すみだ水族館が作成した電車のポスターが「複雑だけど面白い」とじわじわ話題になりました。
2019年10月14日から11月12日の間にJR中央線総武線各駅停車や都営浅草線含む、計7つの路線の電車内窓上と秋葉原に掲示されていた「すみだペンギン相関図2020」というポスター。
こちら単なる相関図ではなく、人間関係の如く複雑なペンギンの関係性を見ることができるのです。
BuzzFeed Newsはすみだ水族館に取材しました。
それがこちら。「3分くらいでなんとなくわかって1時間くらい見ていられる」のも納得する矢印とペンギンの多さです。
どうしてこのポスターを作ったのか聞くと、このような回答を得ることができました。
「同じように見えるペンギンたちにも1羽1羽個性があり、人間と同じような社会性もあることを知っていただくことで、ペンギンたちをより身近に感じていただけるのではないかと思い、ペンギンたちの関係性を伝えていく仕組みとして相関図を制作しました」
これは、毎日ペンギンの様子を観察している飼育スタッフの視点を1枚の画像で表したものなのだとか。
実は、昨年にも作成されていた相関図。
ペンギンの関係性は日々変わっていくため、繰り越すのではなく、今年のものに内容を改めたのだと語ります。
よく見ると図の左下には「大幅に変更している可能性があります」という表記を見つけることができます。
「『ペンギンにも関係性があるんだ!』と、初めて見た方にも直感的におわかりいただけるよう、特に複雑であったり、わかりやすく感じていただける関係性をあえてピックアップしています」
じっくり見ると、意外な生態を発見することができ……。
図上中央に注目すると、BL(ボーイズラブ)の表記が。異性愛だけでなく、同性愛の関係性もあるようなのです。
この表現について、すみだ水族館の担当者は「いきものの多様性をわかりやすく伝える表現として使用しました」と答えます。
「すみだ水族館で飼育しているペンギンの中に、カップルで見られる行動に『毎晩同じ場所で一緒に寝る』『お互いに羽づくろいをし合う』『くちばしをつつき合う』などの求愛行動があります。この相関図は同性のペアが行っていたことをもとにしています」
そもそも自然界で、同性同士一緒に生活するペンギンは一般的に見られているとも担当者は話します。
「特に若い個体は異性へのアプローチに慣れておらず、うまくペアになれない時期に、練習も兼ねて一緒にいることが多いのではという説もあります。年齢を重ねると自然と繁殖できるペアで落ち着いていくことが多いようです」
掲載期間は過ぎてしまいましたが、ペンギンの様子が図の通りなのか見に行きたくなります。
担当者はすみだペンギン相関図2020についてこのように話します。
「まずは相関図から興味を持っていただき、ペンギンたちをより深堀りして知っていただきたいです。そして新たなペンギンたちの魅力を知って、もっと好きになってもらえれば嬉しく思います」
すみだペンギン相関図2020の公式ホームページはこちら。