cat_oa-businessinsider_issue_d78583987b89 oa-businessinsider_0_d78583987b89_中国の都市への警告か、放置されたシェア自転車の山々 d78583987b89

中国の都市への警告か、放置されたシェア自転車の山々

2018年4月19日 05:45 Getty Images

修理場に積み重ねられた、壊れたofoのシェア自転車。北京、2017年3月29日。
Getty Images

ここ数年、中国ではシェア自転車のスタートアップがいくつも生まれた。スタートアップは「自転車版ウーバー」と呼ばれ、ユーザーはGPSを搭載した自転車のロックをスマートフォンで解錠し、乗り終わったら好きな場所に乗り捨てることができる。

だがスタートアップの数は多すぎ、需要は不足した。英ガーディアンは、2017年11月に第3位の規模のBluegogoが破綻した直後に、中国の都市でシェア自転車が山積みに放置されている様子を伝えた。無数の自転車の山の中には、大手のモバイク、ofo、そして破綻したBleugogoの自転車もあった。

その様子はまるで自転車の墓場。シェア自転車に多額の投資をしようとする中国の都市への警告のようだ。

ここ数年、中国の都市ではシェア自転車が急拡大した。

都市近郊に集められた各社のシェア自転車。浙江省杭州市、2017年9月7日。
Reuters


料金は30分あたり数円、他の国々の同様のサービスに比べると非常に安価。例えば、ニューヨークでは30分あたり3ドル(約320円)。

空き地に集められた自転車のロープをほどく作業員。福建省廈門市、2017年12月13日。
Reuters


いつでも利用できるよう、各社は都市に何千台もの自転車を配置した。

シェア自転車の山の前をシェア自転車に乗って通り過ぎる男性。福建省廈門市、2017年12月13日。
Reuters


だが、主に需要不足により、複数のスタートアップが破綻した。

放置された各社のシェア自転車。上海、2017年11月21日。
Reuters

Bluegogoは破綻後に声明を発表、同社CEOは拡大を急ぎすぎたことを謝罪し、「傲慢だった」と認めた。


放置された自転車が山積みに。中国のシェア自転車ブームと破綻の犠牲者たち。

空き地に山積みにされたシェア自転車。湖北省武漢市、2018年4月7日。
Reuters


業界の失速は、中国のシェア自転車の未来に疑問を投げかけた。

ラッシュアワーにシェア自転車で通勤する人々。北京、2017年3月27日。
Getty Images


最近まで、自転車は中国の一般的な移動手段だった。

文化大革命の頃の広東省、建物の壁一面に壁新聞が貼られている。1966年頃。
Getty Images


1990年代中頃には、中国の自転車保有者は5億2300万人に達した。特に北京では人気が高く、保有率は100人あたり72台となった。

交通渋滞がひどい上海では、自転車は効率的な移動手段だった。1993年10月。
Getty Images

出典:CityLab


だが21世紀を迎えると車がステータスシンボルとなり、反自転車政策が始まった。広州市では自転車レーンが車用に変更され、大連市は「自転車ゼロ都市」を宣言した。

空き地に山積みにされたofoのシェア自転車。福建省廈門市、2017年12月13日。
Reuters


自転車は急激に減った。個人使用の車が増え、二酸化炭素の排出量も増えた。

放置された各社のシェア自転車。2017年11月21日。
Reuters


自転車人気を取り戻そうと、ここ数年で約30社のシェア自転車スタートアップが生まれた。成功の程度には差がある。

ラッシュアワーに新しいシェア自転車をトラックから降ろすofoの作業員。北京、2017年3月28日。
Getty Images


シェア自転車はどこでも乗り捨てできるため、ユーザーは時に住宅地、公園、店舗など便利な場所に乗り捨てる。ショッピングモールの前には乗り捨てられた自転車が約3メートルの山になっている。

ショッピングモールの前の自転車の山。
Getty Images


2017年3月、中国政府はシェア自転車200台に1人のメンテナンス要員を雇うよう義務づけた。つまり、業界全体で1万5000人を新たに雇わなければならない。収益の圧迫につながる。

各社のシェア自転車。上海、2017年11月21日。
Reuters


自転車の山は、急速に成長し、衰退した業界の思い出……。

修理のために路上に並べられた自転車を動かすofoの作業員。北京。2017年3月29日。
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[原文:These photos of dockless bike graveyards should serve as omens for Chinese cities]

(翻訳:山口玲子、編集:増田隆幸)

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cat_oa-businessinsider_issue_d78583987b89 oa-businessinsider_0_82c7f2659e9f_アマゾンとの違いは明らか! 米小売り大手ウォルマートの新本社への移転計画 82c7f2659e9f

アマゾンとの違いは明らか! 米小売り大手ウォルマートの新本社への移転計画

2019年5月21日 11:15 Walmart/Youtube

アマゾンの第2本社とは全く違う。
Walmart/Youtube

・米小売り大手のウォルマート(Walmart)は今後、数年以内にアーカンソー州北西部に本社を移す計画だ。
・ウォルマートのこの動きは、アマゾン(Amazon)が「HQ2」と呼ばれた第2本社をどこに置くか、大きな話題になったことを思い出させる。
・ウォルマートの計画からは、アマゾンとの違いがよく分かる。
ウォルマートは、新本社への移転計画を進めている —— だが、それはアマゾンの"第2本社の建設地探し"とは全く違う。

ウォルマートの新たな本社は、アーカンソー州北西部の300エーカー(約1.2平方キロメートル)の土地に建設される予定だ。完成は2024年頃の予定で、アーカンソー州で働いている本社従業員のほぼ全員がこの新キャンパスで働くことになる。

だが、ウォルマートの新本社はより広く、アップグレードされることは間違いないものの、オンライン小売りのライバルに比べると、はるかに控えめなアプローチをとっている。事実、今回の計画はウォルマートとアマゾンの違いを際立たせるものだ。

アマゾンの第2本社の建設地探しは、2017年9月に計画が発表されてから2018年に決まるまで、リアリティー番組のように大きな話題となった。各地の政治家たちがメディアを通じて、税制面での優遇措置やその土地ならではの特典をアピールし、アマゾンの気を引こうとした。

しかし、第2本社をバージニア州北部とニューヨーク市の2つに分けて設置するとのアマゾンの決定は、これらの建設地がすでに裕福な土地であったことから、がっかりする人々もいた。雇用を必要としている土地を選ぶことで、アマゾンがその評判を高めることができると指摘する声が多くあったからだ。

そして、ニューヨーク市での第2本社を建設する計画は大きな政治問題となり、最終的にはアマゾンが計画を撤回した。

ウォルマートは、いろいろな場所に目を向けるよりも、自身のルーツにこだわり、誕生の地であるアーカンソー州に残っている。この動きは、自らの成長を知らせるよりも、無秩序に広がりつつある組織をまとめようとするものだ。

アマゾンの「HQ2」をめぐる挑戦は、既成概念の枠を超えて、大きな注目を集め、金融界や政界で自らの力強い創造的破壊者としての地位を固めた。一方で、ウォルマートは比較的静かな、議論を引き起こさない手段を取った。これはアマゾンとウォルマートがいかに企業として異なるかを示すものだ。

[原文:Walmart's move to a new headquarters highlights just how different it is from Amazon (AMZN, WMT)]

(翻訳、編集:山口佳美)

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cat_oa-businessinsider_issue_d78583987b89 oa-businessinsider_0_99e2b469c19f_普及率たった5%。知られざるエコガラスの実力をインフォグラフィックで学ぶ 99e2b469c19f

普及率たった5%。知られざるエコガラスの実力をインフォグラフィックで学ぶ

省エネにとどまらず、最近ではSDGs(持続可能な開発目標)という点からも注目が集まるエコガラス。自宅、オフィス、商業施設の窓。私たちが普段何気なく目にしているガラスは、「エコガラス」へと進化しているのをご存じだろうか。エコガラスとは何か、その実力と歴史、そしてこの先の可能性について、日本のエコガラス開発を進めてきたAGCに聞いた。

エコガラスで得られる5つの効果


























*出典:板硝子協会資料(効果1〜4)、国土交通省資料(効果5)



%sエコガラスの主な効果、メリットは5つ。

まず、「経済効果」がある。エコガラスによって冷暖房費が削減できるため、東京都の戸建住宅の場合、光熱費の削減効果は見込みで年間約5万円。

その次に、「遮熱効果と断熱効果による快適さ」。エコガラスは、1枚ガラスの窓に比べ、日差しの暑さを約1/2に抑える(1つ目の効果:遮熱)。また冬は暖房で温まった室内の熱が室外に逃げてしまう割合を、1枚ガラスに比べ約1/3に抑えることができる(2つ目の効果:断熱)。

「太陽光による暑さを抑えるのが『遮熱』、室内からの熱の伝達を抑えて、室内の暖かさをキープするのが『断熱』です。ただし、完全に太陽光を遮熱してしまうと、冬の窓辺のポカポカした暖かさを感じられなくなってしまいます。また、求める性能も地域によって違うため、気候に合わせた製品ラインナップがあります。断熱型、遮熱型のそれぞれで使用する金属膜の種類や層の数が異なります」とAGCで住宅用ガラスの開発部門のチームリーダーを務める遠藤裕司氏は話す。

4つ目のメリットは「結露防止」。結露はガラスの表面と、室内の空気の温度差が大きいときに生じるが、エコガラスを入れることで室内と室外を「断熱」し、窓の表面の冷たさが緩和されるため、結露しづらくなる。

5つ目は「CO2削減」。エコガラスは環境面でのメリットも大きい。日本に今ある戸建て住宅約5000万戸のうち、エコガラスが導入されているのはわずか5%*しかないが、これがエコガラス住宅に置き換わると、大きな省エネ効果が見込めるという。

*国交省資料より。ここでの「エコガラス住宅」とは、1999年基準および2013年基準を満たした住宅のことを指す。

エコガラスはこう進化してきた






エコガラスの原点は、熱線反射複層ガラス。これはガラスに熱線反射効果(日射による眩しさや室温上昇を抑える効果)のある金属イオンをコーティングした複層ガラス(2枚のガラスの間に空気層を含んだ構造のガラス)だった。その後、1987年に旭硝子(現・AGC)が断熱性能の高い特殊金属膜をコーティングしたLow-E(低放射)複層ガラスを発売。これがエコガラスのスタートだ。

「エコガラスが一般住宅で普及し始めたのは1990年代。それまでは、家の窓に省エネが必要という概念がありませんでした。普及が進んだのは直近10〜15年で、現在は新築戸建て住宅の8割でエコガラスが使われています」(前出の遠藤氏)

一方でエコガラスが大型ビルで使われ始めたのは21世紀に入ってから。それまでのガラス性能では、夏は暑くて冬は寒いので、ビルの温度調整はエネルギーのかかる空調設備に頼っていた。そのため、大型ビルはガラス窓の面積が現在と比べると限られていた。

しかし、エコガラスのような省エネ性能の高いガラスができたことにより、全面ガラス張りのような、省エネとデザインを両立したビルを建てられるようになったのだ。東京・八重洲にあるパシフィックセンチュリープレイス丸の内が、エコガラスを使った最初の大型ビルと言われている。

アジアでの普及に挑戦していきたい

AGC株式会社 ビルディング・産業ガラスカンパニー アジア事業本部 技術・製造統括部 商品開発部門 チームリーダーの遠藤裕司さん。

エコガラスが登場する以前は、暑い夏場は日差しの影響で室温が上昇しやすく、一方で寒い冬場は窓辺を避けて過ごすこともしばしば。エコガラスの登場によって、冷暖房をつける頻度が減ったり、結露した窓を拭く手間や時間も削減できるというメリットも生まれた。また、エコガラス住宅なら家の中の温度差が抑えられ、急激な温度差により血圧が大きく変動することで引き起こされるヒートショック現象の抑制も期待できるだろう。

AGC本社には省エネ性能に優れたエコガラスである「サンバランス」が展示されている。温度の違いを体感できるようになっている。

新築戸建て住宅では8割で、エコガラスが使われるようになった。現在は既築住宅でのエコガラスへの取り替えに力を入れているが、課題もある。エコガラスに限らず、窓ガラスの存在は普段あまり意識しない人がほとんど。住宅をリフォームする際も、ガラスは後回しにされることが多い。さらに「ガラスは取り替えにくい」というイメージがあるため、AGCでは簡単に取り替えられる商品を販売している。

さらに、AGCは今後日本だけでなく、アジアなど日本より普及が遅れている国にもエコガラスを展開していく。

「国によって気候も異なりますし、国民の嗜好性も違います。さらに省エネ規制も異なるので、それに合わせた商品開発が急務です。AGCはこれまで日本全国の様々な地域の気候に適したエコガラスを提案してきました。この技術を応用し、現在はより幅広い気候を持つアジア地域でエコガラスを浸透させていきたいと思っています。我々はインドネシアとタイに自社工場を持っているので、これらの地域をベースにアジアのマーケットをさらに開拓していきたいと考えています」(遠藤氏)

今後もさらなる技術革新を進めるとともに、その機能や効果を日本国内にとどまらず広めていきたい ──。お客様のニーズを汲み取り、ニーズに合った商品開発と普及のために日本、アジア各国を駆け回っているという遠藤氏。AGCの挑戦は続く。



■AGCについて詳しくはこちらから
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cat_oa-businessinsider_issue_d78583987b89 oa-businessinsider_0_a0b894faf1bb_上海で流行する日本流「コーヒー店」ブームの謎 ——ドトールや独立系喫茶店も上陸 a0b894faf1bb

上海で流行する日本流「コーヒー店」ブームの謎 ——ドトールや独立系喫茶店も上陸

ドトールコーヒーが上海で2018年8月にオープンした中国第1号店。

人口2400万人を抱える中国の経済都市・上海で日系コーヒー店(カフェ)が出店する動きがにわかに目立っている。

数年前から上海進出をしているPRONTO(プロント)やコメダ珈琲店に加えて、2018年8月にはドトールコーヒーが、中国1号店を上海の中心部でオープンさせた。また、東京で3店舗を運営する独立系のスペシャルティコーヒー店「堀口珈琲」は、さらに早い2017年12月から、上海の観光地・外灘で店舗を開いている。

なぜ、日本のカフェが次々と上海上陸をしているのか? 現地を訪れた。

コーヒー需要が旺盛な中国

中国のコーヒー需要の増加は、急拡大しているコーヒーチェーン「luckin coffee」をみても感じる。1年あまりで2000店舗を突破した同チェーンも、上海に店を持っている。
撮影:浦上早苗

中国はコーヒー需要の高まりで、この10年でカフェが激増した。中商産業研究院の調べでは、2007年には1万5906店だったが、2016年には8万6000店。そして、2018年には14万902店になったと推定している。一方、日本の喫茶店の店舗数の変遷は、全日本コーヒー協会の統計資料によると、2016年は6万7198店。しかし、ピークの1981年の15万4630店に比べると半分以下になっている。

中国では2018年の一人あたりコーヒーの年間平均消費量は6.2杯とアメリカのわずか1.6%だが、コーヒー市場規模は既に569億元(約9511億円)とされ、2023年には一人平均10.8杯、市場規模は1806億元(約2兆8820億円)にまで拡大するとの予測もある。

成長余地のある巨大市場だけに、スターバックスは、中国でも積極的に投資している。

コーヒー市場が急拡大する中国

世界最大級の面積を誇る「スターバックス・リザーブ・ロースタリー上海」。週末だけあって行列ができていた。ドトールコーヒーの上海第1号店から数百メートルの位置にある。

スターバックス ・リザーブ・ロースタリー上海の店内。
Starbucks

こういった背景で、上海はいま、中国最大のカフェ激戦区になっている。

ドトールの中国1号店は南京西路駅から地上に出た周辺の「四季坊」と呼ばれる飲食店街の端に位置する。この一帯は平日の夕方以降や土日は人で溢れかえるエリアだ。

4月中旬のある土曜日、夕方にドトールの中国1号店を訪れた。2階建てで、日本の店舗と基本的には変わらない。2階にはテラス席が設けられていた。

ドトールコーヒーの上海第1号店にある2階のテラス。

ブレンドコーヒーを注文すると、価格は1杯18元(約287円)。日本の店舗とほぼ変わらない価格設定だ。ちなみに、上海のスターバックスではアメリカンコーヒーの中サイズが25元(約400円)だった。

ドトールコーヒーがなぜ中国に進出したのか。ドトール・日レスホールディングスの海外事業本部シニアプロジェクトマネジャーの張志成氏は、その理由をこう説明する。

「上海は中国で一番の経済都市。あとは外国の文化を積極的に受け入れようとする都市となると、北京よりは上海と広州です。また、中国はこれから更にコーヒーのマーケットが成長していきます。中国のコーヒーの消費量は、毎年15%くらい上がっている。これらが大きな理由です」(張志成氏)
ドトールはその数年前に上海への進出を準備していたが、当時は領土問題で日中関係が悪化したこともあり、一時、頓挫していた経緯がある。その後、再び上海の現地パートナーとともに、オープンにこぎつけた。ドトールとしては以前から海外展開を考えており、すでに台湾やマレーシアにも出店している。

「ドトールとしてのブランドを海外に広げていきたいという夢がありました。ただ、会社の売り上げに占める割合は、国内の売り上げが大半で、海外での売り上げ増はこれからです。我々としては日本で、美味しいコーヒーを何十年も手頃な価格で提供してきた自負がある。中国でも美味しいコーヒーを提供したい」(同)
早々に上海進出した2社、撤退したサンマルク

日系企業のオフィスが多い上海の古北エリアにある「PRONTO(プロント)」。

冒頭のとおり、日本で馴染み深いPRONTO(プロント)やコメダ珈琲店も、数年前に中国第1号店として上海に進出し、現在も営業を続ける。一方で撤退企業もすでに出ている。サンマルクカフェは一時、上海市内で3店舗まで広げたが、現在は全て閉店した。

また、純粋なカフェとは異なるが、ミスタードーナツは上海で20年に渡って営業してきたが、2019年3月に、同じく閉店している。

スタバより高い「高級路線」で進出した堀口珈琲

上海の堀口珈琲で飲んだ焙煎コーヒー。イギリス租界時代の歴史的建築物で営業を続けている。焙煎コーヒーの価格は98元(約1570円)。ドトールやスタバよりはるかに「高級路線」だ。

東京・世田谷区が本社の「堀口珈琲」は、焙煎コーヒー豆の生産や小売りなどが中核事業で、東京のコーヒー好きには知られるチェーンだ。しかし、店舗はまだ都内に3店舗のみ。日本の他地域に広げる前に、なぜ上海に出店したのか?

そんな疑問を抱えながら訪れた店舗は、見事に満席という人気ぶりだった。堀口珈琲の伊藤亮太社長は、外灘という超一等地に第1号店を出した理由として、宣伝効果を挙げる。

「戦略的な出店と割り切った。地価も高いですが、そういうところに店を出せるブランドなんだということですね。それからいろんなところに出していくということです」
さらに上海進出の資金について深堀りすると、中国の店舗はいわゆる看板貸しの形で、パートナーとして組んだ香港人たちのグループが資金を出していることもわかった。

伊藤社長は、彼らと一緒になって海外出店をした理由を、「熱意」だと口にする。

「日本国内の市場は縮小傾向ですし、今後アジアの市場というのは重要だなとここ数年考えていました。ただ、我々には自力で中国に出店するだけのリソースが無かった。だから、良い現地のパートナーがいれば出店しようと思っていました。良いパートナーとは、我々の理念、ブランド価値をきちんと理解してくれる(相手であること)。中国の市場で広めてくれる熱意が重要だと思っている。今回たまたまそういうパートナーに恵まれました」
現在のパートナーと組む前、2014年頃にも上海人のある夫婦から話があったという。当時、コーヒー投資ブームがあったせいか、夫婦の視点はビジネスに終始しており、コーヒーという嗜好品への熱意が感じられなかったため、オファーは断った。

上海の観光地・外灘に出店した堀口珈琲。

上海の観光地・外灘に出店した堀口珈琲。

その後、現在の香港人のグループから話が来た。

彼らはコーヒー好きで、日本に何度も旅行などで訪れており、堀口珈琲を気に入っていた。そして、この堀口珈琲をそのまま中国に持っていきたいと、伊藤社長に話を持ちかけた。「彼らだったら、我々のブランドを使って、むちゃくちゃにはしないだろうなと」約半年の間じっくり交渉した上で、ゴーサインを出した。

「市場のポテンシャルとして中国は大きい。まず海外でやるのなら、中国、上海ではないだろうかと。ただし、我々はどんどん儲けるというよりは、まずは堀口珈琲のブランドの基礎を上海で築きたい。良いコーヒーだけでなく、サービスも含めて、パートナーに注力してほしかった。
きちんとビジネスが軌道にのって、彼らが1店舗目もしっかり作って基礎ができたら、2店舗目、3店舗目とゆるやかに成長していけるように、あまり彼らを焦らさせないようにしました。最初からロイヤリティをもらうとか考えずに、まずは焙煎したコーヒー豆の卸売先という形にしました」(伊藤社長)
堀口珈琲の隣接店にはライバル「アラビカ」もいる

堀口珈琲の隣にあるアラビカの上海第2号店。

上海の旧フランス租界にあるアラビカの上海第1号店。常に人で溢れる人気店。

堀口珈琲のようなスペシャルティコーヒー屋が進出する背景には、焙煎コーヒーなどの高級志向の消費が、中国でも急速に高まっていることもある。

実は堀口珈琲の隣には、香港が発祥で日本では京都で3店舗を展開する人気の焙煎コーヒー屋「% ARABICA(アラビカ)」が、上海第2号店を構えている。さらに、スターバックスの高級店も同じ通りにある。

そういった状況は、高級コーヒーへの需要の高さを示している。だから投資家たちは、ブルーボトルも参考にしたという「日本の喫茶店文化(焙煎コーヒー屋)」に注目したのかもしれない。

日本と中国のミレニアル世代消費はここまで違う

上海の旧フランス租界エリアにある自家焙煎コーヒー店「RUMORS COFFEE」。日本人の中山恵一さんが中国人の奥さんと切り盛りする。

脱サラして上海で2011年から、本格的な自家焙煎コーヒー店「RUMORS COFFEE(ルマーズコーヒー)」を開いている中山恵一さんは、日本と中国でカフェに求められるものの違いがあるとする。

「日本と中国は生活スタイルが違う。例えば、中国では日本のように駅近くのカフェで、ビジネスマンが確実に集まって商談の場になったりしている訳でもありません」
また、中国では1990年〜95年以降生まれの世代を中心に、従来のコーヒーの楽しみ方とは異なる飲み方が見られるとも言う。

「コーヒー本来の味を楽しむということにこだわらず、カクテルのようにコーヒーにお茶やフルーツを入れて楽しんだり、新しいオシャレなカフェには行列してでも飲むような若者も増えている」
こういう話を見聞きすると、中国のコーヒーカルチャーに合わせて、日本のコーヒー店の「ローカライズ」も今後進みそうな感触もある。もちろん、巨大市場に期待して、中国、上海に進出する日本のコーヒー店がさらに増える可能性もあるだろう。

(文、写真・大塚淳史)

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cat_oa-businessinsider_issue_d78583987b89 oa-businessinsider_0_7f133bfe93e9_ファーウェイが独自OSを開発中、アンドロイドやウィンドウズの提供中止に備える 7f133bfe93e9

ファーウェイが独自OSを開発中、アンドロイドやウィンドウズの提供中止に備える

壇上に並んだ同社幹部の前で語るファーウェイの胡輪番会長。
AP/Kin Cheung

・ファーウェイは、アメリカ製製品の使用が禁止された場合にグーグルのAndroidやマイクロソフトのWindowsを代替する独自OSを開発していることを認めた。ドイツのニュースサイトDie Weltが伝えた。
・ファーウェイが最近、アメリカ政府を相手に訴訟を起こしたことで、ファーウェイ製品の販売が禁止される可能性が高まっている。
・「我々は独自のOSを準備している。これらのシステムが使えなくなった時に備えている」と同社幹部のリチャード・ユー(Richard Yu)氏は述べた。
・ファーウェイは現在、スマートフォンにはアンドロイドOS、ノートPCやタブレットにはウィンドウズを使用している。
更新:この記事は2019年3月に公開した記事。トランプ大統領の大統領令を受けてグーグルはファーウェイとの関係を断った。

ファーウェイは、アメリカ製製品の使用が禁止された場合にグーグルのアンドロイドやマイクロソフトのウィンドウズを代替する独自OSを開発していることを認めた。ドイツの新聞Die Weltが報じた。

ファーウェイが最近、アメリカ政府を相手に訴訟を起こしたことで、ファーウェイ製品の販売が禁止される可能性が高まっている。

「我々は独自のOSを準備している。これらのシステムが使えなくなった時に備えている」と同社幹部のリチャード・ユー(Richard Yu)氏は述べた。

ファーウェイの広報担当者にコメントを求めたが、回答は得られなかった。

ファーウェイは、セキュリティ上の懸念を理由に同社の通信機器の使用を連邦政府職員に許可しなかったとしてアメリカ政府を訴えている。同社は、アメリカ政府はセキュリティに関する主張を立証する証拠を提供しておらず、アメリカ政府は憲法に違反していると述べた。

[原文:Chinese tech giant Huawei has developed its own operating system as a 'plan B' in case it's barred by the US government from using Google and Microsoft products]

(翻訳、編集:増田隆幸)

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cat_oa-businessinsider_issue_d78583987b89 oa-businessinsider_0_ff39c35cd405_「消費増税→日銀が追加緩和」でも円高リスク。トランプ政権の尻ぬぐい迫られるFRB ff39c35cd405

「消費増税→日銀が追加緩和」でも円高リスク。トランプ政権の尻ぬぐい迫られるFRB

景気の先行きへの不透明感が高まるなか、また消費増税の延期を巡る議論がくすぶり始めている。
Shutterstock

世界経済は米中貿易協議を中心に荒れ模様だが、日本では2019年5月13日公表の3月景気動向指数における基調判断が2013年1月以来、6年2カ月ぶりに「悪化」となったことで増税延期議論がくすぶり始めている【図表①】。

6年2カ月ぶりの「悪化」と増税の行方

【図表1】

景気動向指数の基調判断における「悪化」は「下方への局面変化」の次のステップである。「下方への局面変化」という表現は2019年1、2月に使用され、これは「事後的に判定される景気のピークが、それ以前の数カ月にあった可能性が高いことを示す」ことを意味していた。

今回、その基調判断から「悪化」へシフトしたことを考えると、2019年1月の月例経済報告の公表日の記者会見で茂木敏充経済財政相が「戦後最長の景気回復(74カ月目)となったとみられる」と表明した今回の局面は、実は最長ではなかったのではないかという疑義も強まるだろう。

もっとも景気動向指数を用いた基調判断は機械的な運用に任されており、政府としての正式な景気判断は月例経済報告で示されることになる。 

政府・与党の要人発言の通り、現状では予定通り「10月に消費増税」が基本線であり、金融市場におけるあらゆる資産価格の予測もこれを前提とするのが筋だろう。

だが、景気動向指数の「悪化」判断を契機として、明らかに衆参同日選挙というフレーズが世の中で取り沙汰されるようになっており、本当にそうなる場合は実施の大義が「増税の可否」となる可能性が否めない。

冷静に考えると、増税後に想定される景気失速や、その後に控える五輪開催まで見据えれば、総選挙のチャンスはそれほどないという実情は確かにある。もし「増税の可否」が大義に挙げられてしまった場合、有効な対案を持たない野党は手痛い結果に直面する公算がかなり大きい。

日銀短観に注目が集まる

日銀短観の6月調査では、ヘッドラインとなる大企業・製造業の業況判断DIはさらなる失速が見込まれている。落ち込みの「深さ」がどれほどかは、消費増税を予定通り実施するかを政権が決める際にカギとなる景気判断に重要な意味を持つはずだ。
Lerner Vadim / Shutterstock.com

とはいえ、各国のPMI(購買担当者景気指数)などに象徴されるソフトデータ(消費者や企業などの心理状態を判断するために実施される調査のデータ)はそろそろ下げ止まっても不思議ではないほど急落している。今後、底打ちに賭ける向きも徐々に増えてくるだろう。

もとより「年後半に中国の刺激策が顕現化するに伴って世界経済も復調する」というのが2019年のコンセンサスに近いことを思えば、現時点で政府が景気後退の判定に舵を切り、増税を再考するハードルも低くない。

【図表2】

そのような判断を下すにせよ、7月1日発表の日銀短観(6月調査)などを待っての動きとなるだろう。とくに日銀短観の6月調査ではヘッドラインとなる大企業・製造業の業況判断DIはさらなる失速が見込まれており、この深さがどれほどかは景気判断に重要な意味を持つはずだ【図表②】。

実際、自民党の荻生田光一幹事長代行が4月18日、6月短観を増税判断の重要な材料にするという発言をしたことが、注目されたばかりである。

もちろん、5月20日に公表された2019年1~3月期の実質国内総生産(GDP)が前期比0.5%増(年率換算では2.1%増)となったことも重要だが、これはしょせん、過ぎた話でもある。より近況をつかむという意味で短観の結果は重いはずだ。

政府の「政策補完」を強いられる日銀とFRB

予定通り「10月増税」となれば、黒田東彦総裁率いる日銀の追加緩和策への期待も高まるだろう。今さら効果的なカードが残されているとも思えないが、「何もしない」ことが許されるとも考えにくい。
REUTERS/Issei Kato

仮に予定通り「10月増税」となれば、これを相殺するための財政出動はもちろん、日本銀行の金融緩和策への期待も自然と高まるだろう。今さら効果的なカードが残されているとも思えないが、これまでの経緯に鑑みれば「何もしない」ことが許されるとも考えにくい。

片や、アメリカに目をやると、米連邦準備制度理事会(FRB)もトランプ政権の保護主義政策にまつわる米経済への悪影響を相殺すべく、緩和路線を強いられる環境にある。

2018年以降、トランプ大統領がFRBへの苦情を公言するようになった背景には、自身の保護主義が経済・金融情勢の悪化を招くような事態になった場合、責任転嫁できるようにしておきたいというアリバイ作りの側面もあると筆者は考えている。

こうして考えると、今後、日米の中央銀行は共に政府の経済政策を補完する(させられる)立ち位置に追い込まれる未来にあるように思える。具体的には両者ともに政府の経済政策の副作用を抑えるべく、緩和方向の動きを強いられる未来である。

ここで日本(というか円相場)にとって重要なことは、FRBの政策姿勢が明確に緩和(ドル安)方向に傾斜している状況では、日銀がこれを押し戻すことが困難であるという事実だ。

それは日銀に限らず欧州中央銀行(ECB)であれ、イングランド銀行(BOE)であれ、同様である。

変動為替相場制において正確な予測は困難だが、アメリカの通貨・金融政策が為替市場の基本的な方向感を規定するというのは揺るがない鉄則である。

そう考えると、仮に消費増税に踏み切った場合は、その景気下押し圧力に加えてFRB由来の円高圧力にも直面する可能性が残る。やや心配な論点ではあろう。

ドルと円の「どうしようもない強弱関係」

基軸通貨である米ドルと、日本円などの非基軸通貨の間にはどうしようもない強弱関係がある。日銀がいくら緩和路線に舵を切ろうとしても円安になるような展開は期待できないと思われる。
Bloomberg Creative Photos /Getty Images

繰り返しになるが、現時点では「リーマン・ショック級の出来事が生じない限り、予定通り増税」が既定路線であり、市場参加者の大勢もそのメインシナリオで走っていることだろう。

しかし、その政策決定にまつわる内外経済環境が厳しいものになっていることも客観的な事実ではある。今後、国政選挙の日程などと絡めてそのシナリオが変わってくる可能性は十分あり、それは日銀の政策運営にも小さくない影響を与える可能性がある。

同時にFRBもタカ派(金融引き締めに積極的)路線への舵取りが政治的に難しくなっているという事情があり、日銀がいくら緩和路線に舵を切ろうとしても円安になるような展開は期待できないと思われる。それは基軸通貨と非基軸通貨の間のどうしようもない強弱関係であり、日銀や政府・与党の責任や能力の問題ではない。

FRBがトランプ政権の尻ぬぐいを任されそうな状況にある限り、ドル/円相場が円高方向に動くリスクが大きいことに何も変わりはないというのが筆者の基本認識である。

※寄稿は個人的見解であり、所属組織とは無関係です。


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cat_oa-businessinsider_issue_d78583987b89 oa-businessinsider_0_c37949e62bf6_ファーウェイめぐる「米中デジタル冷戦」 結局“とばっちり”を食らうのは日本企業だ c37949e62bf6

ファーウェイめぐる「米中デジタル冷戦」 結局“とばっちり”を食らうのは日本企業だ

日本でも展開される新型スマートフォン「Huawei P30シリーズ」。発表はすでにすんでいるが、実際の発売には懸念が出てきた(写真はグローバル版)。
撮影:小林優多郎

グーグルが中国・ファーウェイとの取引の停止を検討していると一部で報じられた。これにより、OSであるAndroidの供給や、Androidスマホに提供されているグーグルの一部サービスが使えなくなる懸念が出てきたとされた。

業界関係者の間では、先週の段階で「ファーウェイにAndoridが供給されなくなるのでは」という懸念がすでに頭の片隅にあった。米商務省が5月15日にファーウェイとその関連企業に対して、アメリカ企業による製品及びサービスの提供を規制すると発表していたからだ。

ファーウェイの規制を受けて、業界関係者の多くが2018年の「ZTE騒動」を思い出していた。

2018年4月、ZTEがイランや北朝鮮に通信機器を制裁措置に違反して輸出した問題で、ZTEが罰金の支払いに合意していたにも関わらず、虚偽の報告をしていたとして、アメリカ企業に対してZTEとの取引を禁止。「アメリカ企業がZTEに電話連絡することさえ禁止された」(米国企業関係者)という。

実際、クアルコムがチップセットをZTEに供給できなくなっただけでなく、日本で売られているスマホなどのソフトウェア更新が止まる事態に陥ったのだった(その後、2018年7月には取引禁止が解除)。

中国以外では、グーグルの影響は大きい

すでに多くの製品を日本で展開しているファーウェイ。すでに同社製品を購入したユーザーに影響はないのか。
撮影:小林優多郎

ファーウェイのスマホに関しても、ソフトウェア更新が停止されたり、Google Playが使えなくなる可能性が浮上してきたが、今回の件に関して、グーグルはいち早く「私たちは命令を遵守し、影響を検討している。Google PlayやGoogle Play Protestによるセキュリティ保護は、既存のファーウェイ端末では引き続き提供していく」とコメント。既存のファーウェイスマホユーザーが何らかの影響を受けるのは、ひとまず回避されたようだ。


しかし、このグーグルのコメントはあくまで「既存のファーウェイ端末(existing Huawei devices)」という言い方にとどまっている。場合によっては、これから発売される機種に関してはGoogle Playなどが提供できなくなる可能性は捨てきれない。

仮にグーグルのサービスが搭載できないとなれば、ファーウェイのスマホ事業は大打撃を受けることは間違いない。中国国内向けであれば、オープンソースで公開されている“素のAndroid”(もしくはそれをベースとしたカスタマイズOS)を使い、中国国内向けのアプリストアやネットサービスに対応すれば何の問題もない。

しかし、日本をはじめとする中国以外の国向けとなれば、グーグル関連サービスの対応は必須といえる。現在、世界第2位のスマホ販売シェアを誇るファーウェイだが、世界でAndroidスマホが売れなくなるとなれば、シェアの急降下は避けられない。

とばっちりを受けるのは、結局日本企業

カメラやディスプレイ、センサー類など、ファーウェイ製スマートフォンには日本企業の部品が採用されている場合が多い。
撮影:小林優多郎

もし、ファーウェイ製スマホが売れなくなると、とばっちりを受けるのは実のところ日本企業だ。

ソニー、パナソニック、京セラ、ジャパンディスプレイ(JDI)、村田製作所など、ファーウェイに部品を供給しているメーカーは数多い。

実際、ファーウェイは日本企業から2017年には5000億円、2018年には6800億円規模で部材を調達しているという。ファーウェイ製スマホの売り上げが落ちれば、日本メーカーへの悪影響は避けられないのだ。

ただ、今回の一件は、トランプ政権と中国政府との交渉の切り札として使われた可能性が高く、両国の交渉によっては、早期に規制が解除されることもあるだろう。

国内キャリアでは「チャイナリスク」懸念の動き

撮影:伊藤有

日本ではSIMフリースマホで人気を得たファーウェイだが、この夏商戦では、NTTドコモが「HUAWEI P30 Pro」、KDDIが「HUAWEI P30 lite Premium」、ワイモバイル(ソフトバンク)が「HUAWEI P30 lite」を取り扱う。2018年から引き続き、キャリアがファーウェイをラインナップに追加する動きが加速している。

一方で、昨今の状況を踏まえて、キャリアの中にはいわゆる“チャイナリスク”を意識するような動きも出始めている。

例えば、ドコモの夏商戦モデルの中には、新たにシャープのモバイルWi-Fiルーターがラインナップされている。これまでモバイルWi-Fiルーターと言えば、ファーウェイの代名詞的な存在だったが「法人顧客のなかには中国メーカー製品を選びづらいという企業もある。顧客に選択肢を与えるため、シャープに作ってもらうことにした」(業界関係者)と言うのだ。

タブレットやキッズケータイなどもファーウェイが得意とするところだが、今後は別の選択肢として、日本メーカー製品も用意していく可能性があるようだ。

2019夏モデルの「ファーウェイ」は“既存端末”に含まれる?

ドコモ2019年夏モデル発表会でハイエンドモデル「P30 Pro」の特徴を説明するNTTドコモの吉澤社長。
撮影:伊藤有

5月16日の新製品発表会でP30 Proを披露したドコモ社長の吉澤和弘氏は、米商務省が5月15日にアメリカ企業がファーウェイに対する製品及びサービスの提供を規制すると発表したことを受けて「米国政府が150日以内に(方針を)決めると思うが、先ほど、報じられたばかりであり、適切に対応していくというのが今の考え方」とコメントしていた。

夏モデルの中でも前評判の高いP30 Pro。「今夏発売予定」となっているが、果たして、このスマホはグーグルが言う「既存のファーウェイ端末」に含まれるのか?

ファーウェイだけでなく、キャリアや部品メーカー、さらにはユーザーなど、日本の多くの関係者が、トランプ政権と中国政府の交渉の行方を固唾を呑んで見守ることになりそうだ。

(文・石川温)


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cat_oa-businessinsider_issue_d78583987b89 oa-businessinsider_0_3a752f79e041_「ユーザー数は追わない」質問サイトQuora、日本進出2年目の挑戦:創業者に聞く 3a752f79e041

「ユーザー数は追わない」質問サイトQuora、日本進出2年目の挑戦:創業者に聞く

撮影:西山里緒

知識共有プラットフォーム「Quora(クォーラ)」は2009年の創業から10年、月間ユニークビジター数が全世界で2億人を数える巨大プラットフォームだ。

2017年4月には8500万ドル(約93億円)の資金調達を実施し、企業価値は18億ドル(約2000億円)にもなったと報じられた。2017年11月、日本にも進出したQuoraは「質問サイト」の未来をどう見ているのか?共同創業者兼CEOに聞いた。

質を判別する数百の基準

Quora CEOのアダム・ディアンジェロ氏。Facebookの初代CTOとしても知られる。
撮影:西山里緒

バラク・オバマ元大統領やフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグ氏なども過去に参加し、本国アメリカではすでに質問サイトとして不動の地位を築き上げているQuora。

2017年には日本版もリリースされたが、Quoraを立ち上げた35歳のCEO、アダム・ディアンジェロ氏は、やみくもにユーザー数を追い求めることはしないという。

日本においてはYahoo!知恵袋をはじめとして、はてなやOKWAVEなど、すでに10年以上続いている質問サイトも多く、競合の壁は高い。

それらのサービスとの違いとして、ディアンジェロ氏は「回答の質の高さ」を真っ先にあげる。

誰が回答したか、誰が投票したか、回答の内容、回答者は専門知識を持っているか……など、質を判別するための数百の基準があり、すべての総合評価によって、表示される回答が選ばれるという。

例えば

「世界的なプログラミング言語を開発出来たら莫大なお金を手にすることは可能でしょうか。例えばRuby(プログラミング言語のひとつ)を開発したまつもと氏は、Rubyの成功によりどの程度の儲けを得たのでしょうか?」
という投稿には、まつもと氏本人からの回答もある

(サラリーマンプログラマーとしては充分な収入を得ているが、たとえRubyを開発したとしても給与と副業の収入でいわゆる『莫大なお金』でイメージされる「儲け」を得ることは現実的ではなく、ストックオプションなどの別の手段が必要、とのこと)。

Yahoo!知恵袋では「ベストアンサー」は投票による多数決、もしくは質問者本人によって選ばれている。質問には直接答えてはいないが笑える“大喜利”回答も、Quoraでは「削除対象になる」というから、いかにQuoraが「質の高さ」に力を入れているかがわかる。

感覚値だが、確かに日本版Quoraをのぞいてみると、政治などの“荒れやすい”トピックでも、比較的落ち着いた議論が繰り広げられているようだ。

「質問のデータベース化」に強み

質問サイトに未来はあるのか?
Charles Brutlag / Shutterstock

創業から10年足らずでユニコーン(企業価値10億ドル以上で、未上場のベンチャー)となったQuoraだが、すでに成熟市場のように感じられる質問サイトに、さらなる成長性はあるのだろうか。

Twitterで匿名の質問を送ることができる質問箱や、インスタグラムの質問機能など、カジュアルに質問ができる機能はすでに多くのアプリに実装されている。

一方で、グーグルの高度なアルゴリズムによって、「OK、グーグル」と尋ねれば、特定のトピックの知識は瞬時に得ることができるようになっている。

グーグルとの違いについてディアンジェロ氏は「グーグルはすでにある情報を収集・整理(インデックス化)するのに長けているが、Quoraの特徴は新しい情報を生み出すこと」と語る。

「あなた(筆者)も記事を書くとき、ただグーグルで検索するのではなく、人に会ってインタビューをして、知識を得ますよね?Quoraでも、まったく同じことができるのです」
また、Twitterやインスタグラムの質問ではすぐに回答が流れてしまうが、Quoraでは「質問がデータベース化され、知識が蓄積されていく」点を強みとして挙げている。

使われ方としては、新聞やフォーラム、そして“より特定された知識が見つかる”ウィキペディアに近い ── ディアンジェロ氏はQuoraをそう位置付けている。

KPIは追い求めない
「いずれはIPOを目指したいが、今はそこには注力していない」というディアンジェロ氏。

機能の大きな変更も考えていないというが、4月からはQ&A方式にこだわらず、テーマ別に知識を共有できる新機能「スペース」(日本版)を展開している。

「KPIを追い求めすぎた結果、多くの質問サイトの質が悪くなってしまうのを見てきました。質を悪くすればユーザー数を増やすことは簡単ですが、私たちはそれを目指しません」
急激な成長ではなくマイペースに「質」を求めること、多言語展開を強化していくこと、を今後のプランとして強調したディアンジェロ氏。

すでに10年選手となったシリコンバレー発ベンチャーが、日本の生活に浸透する日も来るのだろうか。

(文・写真、西山里緒)

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cat_oa-businessinsider_issue_d78583987b89 oa-businessinsider_0_8c5cb1ed32bb_お腹を空かした銀行員のアイデアが評価額40億円に、アマゾンが出資した「デリバルー」の歩み 8c5cb1ed32bb

お腹を空かした銀行員のアイデアが評価額40億円に、アマゾンが出資した「デリバルー」の歩み

Reuters

・料理デリバリーのデリバルー(Deliveroo)はイギリスで最も注目され、最も評価額の高いスタートアップ。評価額は少なくとも20億ドル、アマゾンなどからの5億7500万ドルの調達により、もっと高くなっただろう。
・Business Insiderは同社の評価額は少なくとも40億ドルに達したと考えている。
・同社は元銀行アナリストで、テイクアウト料理の選択肢の少なさに怒っていたウィル・シューが創業した。
・ウーバーは以前、デリバルーの買収の検討を始めたと伝えられた。だが実現しなかった。
いつでも、どこでも、食べ物を届けてくれるアプリ。

誰もが思いつくコンセプトだった。デスクで潰れたサンドイッチを食べている人ならきっと誰でも思いついたはずだ。

デリバルー(Deliveroo)の共同創業者兼CEOのウィル・シュー(Will Shu)もそう理解していた。このアイデアは「難しいものではなく……誰でも思いつくもの」と彼は2017年、イギリスの新聞「アイ(i)」に語った。

だが、2013年、シューと共同創業者のグレッグ・オーロウスキー(Greg Orlowski)はサービスを徹底的にシームレスにすることで、誰もが思いつく夢を現実にした。そして2019年5月17日(現地時間)、2人のシンプルなアイデアは大きく実を結んだ。同社はアマゾンなどからの5億7500万ドル(約630億円)の調達を発表した。

デリバルーのアプリを使うと数千店のレストランからのデリバリーが可能となる。その多くは、アプリが登場する以前はデリバリーサービスを行っていなかったレストラン。デリバルーの最終目標はレストランからのデリバリーを簡単にすることだけではなく、家庭での料理の手間をなくすことだ。

同社はフードデリバリーに革命をもたらした。今回の調達以前、同社の評価額は20億ドル、数十億ドルでのウーバーへの売却も噂されていた。アマゾンからの調達により、同社の評価額はおそらく20億ドルを超える。

道のりは容易なものではなかった。シューらはデリバリーを担当するフリーランス・ライダーの権利や低収入といった難しい問題に取り組まなければならなかった。

デリバルーのここまでの道のりを見てみよう。

2001年:デリバルーの創業者ウィル・シューはニューヨークのモルガン・スタンレーでアナリストとして働いていた。長時間働き、遅くなった時は同僚と25ドルのテイクアウトを食べた。

Deliveroo


2004年:シューはロンドンのオフィスに移った。そこではテイクアウトに費やす余裕がなくなった。毎晩、地元スーパーのテスコ(Tesco)で食べ物を買って帰り、悲惨な夜を過ごした。Startups.co.ukによると、彼は「本当に気分が滅入った」と語った。

REUTERS/Toby Melville


2006年後半:シューはヘッジファンドで働いていた。収入も上がった。Just Eatなどのテイクアウト市場は生まれていたが、まだ物足りないものだった。「カスタマーエクスペリエンスが良くなかった」と彼は語った。

napocska/Shutterstock


2007年後半:もっとうまくできると確信し、シューは学校時代の古い友人で開発者のオーロウスキーに連絡した。2人はデリバルーの最初のバージョンを作った。だがうまく行かなかった。その理由の一部は、スマートフォンが登場してまだ間もなかったこと、アプリはまだ普及していなかった。

初代iPhoneは登場したばかり。シューはまだアプリを想定していなかった。
AP


2010年6月:シューはアメリカに戻り、ウォートンでMBAを取った。「2年間、飲んで、あてもなく過ごした。だが考える時間はあった」。

The Wharton School/Facebook


2012年8月:アップルはiPhone 5をリリースしようとしていた。App Storeはスタートから4年が経っていた。iPhone以外のスマートフォンも登場していた。コンセプトを実現することに戻る時期が来た。

iPhone 4とiPhone 5。
Reuters/Yves Herman


2013年2月:シューとオーロウスキーは再びデリバルーを開発するためにチームを組んだ。場所はシューのチェルシーのアパート。2人は料理を配達するために大勢の人員が必要となること、アプリを使ってコミュニケーションする必要があることを理解していた。だが2人は支持を得ることに苦戦した。

Sandip Bhattacharya/Flickr


2013年2月:シューによると、懐疑的な人たちは彼に、イギリス人は良い料理をデリバリーして欲しいとは思わないと語った。

Flickr/Saaleha Bamjee


2013年半ば:シューはデリバルーの1人目の「ライダー」として働いた。レストランから料理をピックアップし、顧客に届け、ライダーを実際に体験した。伝えられたところによると、彼の友人たちは元アナリストが配達員として働いている姿を見るためだけに料理を注文した。

ライダーのユニフォームを来たシュー。
Deliveroo


2013年半ば:フォーブスによるとシューは元上司にピザを配達した。元上司は、シューが大変なことになっていると思った。シューは「大丈夫です」と言い、説明せずに立ち去ったと語った。

Yelp

フォーブスによると、シューはデリバリーの実情をより理解するために、1日6時間スクーターに乗った。


2014年6月:わずか3店のレストランでサービスをスタートした後、デリバルーは最初の資金調達を実施、275万ドルをIndex VenturesとHoxton Venturesから調達した。この資金調達で同社は成長企業として注目を集めることになった。

初期のメンバー。シューは前列中央、真ん中でカンガルーの格好をしているのがオーロウスキー。
Index Ventures


2014年後半:デリバルーは初めてロンドン以外の都市、ブライトン(Brighton)にサービスを拡大した。

Vladislav Gajic / Shutterstock


2015年:デリバルーは再び資金調達を行い、海外に展開した。4月までにパリとベルリンでサービスを開始、美食の街パリでサービスは驚くほどうまく行った。

Flickr / Alpha


2015年後半:サービス開始からわずか2年でデリバルーはユニコーンに近づき、評価額は6億ドルを超えた。だが10億ドルを超え、ユニコーンになるには1年以上かかると思われた。

Sean Gallup/Getty Images


2015年12月:逆風が生まれた。デリバルーは配達のために数百人のライダーを抱えていた。だが同社はライダーを直接雇用していない。同社はギグエコノミーにおける報酬と労働条件という新しく生まれた議論に巻き込まれた。

Sam Shead/Business Insider UK

ガーディアンはデリバルーの低い報酬と劣悪な労働環境を批判した。


2016年2月:デリバルーの共同創業者グレッグ・オーロウスキーはひそかに同社を去った。彼は母親のためのミーティングアプリ、ピーナツ(Peanut)の共同創業者となった。

Peanut


2016年5月:デリバルーは、レストランがより多くのテイクアウト・オーダーに対応できる野心的なプランの検討を始めた。大きなコンテナを駐車場に置き、デリバルー専用のミニキッチンに変えるというプランだ。

James Cook/Business Insider


2016年8月:デリバルーは2億8500万ドルを調達、ユニコーンに近づいた。同社はイギリスのテック系スタートアップで最も勢いのある企業となり、ユーザーに愛される企業となった。

Deliveroo


2016年9月:同社は可愛い、マンガチックなカンガルー・ロゴをやめ、幾何学的で抽象的なロゴに変更した。新しいロゴは無作法な2本指のジェスチャーのようにも見えると考える人もいる。

新しいロゴもカンガルーをモチーフにしている。
Deliveroo


2016年9月:フェイスブックの元プロダクト・マネジメント・ディレクター、マイク・ハダック(Mike Hudack)が新しいチーフテクノロジー・オフィサーとして加わった。

Mike Hudack


2016年11月:ギグエコノミーを取り巻く問題は同社を直撃。ギグエコノミー・ワーカーを対象とした独立系労働組合IWGBは、デリバルーに新しい雇用条件の承認を求めた。

PA Images


2017年1月:デリバルーはイギリスの元財務大臣ジョージ・オズボーン(George Osborne)の元政治顧問テア・ロジャース(Thea Rogers)を雇用、同社の成長を政治的な視点から監督することがその役割。

Deliveroo


2017年1月:ギグエコノミー企業に対抗して成功を収めてきた法律事務所Leigh Dayは、デリバルーに対し、ライダーの権利について訴訟を起こす準備があると発表した。

REUTERS/Charles Platiau


2017年4月:デリバルーは老舗レストランのためのテイクアウト専用の簡易キッチン「Deliveroo Editions」を発表。

Business Insider/James Cook


2017年7月:新しいロンドン本社に移転。ジム、吹き抜けの「センターコート」と呼ばれる会議スペースがある。

大人数でのミーティングに使われるセンターコート。スポーツ用ではない。
Deliveroo


2017年7月:スカイニュース(Sky News)はソフトバンクが同社への出資を検討していると伝えた。だがこれは実現しなかった。おそらく、ソフトバンクがデリバルーのライバル、ウーバーに出資していたことがその理由。

ソフトバンクはウーバーの大株主。ウーバーはデリバルーの競合サービス、ウーバー・イーツを運営している。
Koki Nagahama/Getty Images


2017年9月:取締役のマーチン・ミグノット(Martin Mignot)が同社の最終目標を明らかにし、大きな話題となった。同社の最終目標は家庭での料理をなくすこと。同社は家庭での料理よりも、テイクアウトをより簡単に、より安価なものにすることを目指している。

Index Venturesのパートナーでデリバルーの取締役、マーチン・ミグノット。
Index Ventures


2017年9月:デリバルーはフィデリティ(Fidelity)、ティー・ロウ・プライス(T Rowe Price)といったアメリカの大手ファンドから3億8500万ドルを調達。評価額は20億ドルに達し、イギリスで最も評価額の高いスタートアップの1つとなった。

AP / Leo Correa


2017年10月:ガーディアンは、デリバルーは自治体に期間限定キッチンを作る許可を得ておらず、近隣の住人は騒音に不満を述べていると伝えた。

Deliveroo


2017年10月:ライダーを従業員として扱うことになれば、成長できないだろうとデリバルーは述べた。

同社のイギリス担当マーケティング・ディレクター、ダン・ウォーン(Dan Warne)。
UK Parliament


2017年11月:シューは、株式公開は「割と論理的」なこととBusiness Insiderに語った。投資家たちはもちろんリターンを望んでいた。

Reuters/herval


2017年11月:同社は労働組合IWGBとの法的な争いに勝利した。裁判所は、デリバルーはライダーを労働者と見なす必要はないとした。シューは政治家、ジャーナリストにはライダーの権利に関して多くの誤解があるとBusiness Insiderに語った。

Getty


2018年3月:コスト削減のための大胆なプランが明らかになった。報道によると、同社はコスト削減のために最終的に自社で料理を提供することを計画している。

Prarinya/Shutterstock


2018年5〜8月:デリバルーはライダーの福利厚生に注力。事故時の補償、救急訓練、世界的な医療保険などの提供を開始した。

Deliveroo


2018年5月:デリバルーは有名シェフと提携し、新しい実験的なコンセプトを実現するために650万ドルを投資すると発表した。

Ivana Lalicki/Shutterstock


2018年6月:すでに世界12カ国で事業を展開するデリバルーは、シューの元々の競争相手であるJust Eatを買収し、イギリスでの事業を拡大すると発表。買収により、5000以上のレストランがデリバルーのアプリに加わった。

Deliveroo


2018年9月:急速な成長にもかかわらず、デリバルーはまだアメリカではサービスを展開していなかった。

Getty


2018年9月:メディアはウーバーがデリバルーの買収の検討を始めたと伝えた。買収額は同社の評価額である20億ドルを上回ると予想された。

ウーバーのダラ・コスロシャヒCEO。
Getty


2019年5月:ウーバーとの話はなくなった。だがアマゾンが同社への5億7500万ドルの投資に参加。この巨額の投資により、当面はIPOの必要性はなくなった。またアメリカからの投資は待ち望まれたものだった。デリバルーはイギリス最大のテック系ユニコーンとなり、評価額は40億ドルを超えた。

アマゾンのジェフ・ベゾスCEO。
JASON REDMOND/AFP/Getty Images


デリバルーには現在、8万を超えるレストランが参加している。また同社によると、世界中に6万人のライダーと2500人の従業員を抱え、オーストラリア、ベルギー、フランス、ドイツ、香港、イタリア、アイルランド、オランダ、シンガポール、スペイン、台湾、アラブ首長国連邦、クェート、そしてイギリスの500以上の都市でサービスを展開している。

Reuters


※敬称略

[原文:How Deliveroo went from being the idea of a hungry banker to a $2 billion food delivery giant with backing from Amazon]

(翻訳、編集:増田隆幸)

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cat_oa-businessinsider_issue_d78583987b89 oa-businessinsider_0_fd4b4173efc1_「彼はヨーダ、フォースを持っている」WeWorkのCEOが明かす、ソフトバンク孫正義社長との最高の関係 fd4b4173efc1

「彼はヨーダ、フォースを持っている」WeWorkのCEOが明かす、ソフトバンク孫正義社長との最高の関係

2019年5月21日 04:30 Tomohiro Ohsumi/Getty Images

Tomohiro Ohsumi/Getty Images

・ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、ウィーワーク(WeWork)を含むさまざまなアメリカ企業に投資している。
・ウィーワークの共同創業者でCEOのアダム・ニューマン(Adam Neumann)氏は、孫氏との個人的な関係が将来のIPO(新規株式公開)に向けた目に見えない資産の1つだと、Business Insiderに語った。
アメリカの金融街は、世界各地でコワーキング・スペースを展開、上場の準備を進めているウィーワークに注目している。投資家の1人でソフトバンクグループの会長兼社長である孫正義氏は、ウィーワークの成功に100億ドル以上を賭けている。

Business Insiderは5月、ウィーワークの共同創業者兼CEOのアダム・ニューマン氏にマンハッタンにある同社の本社でインタビューをした。ニューマン氏は、ウィーワークの状態は批評家たちが考えているよりもいいと主張する。同氏は孫氏 —— ニューマン氏は孫氏のことを「マサ」とニックネームで呼んでいる —— との親密な関係が、自分にとっての目に見えない資産の1つだと語った。

「普段、わたしは物事をとても大きく考える方だ」とニューマン氏は語った。「でも、マサといると、どんなに大きなことを考えても関係ない —— 彼は誰をも上回るから。彼は常に野心的だ。そこからわたしは多くを学んだ。今でも、彼とやりとりをするたびに学んでいる」という。同氏は、孫氏のような最高の関係を築いている投資家たちからのアドバイスや批判を積極的に取り入れたいと考えていると話した。

「マサの場合は、面と向かってがとてもうまくいく」と言い、「簡単にいかないときでも、わたしは飛行機に乗って東京へ行き、個人的な関係を築くんだ」とニューマン氏は語った。同氏はインタビューの中で、数日以内に彼と彼の妻でウィーワークのチーフ・ブランド・オフィサーでもあるレベッカさんが、孫氏とディナーを共にするため東京に向かうことを明かした。

「マサとレベッカはとても気が合うんだ。彼女はえり好みするタイプだから、興味深いよ。レベッカは彼のことが大好きなんだ。ヨーダって呼んでる」と、ニューマン氏は映画『スター・ウォーズ』のキャラクターを引き合いに出し、「彼はヨーダだ。フォースを持っているんだよ」と語った。孫氏はこの"小さな緑色のマスター"の言葉を打ち合わせやプレゼンテーションで定期的に引用している。

ニューマン氏は、2018年12月の予期せぬ問題が自身と孫氏との関係の強さを証明したと語った。

ソフトバンクは年内にウィーワークに200億ドルを投資する計画で、ニューマン氏はオプションを比較していた。ウィーワークは内々にIPOに向けた申請を行った。

ニューマン氏はその理由をこう説明する:

「オプショナリティが欲しかったから申請した。A:交渉で合意したからといって、交渉が終わったわけではない —— このときがまさにそうで、まだ署名していなかった。B:署名の瞬間まで、これほど大きな動きを自分だけでなく、従業員、投資家、わたしたちのメンバーのために強いなければならなかった。全てが終わる前に、最後にもう一度真剣に考えた。わたしたちの従業員とメンバー全員にとって、何がより良いことか? と」

孫氏は12月24日、ニューマン氏に電話をかけ、出資額が大幅に縮小されるだろうと伝えた。出資はビジョン・ファンドからではなく、ソフトバンクからになり、その額は1株あたり110ドル、40億ドルになるだろうと語ったという。ニューマン氏はこの案を50億ドルで押し返し、これに孫氏も合意、さらにもう10億ドルを加えて、合計で60億ドルを出資することになった(ニューマン氏は、出資額が当初の160億ドルから最終的に20億ドルになったとの報道は正確でないと述べた)。

この知らせは当初、ニューマン氏にとって受け入れがたいもので、クリスマスが終わるまで投資家には秘密にしていた。しかし、同氏は孫氏との関係を悪くすることなく、そこから立て直すことができたと言い、それは孫氏のやり方のおかげだと語った。ニューマン氏もその投資家たちも、当初の計画ほど多くを売らずに済んでよかったと満足しているとすら話した。

「人間関係は全てがパーフェクトなときでなく、問題が起きたときに評価が分かる」とニューマン氏は言い、「彼はわたしに直接電話をくれ、とても率直だった。具体的になぜなのか、彼はわたしに話してくれた」と語った。

[原文:How WeWork's CEO grew a $10 billion relationship with SoftBank CEO Masayoshi Son, whom he calls 'Yoda']

(翻訳、編集:山口佳美)

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