cat_oa-buzzfeed_issue_1a20c693c8a0 oa-buzzfeed_0_1a20c693c8a0_捨てられるはずの野菜をシート状にした「野菜シート」が有能すぎる 1a20c693c8a0

捨てられるはずの野菜をシート状にした「野菜シート」が有能すぎる

2018年3月19日 17:20 バズフィード

めちゃくちゃ「未来的」な野菜を発見した。

野菜がシート状になってるだと…!?
これは長崎県平戸市にある株式会社アイルが開発した「VEGHEET」(ベジート)という商品。
野菜をペーストにして乾燥させ、シート状に加工したもの。原料は野菜と寒天のみで、野菜の色味をそのまま活かした食材だという。

そして、これは人参と大根のベジート。

たしかに見るからに人参と大根の色をしている。

しかも捨てられるはずだった野菜が生き返る。

ベジートは形やサイズの違いで出荷されない「規格外の野菜」でできているため、生産者にも環境にもやさしい商品なのだという。
では実際の味はどうでしょうか? 食べてみた感触も気になります。

まずはそのまま食べてみた。

袋から出すと薄くてパリパリ。まるでスナック菓子のようです。食べてみると野菜の甘味がすごい!
そのままでもおやつ代わりに全然いける。野菜でできたシートなのでヘルシーだし、これはいい。

水で戻すと完全に野菜だ……!

水にさっと浸すと、まるで生春巻きのライスペーパーのように弾力がでてきます。
小さく畳んで食べると人参そのもの。

歯ごたえはもちもちとして生春巻きの皮みたい。
人参の甘みがすごいし、これは美味しい。

野菜嫌いの子どももこれならイケるのでは。

ひたすら折りたたんで食べる。これは大根味。大根そのままの味と香りがするが、甘みは増しているように感じる。
野菜嫌いの子どももこれなら食べられるんじゃないかと思った。

美味しく食べるレシピはこんな感じ。

出典: Instagram

人参のベジートを使った「ベジロール」。カロリーは約40kcalとのこと。見るからにヘルシーですね。

野菜オンリーのベジート巻。

出典: Instagram

大根のベジートで小松菜を巻いたものだそうです。すごく美味しそう。

パーティーにもぴったり。

出典: Instagram

ベジートを使ったベジロールパーティー。普通のライスペーパーよりもカラフルなのでパーティーにもぴったりですね。

で、これどこで売ってるの?

株式会社アイルによれば、3月16日から19日までイトーヨーカ堂大井町店で野菜シート(5枚入)が販売中。ニンジンとダイコンの2種で各350円です。

また長崎県平戸市のネット販売サイト「よかろ物産」でも手に入ります。

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cat_oa-buzzfeed_issue_1a20c693c8a0 oa-buzzfeed_0_4fa843e0bf74_Appleのクレジットカードの衝撃――毎日キャッシュバック、手数料なし、カード番号不要 4fa843e0bf74

Appleのクレジットカードの衝撃――毎日キャッシュバック、手数料なし、カード番号不要

2019年3月26日 15:26 バズフィード

Appleがクレカ事業に参入することが発表されました。名前はそのままApple Card。

Apple Payって、Suicaだったりクレジットカード会社を経由してiPhoneなどで決済ができるサービスとして超愛用されてきたものですよね。

Apple Payで支払いをするとき、他の会社を経由しないでApple直でやりとりができるようにするために生まれたのがApple Cardです。

iPhone上ですぐに作れる手軽さがウリ。

一般的にクレジットカードを作るには、窓口に行って本人確認の書類を書いたりして、申請。審査が通れば数日後に家にカードが届くというものが多いです(即日発行できるカードもありますが、まだまだ少ないのが現状です)。

登録情報を変更するのもiPhone上でできます。友達にメッセ送る感覚だ……!

「住所変更できますか?」

「はい、対応いたします」

こんな感じでiMessageですぐできちゃう。

利用履歴がめちゃくちゃわかりやすい。「いつ、どこで、どんな買い物をしたのか?」これがわかりやすく表示されます。

iPhone上ですぐに確認ができ、何より見やすいデザイン。

支出をカテゴリー別に分けたり、日にちごとで「それくらいのお金を使ったのか」をレポートにしてくれます。

地図にも連携しているので、お金を使った場所もすぐにわかります。

お金の使い方を可視化してくれるので、ヘルシーなお金の使い方をサポートしてくれます。

ヘルスケアのアプリとか、スクリーンタイムでおなじみのデザイン。見やすいんですよね。

月曜から日曜までどれだけお金を使ったのか一目瞭然です。

また、Apple Payが使えない場所用に物理カード(チタン製)も登場しました。

カードの表面に記載があるのはユーザーの名前だけ。

世にも美しいクレジットカードが生まれた瞬間……。

カードの有効期限も番号も書いてありません。これはApple Cardが独自のセキリティシステムを持っているからです。

カードナンバーがないのは、Apple Cardは支払いごとにダイナミックセキュリティーコードが発行され、Face ID・Touch IDによって認証されます。

Apple Cardは端末(iPhone)に紐付いているクレジットカードだからです。Appleによると「カード自体に極力個人情報が書かれていないため、逆にセキュア」なのだそう。

Apple Cardは毎日使った分の2%のキャッシュバックがあります。Apple Store、App Store、AppleMusicなどのサービスで支払いした場合は、3%のキャシュバック。

Apple Cardは毎日使った分の数%をキャッシュバックします。

Apple系でのお買い物:3%
普通にApple Payでお買い物:2%
リアル・Apple Cardでのお買い物:1%

これが毎日キャッシュバックされます。上限はなし。財布の紐が緩むわ……。

キャッシュバックで還元されたお金は、いろんな用途に使えます。

友達への送金、アプリの課金、オンラインストアでのお買い物……そのまますぐに使えます。

なお、手数料系全部なし。クレジットカード会社じゃないからできる力技。

遅延手数料
年会費
国際手数料
超過手数料

これらは一切かかりません。Appleはクレジットカード業で儲ける気はないのでしょうか……?

遅延手数料等が発生しないので自分のペースで返済ができます。

支払いが全部終わるとリングが完成するデザイン。

あーこれはApple Watchのアクティビティリングみたいだ……!

ちなみにAppleは購買履歴を一切所持しません。データを集めてマーケティングに活かすってことはしないそうです。だってそれはプライバシーに関わることだから。

そんなApple Cardは夏からアメリカでサービススタート。日本にはいつ上陸するんでしょうか…!?

Michael Short / Getty Images

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cat_oa-buzzfeed_issue_1a20c693c8a0 oa-buzzfeed_0_d785968d4e8c_中国から世界を攻める~パナソニックの新たな挑戦 d785968d4e8c

中国から世界を攻める~パナソニックの新たな挑戦

2019年3月26日 10:43 バズフィード

パナソニックの本丸である家電事業がいよいよ中国に乗り出す。

4月1日より、「パナソニック 中国・北東アジア社」を中国・北京に設立。パナソニックがもっとも注力する地域「中国、台湾、韓国」を包括する社内カンパニーで、総代表には現在アプライアンス社の社長を務める本間哲朗氏が就任する。

中国・上海で行われた会見で、本間氏は「私の使命はここ中国での事業を大きく成長させ、世界中のパナソニックを牽引する存在となること。中国国内でも攻める、そして中国から世界を攻める」と話した。

中国・北東アジアの家電事業だけを担当するのではなく、パナソニックの家電事業全体を中国から牽引していく考えだ。

家電事業の軸足を日本から中国へ

パナソニックは兼ねてから中国市場を最重要拠点と宣言してきた。昨年開催された100周年基調講演で津賀一宏社長は「中国で勝てないとパナソニックの将来はない」と宣言、中国国内で最も大きな家電博「AWE」にはアプライアンス社の本間社長が毎年訪れ、流暢な中国語で自らプレゼンテーションを行ってきた。

今回「中国・北東アジア社」を設立したことで、さらに一段ギアを上げたことになる。上海で行われた会見で本間社長は、家電事業の軸足を日本から中国に移す事を明言した。

「この数年、非常に葛藤してきた。バイタルデータを収集できる温水洗浄便座など製品だけをみれば、中国で展開している製品の方が先をいっている。どうしたら日本でそういった製品が受け入れていただけるようになるのか。中国でトライアンドエラーをして、お客様価値を確立できたものを日本に持って帰るというのが、現実的なところ」

中国市場はまだポテンシャルがある

中国の家電市場も明るい話題だけではない。

パナソニックが中国市場に参入してから40年、テレビ事業の撤退などで2012年以降は厳しい局面が続いていた。

パナソニックアプライアンス中国では、2017年4月に中国人の呉亮氏をトップに据え、EC(Electronic Commerce:電子商取引。インターネットで物の売買をしたりすること。ネット通販)を強化、国内EC大手のアリババとの業務連携など、大幅な改革を行ったことでV字回復した。2016年、17年は二桁成長、18年も前年比107%を達成した。

一方で、中国国内における経済成長の鈍化、足元の消費の不透明感などが報じられている。

「中国政府が発表した消費刺激策も一部都市でしか実施されていないなど、確かに不透明感は感じる。しかし、トータルで考えると、私が担当する海外の家電マーケットで中国市場がもっともポテンシャルのあるところだというのは変わらない」

具体的なターゲットとして、若年層を挙げる。

「5年半くらい前から定期的にきて、ディスカッションを重ねてきた。我々が狙うべきターゲットは、ある程度所得が高くて、支出に対して前向きな人たち。日本と大きく違うのは、その年齢層が若いという事。日本は高額な家電を買うのは50代以上だが、中国では結婚をした20代後半から30代くらいが一番旺盛な支出をする。その人たちが好む家電をデザイン、開発、生産して届けるというサイクルを進めている」

外資系メーカーとしてどう存在感を出していくか

中国の家電市場では地場のメーカーに加え、富裕層が好むヨーロッパのメーカーも強い。他社とはどう差別化するのか。

「中国の富裕層がジャーマンデザイン好きというのは厳然たる流れ。それを理解した上で製品開発を進めている。例えば、ポルシェのデザイナーがデザインした25000元以上(日本円で40万円以上)洗濯機を販売しているが、一定数売れている。中国のメーカーと同じフィールドで戦っても生き残りは厳しいので、やはり外資系としてのナンバーワンが我々の狙い所になる。具体的にいうと、ボッシュ、ジーメンスとの首位争いが目指すところ」

今後中国市場で成長して行く中で一番警戒するべきところ、あるいはチャレンジするべきところはどこか。

「私たちの強みはいわゆる要素技術力にある。ややもすればスピード優先で、安定しない中国のものづくりに対して、私たちは非常に安定したものを作ることができる、いくつか我々の強みというのがあるが、そこを踏み出さないように注意して事業をやって行くというのが、我々の勝ち筋」

チャイナスピード、チャイナスタイル、チャイナコストを意識

一方で、日本企業が見習うべきところもある。

「これから中国・北東アジア社で実践すべきは、チャイナスピード、チャイナスタイル、チャイナコストの3つ。まずスピード。中国の会社と同じようなスピードが求められる。難しいかもしれないが、やらなければいけない。

スタイルについても同様。日本はどちらかというと石橋を叩いて渡ることが多く、単年度経営に縛られている。しかし、中国の会社はそうではない。我々もできる限り、そういうチャイナスタイルで物事を決めていきたい」

「チャイナコストをどれだけ取り込めるかというのも大きな課題。日本全体を見ても大量生産型のビジネスが非常に少なくなっている中で、我々がそのビジネスを続けて行くためには、大量生産型のビジネスが厳然として存在している中国に軸足を移さないとかなり難しい。それが偽らざる心境だ」

今後のパナソニックを占う最重要拠点

中国北東アジア社には、グローバルに事業を展開している冷熱空調デバイス事業部というコンプレッサーの事業部が丸ごと移ってくる。加えて、日本で家電事業を展開しているアプラインス社と住宅設備を展開しているエコソリューションズ社の一体化運営を進めていく。

「これはそんなに簡単に実現するとは思っていない。だからこそ、私が現地に行くのだと思っている。今までとは全く違った意思決定の構造の中で経営判断していくことになる」

中国に軸足を移すと言ってもそれは簡単なことではない。現在パナソニックの家電事業を支えている要素技術の多くは日本の事業部が抱えている。その地理的条件をどうクリアするのか。

「そこのスピードが落ちないように私が中国にくるのだと思っている。とにかく、無理やりいうことを聞かせる。津賀の言葉を借りれば、親元事業部には中国北東アジア社を支援する義務がある。そういう役割分担の中で今後やって行くということになる」

中国・北東アジア社は単なる海外支社の1つではなく、今後のパナソニックを占う最重要拠点の1つとなる。

かつて日本のナショナルメーカーと言われていた大手家電メーカーが次々と外資に買収されている中、中国でどう存在感を出すのか。唯一残っている「日本の総合家電メーカー」の手腕が試される。

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cat_oa-buzzfeed_issue_1a20c693c8a0 oa-buzzfeed_0_666c67567430_Apple、製品は発表なし。クレカ、サブスク参入。スペシャルイベントでリリースされた全貌を1分で 666c67567430

Apple、製品は発表なし。クレカ、サブスク参入。スペシャルイベントでリリースされた全貌を1分で

2019年3月26日 06:28 バズフィード

Appleが「モノを発表しなかったイベント」。一体何がリリースされたのでしょうか? ひとことで言うと、「Apple春のサブスク祭り」って感じでしょうか…。

ひとつずつ紹介していきますね。

1)Apple News+:いろんなデバイスで超見やすい雑誌&ニュース記事のサブスクリプション

VOGUE、ビルボードなど300以上の雑誌、オンラインの有料記事が読めるようになるサブスクリプション。

9ドル99セント/月で読み放題(初月無料)。家族みんなで共有できてこの価格です。

家族で共有できるのは嬉しいけど、お父さんに私が読んでる雑誌、バレたくないのだが……と思うよね。大丈夫。

読んでるコンテンツはそのデバイスのユーザーしかわかりません。iPhone、iPad、Mac……各デバイスで最適なデザインで表示されます。

まずはアメリカからサービス開始。カナダ、ヨーロッパ(イギリス)と順次エリアを拡大していきます。

2)Apple Card:iPhoneで申し込めるクレカ(毎日キャッシュバックあり)

クレカって専用窓口に行かないと申し込みができなかったり、即日発行できるものって案外少ないんですよね。

iPhoneですぐに作れるのがApple Cardです。ゴールドマン・サックスとマスターカードをパートナーに迎え、手堅くスタート。

利用履歴がめちゃくちゃわかりやすいのがウリのひとつ。いつどこで何を買ったのかすぐにわかります。

ついでにお金の使い方レポートも作ってくれます。「あなたは月曜日にお酒を飲み過ぎ」とかがわかってしまう。

もちろん利用履歴はデバイス内にとどまります。そのためにAppleは長い時間をかけてプライバシーが保たれるようにセキュリティを強化してきたわけです。

リアル・クレジットカードはチタン製。カード番号、有効期限などは記載されていません。

契約者の名前だけが刻印されたシンプルなカードです。

また、Apple Cardは毎日2%のキャッシュバックがあります。Apple Store、App Store、AppleMusicなどのサービスで支払いした場合は、3%のキャシュバック。

還元って、数日後とかポイントで「実質」と謳うものが多いけれど、Apple Cardの場合はその日使ったお金の一定数がキャッシュバックされます。

Apple系でのお買い物:3%
普通にApple Payでお買い物:2%
リアル・AppleCardでのお買い物:1%

これが毎日キャッシュバックされます。上限はなし。

夏からサービススタート。

3)Apple Arcade:いろんなデバイスで横断してプレイできるゲームのサブスクリプション

有料ゲーム100以上のタイトルがプレイし放題。1人申し込めば、家族で共有も可能。

iPhone、iPadなどデバイスをまたいでシームレスにゲームを続行できます。オフラインでもプレイできるのは地味に嬉しいですね。

Apple曰く「サブスク化することで、クリエイターたちにもっと自由にゲームを作ってもらえる環境にしたい」とのこと。

出典: YouTube

オリジナルゲームを作るチームのひとつには、ファイナルファンタジーシリーズの坂口博信さんもいました。

サービススタートは秋から。150カ国で展開します。

4)Apple TV 大幅アプデ。超有名監督のオリジナルコンテンツと有料チャンネルについて

Apple TV系は2つ大きな発表がありました。

ひとつは、HBOやCBSなどのケーブルテレビをApple TVで視聴できるようにする「Apple tv channels」。

でも番組がありすぎちゃうと選ぶの大変ですよね。ユーザーの好みに合わせたレコメンド機能もあるので、いろんな番組を見るきっかけが生まれます。

5月に100カ国以上でサービススタート。

5)そして、驚いたのが超豪華制作陣による弩級なオリジナルコンテンツのサブスク

いきなりステージにスティーブン・スピルバーグが登場! 会場が一番沸いた瞬間でした。

スピルバーグやJ・J・エイブラムスといった超大御所たちがAppleのオリジナルコンテンツを制作します。映画っぽいものだけじゃなく、ジェニファー・アニストンらのトーク番組やセサミストリートの番組も配信予定。

秋から100カ国でスタート。価格はアナウンスなし。

5つのサービス、日本の上陸はいつになるんでしょう……。

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cat_oa-buzzfeed_issue_1a20c693c8a0 oa-buzzfeed_0_134d578a2be3_レイプ被害者の「魂の声」。その日常には憎しみや悲しみだけではなく、彩りもある 134d578a2be3

レイプ被害者の「魂の声」。その日常には憎しみや悲しみだけではなく、彩りもある

2019年3月26日 06:01 バズフィード

「婚約者からレイプされたことがある」


そう打ち明けてきた友人の表情は、決意に満ちていた。性暴力から守られない、この社会を変えたい、と。

愛情と憎悪が複雑に絡み合った感情

「私は8年前、元恋人から性暴力を受けました」
広告会社マッキャンエリクソン・クリエイティブディレクターの松坂俊さん(34)は、マレーシアのオフィスに転勤して早々に、一緒にランチをとっていた同僚のユイニー・ソンさんから、性的被害の経験を告白された。


元婚約者から受けた暴力が、8年もの間、ユイニーさんを苦しめていた。所有物のように扱われたことに傷ついたが、彼を愛していたからこそ、愛情と憎悪、悲しみと怒りが複雑に絡み合い、すぐには別れることができなかった。

マレーシアでは、17歳以上の独身女性を性暴力から守り、権利を保障するための法律が十分に整備されていない。このため報告されるデートレイプの件数は、9件に1件にすぎないと言われている。ユイニーさんも警察には届けておらず、長くPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいた。

「どちらかというと距離を置いていた」

マレーシアではDVが増加傾向にある。
松坂さんは、身近な人から性暴力の被害体験について聞いたのはその時が初めてだった。

「男性の多くがそうだと思いますが、積極的に考えようとしたこともなくて、どちらかというと距離を置いていたほうでした。共感はするけれど、どうしていいものか、見当もつきませんでした」

ユイニーさんは、松坂さんが以前、脳波データを使ったプロジェクトを担当していたことを知り、性暴力被害の経験を何らかの形で発信し、社会に還元したいと相談してきたのだった。


「友人であるユイニーが打ち明けてくれたことで、被害に遭った人たちの声なき声を表現したいと考えました。僕も妻と娘と一緒にマレーシアに住んでいるので、この国をよくするために何かしたいという思いが強くなりました」

被害者の感情を可視化する

プロジェクトを進める松坂さん(左)とユイニーさん(中央)
松坂さんとユイニーさんが考えたのは、頭に浮かんだ言葉を紙に書き連ねる「ライティングセラピー」という手法。書いているときの様子を医師や臨床心理士が観察して、心のケアにつなげるものだ。このセラピーをアレンジし、脳波データの計測を組み合わせて、被害者の感情を可視化しようというのが2人のアイデアだ。


脳波の波形やリズムの特徴をとらえ、マレーシアと日本の専門家らの助言のもと、アルゴリズムの知見をため、「LOVE(愛情)」「ANGER(怒り)」「FEAR(恐れ)」「JOY(楽しさ)」「SADNESS(悲しみ)」「HAPPINESS(幸せ)」の6つの感情にひも付けた。書いている言葉とそのときの感情を可視化することで、被害者の感情が複雑に絡み合って表れることがわかった。

プロジェクトでは、これをアート作品にすることに挑戦した。

真っ黒な感情だけではない

出典: YouTube

性暴力の被害者の感情をアートで表現した「Project Unsilence」
誰にも打ち明けられなかった深刻な被害。アートにするとしたら、どんな表現が適切なのか悩んだ、と松坂さんは言う。

「とはいえ、過酷なストーリーだけをアートにするのだと、僕のように受け止めるのは重すぎると感じて距離を置く人がおり、被害者の声が周りの人たちに広がらないのではないかと考えました」


「被害者の感情は必ずしも真っ黒ではありません。幸せを感じたり愛情を覚えたりすることもあるということも、ちゃんと表現したいと思いました」

「ANGER」の感情が閾値を超えると棘のデザインが表れ、「FEAR」のときにはゾワゾワとした草のようなものが下から這い上がる。「SADNESS」では雨が降る。一方、「JOY」では黄色いボールが現れ、「LOVE」で花が咲き、「HAPPINESS」で花びらが舞う。

「どんな経緯でつくられたアートなのかを知らなくても、見て楽しめるポップなものを意識しました。このアートを展示し、多くの人に被害者の感情の揺れを知ってもらって、性暴力の被害者が守られるような法改正につなげられたら」

「誰にも相談していない」が7割の日本

被害者が文章を書くときに生まれた怒りや悲しみの感情が、アートとして表現されている。 
プロジェクトは、アートとテクノロジーで性暴力の被害者を支援し、法改正を求める取り組みとして、マッキャンのミレニアル世代によるイノベーションプロジェクトとして始動。マレーシアの病院や大学と共同研究をする準備が進んでいる。


「アートを見た人の中には『実は親戚が......』と打ち明けてくれた人も多く、改めて表に出ない被害について考えさせられました。報告されていない被害が約10倍あるとすると、性暴力はすぐ隣で起きていることなんです。法に守られない女性がたくさんいるとなのだということを改めて知ってもらいたいです」

マレーシアだけでなく、日本にも表に出ていない性暴力はある。


2015年の「男女間における暴力に関する調査報告書」(内閣府)によると、女性の約15人に1人は、異性から無理矢理に性交された経験がある。加害者との関係は、約半数が、交際相手・元交際相手・配偶者・元配偶者だ。被害を受けた女性のうち警察に連絡したのは4.3%のみで、67.5%は誰にも相談していない。

松坂さんは引き続き、プロジェクトの参加者を募っている。日本からも参加することはできるという。

3月8日は国際女性デー。BuzzFeed JapanはBeautyTech.jpとPinterestで連携し、女性の課題をテクノロジーで解決する #フェムテックに関するコラボキャンペーンを展開します。


あわせて、ナイキの協賛のもと、Twitterのハッシュタグキャンペーン「#わたしの本気はすごい選手権」も開催。「女らしさ」や「男らしさ」の壁や思い込みを乗り越えるために本気を出したことについてツイートを募集します。

募集期間:2019年3月8日(金)~3月25日(月) 発表:4月4日(木)

BuzzFeed Japan賞(1名) / BeautyTech.jp賞(1名)/ ナイキ賞(1名)/ 花王ロリエ&めぐりズム賞(1名)

※受賞作品はBuzzFeed Japan NewsやBeautyTech.jpで発表し、受賞された方には発表後に各賞の記念品を贈呈します。

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亡くなった夫の精子で子どもを授かった妻

2019年3月25日 18:01 バズフィード

メルセデスは25歳の母親だ。医師の手で亡くなった夫から精子を取り出し、子どもを授かった。

出典: YouTube

彼女は、「死後生殖」を行った、アメリカの20名の女性のうちの一人だ。

車の事故で彼女の夫は亡くなった。夫婦は、夫の生前から子どもを持つことを計画していた。

「私たちで決めたことだった」

メルセデスの夫は軍隊に所属していた。彼は、仕事柄、生命の危険を感じていた。そのため、23歳になったときに彼の身体組織を凍結保存することにした。

「彼は私に、体の凍結保存について話したがってた」

メルセデスは、死後のことを考えるにはまだ早すぎると思っていたが、夫は凍結保存への意志を、サインと日付とともに書き残した。

「私がしたことへの権利は、文書が与えてくれた」

死後に精子を取り出すことへの合法性を巡る議論は、複雑だ。

「様々な理由によって、死後に精子を取り出す法的な議論は複雑な状況にある」

でも、要は可能だということ。

「死後に精子を取り出すことは違法ではありません。可能です。ただ、そうしてくれる医師を見つけることが必要だということです」

メルセデスは、何人かの医師の元を経て、キャピー・ロスマン医師にたどり着いた。彼は、死後生殖を行うことに賛同してくれた。

「誰かが最初のステップを行ってくれると思っていた」

ロスマン博士は1970年代に初めて死後の精子回収 を行ったことで有名な医師。

ロスマン医師は3つの選択肢を示した。(1)脊柱にネオスチグミンを注射して、遺体をけいれんを起こして射精させる、(2)精巣周辺の組織を取り除く、(3)手で刺激を与える、との選択肢だった。

「3つの選択肢があると考えた」

ロスマン医師の助けもあり、亡くなった夫から精子を得て、子どもを授かった。2016年9月のことだった。それは夫の死から一年たったときでもあった。

「この子は唯一無二の存在」

「子どもが夫と同じような仕草をするんです。夫と性格もそっくりなんです」

この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:藤原哲哉

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cat_oa-buzzfeed_issue_1a20c693c8a0 oa-buzzfeed_0_f23ad4f389c5_夫婦別姓訴訟、サイボウズ青野社長らが敗訴 「見事にスルーされた」東京地裁 f23ad4f389c5

夫婦別姓訴訟、サイボウズ青野社長らが敗訴 「見事にスルーされた」東京地裁

2019年3月25日 16:59 バズフィード

結婚時に「夫婦別姓」を選ぶことができない戸籍法の規定は、憲法に反しているなどとして、大手ソフトウェア会社「サイボウズ」の青野慶久社長ら4人が国を訴えた裁判。

東京地裁(中吉徹郎裁判長)は3月25日、青野社長側の請求を棄却し、現行の制度は「合憲」だとする判断を示した。

作花知志弁護士は「今回の裁判で変わるかと思っていたので残念。証拠や議論は出揃っているので、最終的には最高裁で憲法判断をしてもらえれば」とし、控訴する方針を明らかにした。

判決「戸籍法の規定に合理性はある」

判決後に会見を開いた青野社長(左)と作花弁護士
青野社長の他に原告に加わったのは、関東の20歳代の女性と、東京の20代カップルの計3人。

関東の女性は、結婚後も旧姓を使い続けたかったが、現行制度では改姓せざるを得なかった。カップルは旧姓を使い続けるために、事実婚せざるを得なかったという。

4人は改姓に伴う精神的苦痛を受けたとして、計220万円の損害賠償を国に求めていた。

日本人と外国人が結婚・離婚する時や、日本人同士が離婚する時は、「同姓」にするか「別姓」にするかを選ぶことができる。

ところが、日本人同士の結婚ではそれを認める規定がないことから、憲法が定める法の下の平等に反するなどと主張していた。

一方、判決は、夫婦別姓を認めれば、個人が社会で使う「法律上の氏」が二つに分かれてしまい、現行制度ではそのような事態は予定されていないため、戸籍法の規定は合理性があると述べた。

また、日本人と外国人の結婚には民法が適用されないと解釈され、日本人同士の結婚と同じ状況にあるとは言えないとした。

「知名度や信頼度を築いてきた通称は、知的財産」

2018年1月、提訴のために東京地裁へ向かうサイボウズの青野慶久社長ら
夫婦別姓が認められないことで生じる負担や不利益の例として、原告側が挙げていたものの中には、次のようなものがある。知名度や信頼度を築いてきた通称は、知的財産と言える。(夫婦別姓を認めないことで)その利用を制限することは効率的な経済活動を阻害し、個人の財産権を制限する。

公式書類は戸籍法上の姓(結婚後の姓)を使う必要がある。それぞれの書類について、姓についてのルールを確認しながら書かなければならない。

銀行口座、クレジットカード、パスポート、免許証、健康保険証、病院の診察券などを、旧姓から婚姻後の姓に変更しなければならない

子どもの父母会などでは結婚後の姓を使うが、仕事で関係のある人からは通称としての旧姓で呼ばれることもあり、周囲が混乱する。

(夫婦別姓が認められていないため、事実婚せざるを得なかった場合は)税法上の扶養家族になれず、配偶者控除,相続税非課税枠などの配偶者としての税法上の優遇制度の適用がない。いずれかが入院した場合、病院で配偶者として認めてもらえない可能性がある。

「ファミリーネームとしての氏」にこだわり

作花弁護士は判決後に開かれた会見で、次のように述べた。


「国側は、法律上の氏は一つで分けることはできない。結婚後に旧姓を用いるのは二つの氏を認めるようなものだから、それはできないと主張してきました」

「でも外国人と結婚した日本人は、戸籍上の氏だけ変えることができるので、そっちは二つの氏になっているので、あれ?というところ。国側は主張するばかりで、その根拠になる証拠を出していません」

また、現代社会において「氏(名字)」がもつ役割は、伝統的な「家族の象徴」というものに止まらなくなっていると指摘した。

「女性の社会進出が進むにつれ、旧姓が使えないことの不利益が指摘されるようになってきました」

「氏は家族を象徴する、家族のシンボルなんだという伝統的な考えから、個人の社会的な評価や、例えば記者だったら『この記事はこの人が書いたんだ』と識別するための社会的・経済的な名称としての機能に分かれてきていると思います」

「ファミリーネームとしての家族的な意味での氏と、社会的・経済的な氏で意味合いが分かれてきているにも関わらず、今回の判決はファミリーネームとしての氏にこだわりを持っていると言えると思います」

「見事にスルーされた」

青野社長は判決後、「私たちの主張は見事にスルーされたので控訴します」とツイート。

会見では、訴訟を通じて「夫婦別姓」をめぐる議論が高まったことを評価し、法整備に向けてさらに活動を続けたいと話した。

「これまで(夫婦別姓について)何十年と議論されてきた中で、(提訴からの)この一年が最も議論が活発になったのではと思うし、国民の間では十分結論が出ている問題だと思います」

「同姓にしたい人はすればいいし、別姓の方が都合がいい人がいるのであれば選択肢を用意しようという議論なんです。その考えが広まった手応えはあります」

「僕はみんな幸せに暮らせればそれでいいと思っています。制度上の問題で幸せに暮らせない人がいるのであれば、それは直せばいい。制度は人間が作るものだから、制度を直しましょうという、それだけなんです」

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cat_oa-buzzfeed_issue_1a20c693c8a0 oa-buzzfeed_0_a87689e088d6_「在日一掃」「卑怯な民族」Twitterで匿名ヘイト、年金事務所長が更迭。処分も検討 a87689e088d6

「在日一掃」「卑怯な民族」Twitterで匿名ヘイト、年金事務所長が更迭。処分も検討

2019年3月25日 12:59 バズフィード

ヘイトスピーチや差別的発言をTwitter上で匿名で繰り返していたとして、世田谷年金事務所の男性所長が3月25日、更迭された。日本年金機構は今後処分を検討する。

男性所長のアカウントでは、韓国人に対し「卑怯な民族」などという差別的な書き込みをしたり、「在日を一旦一層」「新規入国拒否」などとして在日韓国・朝鮮人の排除を促すヘイトスピーチを匿名で繰り返していた。


さらに、特定個人を反日と名指しし「本名」とするものに言及したり、立憲民主党に対して「売国奴、国賊、帰化人、多国籍人、犯罪者集団」などと書き込んだりもしていた。

その素性が明らかになったのち、一連の発言は削除。「個人的な発言により、傷ついた皆様に深くお詫びいたします」「ヘイト発言について深くお詫びするとともに、今後二度と行わないことをお約束申し上げます」などと謝罪している。

今後は処分を検討

日本年金機構によると、3月24日、本人から「ツイッターで不適切な発言をした」と事実関係の報告を受け、現在聞き取り調査を行なっているという。


調査では「彼が何をやったのか、本当になりすましではないのかなどを確認している」という。同機構にはSNSや差別に関するガイドラインがないため、制裁規程に沿った処分も検討するという。

同機構の広報担当者は「差別的発言はあってはならないものであり、誠に遺憾である」とコメントしている。

外部リンク

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人工透析を中止し患者が死亡 提案する医師とその選択を支持する声に反論する

2019年3月25日 11:01 バズフィード

公立病院の医師が、腎臓病の女性患者に対して人工透析を止める選択を示し、中止を選んだ女性が死亡した、というニュースを最初に報じたのは、毎日新聞でした。

医師が「死」の選択肢提示 透析中止、患者死亡 東京の公立病院

人工透析を止める提案をして、止めることを選んだ女性が死亡した公立福生病院
その後、この病院では他にも人工透析を始めなかったことや、中止したことがかなりの数あったこと(透析しない提案、20人死亡 13年~17年、終末期以外の患者 東京の公立病院)、死ぬ当日、夫に「とう(父)たすかかか」と助けを求めるようなメールがあったこと(透析中止の女性、死の前日に「撤回したいな」 SOSか、夫にスマホでメールも)も報じられました。


一連の報道をまとめたページを作りましたので、関心のある方はご参照ください。

まず、担当医だけでなく、病院の管理者もこれで問題はないと言っています。そして識者の反応もメディアの一部も、毎日新聞がに批判的であるのとは違うスタンスをとろうとしているように見えます。

つまり、透析の中止や透析をしない選択肢は認めたうえで、患者とのやりとりを丁寧に行うべきであり、決定を変えることは認められるべきであると主張しています。条件付きで、医療側が「情報提供」をし、治療を停止あるいは始めないことは妥当であると言っているわけです。

患者の生死について強い信念をもつ医師が、単独で実行することはこれまでもありました。表に出た「事件」のいくつかは、病院内でのもめごとが関係した「内部告発」に発していたと聞いたことがあります。組織の中の亀裂がなかったらば、表に出なかったことでしょう。

今回は違います。病院も肯定していますし、世論も一部肯定しているかのように見えます。どう考えたらいいのでしょうか?

あきらめきってないあきらめも、現実に直面して焦るのも不思議ではない

今回、本人側と医療の側の理解のずれ、本人の気持ちの揺れの中でことが進みました。本人が透析をやめるという意思表示をしたことがあるのは確かなようです。

ただ、実際にやめたら苦しく、本人は再開したいと言ったものの、止めたまま亡くなってしまった。

そういう人はけっこういるのでしょう。腎臓病が悪化して身体に苦痛があると、人工透析を受けることがあります。しかし、それを続けることで状態が特に良くなるわけではありません。

人工透析を受ける人
週に何度も通い、長時間、透析を受けるのは面倒だし、だんだんと効果も少なくなります。針を何度も刺し、刺せる場所がなくなることもあります。他の生活上の困難が加わればなおさら悲観的になるでしょうし、あきらめに近い気持ちになることもあるでしょう。


ただ、自発呼吸が止まって人工呼吸器をつけている人が呼吸器をはずしたらすぐに死んでしまうように、透析を止めても確実にすぐ死ぬわけではありません。けっこうもつかもしれないと、本人は思っているかもしれません。

今回、医師は、「止めたら状態が悪化することを伝えた」と言っているようです。ただ、長男によれば、患者は「(透析治療が)できないって言われたから、とりあえずやめる」「もしかしたら死ぬかもしれない」と言ったと報じられています。

未来のことは誰にもわかりません。例えば「5年生存率」といった確率・統計を示されたところで、やはりわかりません。確率が小さくとも、良い側に入る可能性を人は願います。「死に直結する」とはっきり言われても決まったわけではないと考えます。だから人は日々を生きていけるところがあります。

そして、人の状態は変化します。いざという時になってようやくリアルに怖くなったり、さらに大きな苦しみを実際に体験したりすることもあるでしょう。

変更を認めればよい、というわけでもない

各学会から出されているガイドラインは、決定や指示の変更は随時、認められるべきであり、それがこの問題への処方箋だとしています。

しかし、それでうまくいくのでしょうか?

実際、その処置を止められると、症状はひどくなり苦しくなる。それで、止めるのをやめてほしいと希望したとします。

しかし、その場に人がいないこともあるでしょう。また、言葉を発せられない状態になることもあります。この場合、変更したいと思ってもなされません。

意思の変更を「正常な発言」と判断するのは誰?
また、言葉は聞き取れても、「正常な発言」として認められないことがあります。今回、患者は何とか思いを発したようですが、医師は、意識が「清明」である時の意思の方を採用し続けたようです。


透析を止めるという判断の方が「冷静」な時の判断であったと言うのでしょうし、実際「せん妄」と呼ばれるような意識障害は起こり得ます。混乱した時の言葉をそのまま受けとってはならないと主張されると、私はその判断をすべきでなかったと思いますが、今回のような判断につながることもあるわけです。

さらに、そういう「混乱」した状態になったらやっかいなので、その前に強い鎮静剤をうつこともあります。他の病気や障害で、強い鎮静剤、麻薬をうって数日で亡くなるのもよく聞く話です。

鎮静や緩和を私はまったく否定しません。けれど、いったん決めたら、それに反する気持が起こらないように「緩和医療」を施すのもよいこととは思えません。

事前指示にどれほどの意味があるのか

変更できるのなら、事前に決めておくことがどれだけの意味を持つのでしょうか。いざという時に言えなくなったら困るから、あらかじめ決めておいてもらうのだと、事前指示の大切さが主張されます。

もっともなのですが、結局、「まとも」な時に決めてもらって、それをそのまま最期まで貫いてもらおうという考えです。しかし、将来の自分は、単に時間的に離れているだけではなく、単純にわからないものです。想像したり、自分の親の介護の体験を思い出したりして、判断することになります。

将来のことを決めるというのはそういうことです。しかし、決めてしまって、変えられると言われながらも、変更ができないとされてしまう状態になることがあります。そして、その事前の決定が生き死につながってしまうのです。

ことのやっかいさが一番はっきり現われるのが、認知症の場合です。

病状がすっかり進んで、過去の自分や、その時の自分に関係のある様々なことや人からほぼすっかり離れてしまった時、現在の自分のことを過去の自分は決めてよいのでしょうか。

決めてよいのだという理由をきちんと言えた人を私は知りません。しかし、これが「事前指示」と呼ばれる手続きに、必然的につきまとう問題です。

丁寧に、皆で考えることはいつも正しいのか

もう一つ言われるのが、より丁寧に皆でことに当たればよいという主張です。

今回の件も、もっと丁寧に説明したり話し合ったりしたらよかった、また、皆で話し合ったら良かったというわけです。

みんなで話し合えば問題はなくなるのか?
多くの場合、丁寧であることはよいことです。しかし、そうしていったん決めてしまえば、あとは速い。その後の変化に丁寧に対応することは必要ないかのように振る舞われます。


そして、自己決定が大切だと言われる一方、「みんなで」が大切とも言われます。今回は倫理委員会を通さなかったことが問題にされています。私は病院の倫理委員を務めたこともありますが、倫理委員会さえ通せばよいとも思いません。複数の職種による合議があればよいとも思いません。

一人の独走に歯止めをかける一定の効果はあるでしょう。しかし、本人不在でことが決められることもありますし、本人は多勢に無勢ということにもなりえます。

そしてそこには、職業柄、人が死んでいくことに慣れ、死なせることにあまりうろたえない人がたくさん参加しています。一方で重度の病人は参加していませんし、障害をもっている人もいません。

基本、救命・延命の方向で進める、でよいはず

ならばどうするか。

基本的に、治療が与える負の影響も勘案し、工夫し手を打ちながら、救命・延命のための手立てを示し、それを行なえばよいはずです。

それは本人に選んでもらうことと対立はしません。それはそれとして大切にしながら、基本的な方針として命を守るということです。

何もしないという選択肢を医療者がわざわざ提示するのは、なぜなのでしょうか。患者からすれば、それが医療者の「おすすめ」であると理解されることがあると思います。

医療の場に限らず、人は、たくさんある可能性を全て検討はしません。現実的な、効果的な選択肢を選んで示します。医療者が、わざわざ選択肢を示すのは、それがよい方法であると受けとられることを期待している可能性があります。

基本、延命・救命の方向に振る舞うことでどれほどの不都合が起こるでしょうか。

こういうことを言えば、「行なわない権利」を奪うのかと必ず批判されます。

しかし、動きたくても動けないわけではない場合には、自分で治療を拒否することもできます。自殺できないほど身体が動かないということはあまりありません。

そして、たいがいの人は自殺するほど意志堅固ではありませんが、病院や医者にかからないことはできます。透析を行なわないことも、わざわざ医師に言われなくても、できることは誰でも知っていますし、できてしまいます。

望めばたいがい願いはかなうのです。実際、健康や生命の延長に積極的でない人に対し、その良し悪しは別として選択肢はかなり認められています。

もうしばらく生きていたいという人、辛くもあるが生きてもいたいという人について、命を守る方向で医療を提供する。結果、気持ちの浮き沈みはあるが生きたいと思うこともある人のなかに生きられる人が出てきます。

他方、それが嫌だという人に、さほど不都合なことは起こりません。

以上は、選択のよしあしを迷いながら生きている人についてのことです。他方、意識がない状態が続いている場合にはどうなのかといったことは問われるでしょう。そうです。そうやって一つずつ分けて考えていくことが必要なのです。

すると本当に意識がないのであれば、すくなくともそうして生きていることは本人にとってマイナスと感じられないことは確かです。ならば、本人にマイナスであるから停止するのがよいとはなりえません。

そして、これとは別に、本人が何も感じていないとどのようにしてわかるのか、またわかりうるのかという問題も当然にあります。そんな具合に考えていくと、どれだけ停止がよいのかということになるのです。

やはり人の命に、経済は影響している

これまで、「少子高齢化で「人や金が足りない」という不安は本物か? 社会的弱者に不寛容な言葉が広がる日本」と「少子高齢化のせいで「もの」は足りなくなるのか? 一人あたりで考えてみる」という記事を書きました。

一般に、個々の医師はともかく、病院の収入になるなら効果は気にせず医療をたくさん行なう傾向はあります。一時期、人工透析が医療機関にかなりの収入をもたらしたこともあります。

一方で、税や保険からの支出が減らされると、差し控えがなされることがあります。行政が供給を拡大したいときには高めに診療報酬を設定し、その後引き下げていくという手を使うこともあります。

今回の件については、医師個人はお金のことを気にしてはいないでしょうし、医療費の負担が本人の止める意思表示に影響したとは思えません。

ただ、人工透析に限らず、医療現場で多くの人たちが死ぬ選択肢を「選んで」いるのは、負担を気にしてのことです。医療費というよりは、人手がいないこと、家族に対する負担の引け目が、明らかに死への動因になっています。

腎臓病の人の多くはそうたくさんの介護が必要というわけではないでしょうが、透析には金がかかります。

人工透析が日本で始まったのは1960年代です。当初はとても高く、財産がなくなって死ぬ人もいれば、そもそも使えず死んでいく人がたくさん出ました。

それでそれで公費負担を求める運動が始まり、マスメディアが応援しました。それで公費負担が始まり続いています。有吉玲子さんの『腎臓病と人工透析の現代史――「選択」を強いられる患者たち』(生活書院)に詳しいです。

人工透析は「無駄」なのか?

2016年、元アナウンサーの長谷川豊氏が、「自己責任」の腎臓病患者は人工透析を受けずに死ぬべきだといった発言を何度もしました。

これについては「長谷川豊アナ『殺せ』』ブログと相模原事件、社会は暴論にどう対処すべきか?」という題のインタビューで話しました。驚いたのは、翌年、政党推薦で国会議員の選挙に立候補したことです。彼の主張は粗雑な自己責任論で「無駄な」金を減らそうという話でもあります。


「無駄な命はない」というような「正論」を言うとともに、そんなに節約しないと生きられないのかと考えていくことが必要だと思っています。

そして、自己決定は大切な一方、死の決定については慎重であるべきだとし、せめて心配なく生きられるような社会にしてから、「どちらも選べる」ようにするべきだと主張してきた人たちの言い分は、依然として正しいと思うのです。

公費負担が始まった1970年代、人工透析を使う人はそう多くはありませんでした。

その後、利用者は増えました。2016年の『週刊現代』の記事によれば、透析には月40万円ほどかかり、32万人に使われているので、約1兆6000億円。合併症への対応を含めると約2兆円、日本の医療費約40兆円の5%になるのだそうです。

それでも、国民一人平均2万円の負担で32万の人がさしあたり死なずにすんでいるのであればなんでもないと私は思いますが、「金がかかる」ということをもう少し考えてみようとは思います。

そして先日から、BuzzFeedで書いてきたのは、まずは「現物」で考えようということでした。まずものは不足していません。透析に使う液は、ナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウム、重炭酸、ブドウ糖などだそうです。普通に存在するものです。人間の身体も自然の一部ですから、まあそれもそうでしょう。

他方で透析の機械は、きっとなかなかに複雑なものなのでしょう。しかし作れていますし、足りなければ増やすこともできます。人工透析を行うために働いている人がどれだけいるかは知りませんが、その人たちが人工透析の仕事をしているために労働力不足を招いている、ということはないはずです。

「尊厳死」より広い範囲がいつのまにか許容されている

そして、多くの人が気付かないまま、「尊厳死」の範囲がいつのまにか広げられています。通常、安楽死・尊厳死は、「末期」の「苦痛に満ちた状態で、それを除去・軽減するすべがない」場合に、死なせることを認めるものです。

今回の件では、苦痛は確かにあったのでしょうが、透析をやめたことによる苦痛の方がずっと大きかったようです。そして報道をみる限り、末期ではありません。

もっとも、治らない状態にある人に対する治療は延命治療だとも主張する人もいます。

極端に言えば、あらゆる生命は生まれた時から死ぬようにできていますから、既に末期であるということにもなります。病気が治らない人も山ほどいます。

行政用語で障害者とは障害が固定された人のことですから、障害者はみなそうだということになります。人手や医療機器がないと死ぬ人も山ほどいます。捉えようによってはすべての人がそうです。

安楽死には反対だが尊厳死ならよいと言う人たちがいます。日本尊厳死協会もそうです。

延命治療をどうするかは、本人の苦痛の軽減という観点も含めて議論が続いている
末期と苦痛の二つを条件とした上で、薬を飲ませたり注射をうったりする「安楽死」ではなく、延命治療を止める、あるいはしない「尊厳死」なら認めようというのがその主張です。


それに対して、「やめたら」確実に死ぬ行ないと、「したら」確実に死ぬ行ないを区別する意味がどれほどあるのかと私は言ってきました。

今回のことは「やめる」という意味では、日本で言う「尊厳死」の側のものではあります。しかし、末期でもなく、透析を続ければですが、極度の苦痛がもたらされるわけでもない状態の人の死を認めようというものです。

明らかに、そして気づかれないまま、許容される死の範囲が広げられているのです。日本尊厳協会の副会長を務めている長尾和宏氏は、今回の件は基本的に問題はないとブログに書いています。

条件を狭くするから認めてくれと言っていた側が、条件を広げたものにも問題はないと言っているのです。私はうんざりしつつも、こうしたことが起きるたびに、指摘し続けざるを得ないと思っています。

【立岩真也(たていわ・しんや)】立命館大学大学院先端総合学術研究科教授

1960年、佐渡島生。専攻は社会学。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。千葉大学、信州大学医療技術短期大学部を経て現在立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。

単著として『私的所有論』(勁草書房、1997、第2版生活書院、2013)『弱くある自由へ――自己決定・介護・生死の技術』(青土社、2000)『自由の平等――簡単で別な姿の世界』(岩波書店、2004)『ALS――不動の身体と息する機械』(医学書院、2004)『希望について』(青土社、2006)『良い死』(筑摩書房、2008)『唯の生』(筑摩書房、2009)『人間の条件――そんなものない』(イースト・プレス、2010)『造反有理――精神医療現代史へ』(青土社、2013)『自閉症連続体の時代』(みすず書房、2014)『精神病院体制の終わり――認知症の時代に』(青土社、2015)『不如意の身体――病障害とある社会』(青土社、2018)『病者障害者の戦後――生政治史点描』(青土社、2018)

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「マジかよ…」こんなん起きたら自然とため息でるわ。

2019年3月24日 20:01 バズフィード

大好きだったマグカップは、もうない。

このピザを楽しみにしていた家族がいただろうに。

数日分の努力が。

買ったばかりのテレビが…

ほぼ食べられない。

運命のイタズラ。

ちょw こんなことある!?

この世はやっぱり諸行無常。

富士山を楽しみにしてたのに…。

みんなの心待ちにしていた楽しい時間が…

このかわいいアヒル、溶けるとこんな感じ。

事件現場はこちらです。

データだけは無事でいて。

とりあえずヤバいってことだけは理解できる。

この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:千葉雄登

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