!」 1ce458b04ce8

【今週のリケジョ】流体継ぎ手の生産管理、突発の変更も「任せて!」

 日東工器の勝見紫苑さん(25)は、ワンタッチ接続の流体継ぎ手「カプラ」の生産管理を手がける。タイ工場を担当し、現地とは英語でやりとり。「現地と協力して突発の変更に対応できた時は、心の中で『よしっ』とガッツポーズしてます」と笑顔を見せる。

生産管理の難しさと楽しさ
 幼いころから興味の対象は理系で、科学漫画を愛読する子どもでした。大学に入ったのは2013年。東日本大震災の後で太陽光発電ブームが起きており、私も自然エネルギーに興味を持ち、東京都市大学の工学部エネルギー化学科に進学。ガラスに液を塗って発電する色素増感型太陽光発電などについて研究していました。

 就職活動では、形になるものを作りたい、モノづくりに関わる仕事がしたいと思い、日東工器を志望しました。現在手がけている生産管理の仕事は大学で学んだことと直接はつながっていませんが、知らないことをどんどん人に聞いて吸収していく仕事の進め方は、大学での研究を通じて身についたと思っています。

 今の仕事で難しいのは営業と工場の両方が満足する生産管理をしないといけないことです。営業は在庫不足を防ぐため、売れる時にたくさん作ってほしいと考えますが、工場は毎月の生産状況を平準化したいと考えています。相反する要求を満たすのはパズルのような難しさと楽しさがあります。

 趣味は漫画を読むこととお酒を飲むこと。特にウイスキーが好きで、一人でバーに行くこともあります。

 当社は育児休暇を取って復帰する女性社員が多く、女性にとって働きやすい職場だと思います。私も結婚してからも仕事を続けていきたいです。(文=南東京支局長・鳥羽田継之、写真=木本直行)

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_ef1a0b1ff964_150度C以下の低温形成で効率20%超!ペロブスカイト太陽電池の実用が前進 ef1a0b1ff964

150度C以下の低温形成で効率20%超!ペロブスカイト太陽電池の実用が前進

 山形大学の佐野健志教授らは、150度C以下の低温形成プロセスで製作した「逆型」と呼ばれる構造のペロブスカイト太陽電池を開発した。これまで低温形成・逆型の構造では、変換効率が17―19%であったが、山形大が持つ有機ELの製造技術を使って20%を超える変換効率を確認した。

 従来、同太陽電池の作製方法は、特殊な透明導電膜の上に高温プロセス(約500度C)で電子輸送層(チタニア)を焼成する高温形成・「順型」と呼ばれる手法が多いという。山形大の研究チームは、プロセス温度の低減が可能な逆型の素子構造で研究を進めていた。実験では変換効率20・2%を確認した。

 高い変換効率を期待されるペロブスカイト太陽電池は、塗布による製造が可能。プラスチックを用いた折り曲げられる太陽電池として、複雑な形状を持つ構造物などへの利用が期待されている。低温プロセスにより、プラスチック基板への素子構造の形成が可能になるとみている。

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cat_oa-newswitch_issue_43f08422c6c8 oa-newswitch_0_ecdbc615f00f_座席数は1.5倍、防護盾も装備!投資額60億円の特急「はるか」新型車両 ecdbc615f00f

座席数は1.5倍、防護盾も装備!投資額60億円の特急「はるか」新型車両

 JR西日本は、関西国際空港へのアクセスを担う特急「はるか」へ新型車両(イメージ)を投入する。訪日外国人(インバウンド)の増加や今後控える国際イベントに対応する。新型車両を既存の編成に増結することで、座席数が現在の約1・5倍となる。投資額は約60億円。2020年頃の運転開始を予定する。

 投入車両数は18両。既存の6両9編成に3両3編成を増結することで、すべての「はるか」が9両で運転可能になる。新型車両の客室には大型荷物スペースや防犯カメラを新たに設け、新幹線に搭載済みの防護盾なども設置。防犯対策も強化する。車両デザインは現行のものを継承する。同社の来島達夫社長は「編成をフル活用して安全で快適な環境を提供する」と述べた。

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