修理場に積み重ねられた、壊れたofoのシェア自転車。北京、2017年3月29日。
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ここ数年、中国ではシェア自転車のスタートアップがいくつも生まれた。スタートアップは「自転車版ウーバー」と呼ばれ、ユーザーはGPSを搭載した自転車のロックをスマートフォンで解錠し、乗り終わったら好きな場所に乗り捨てることができる。
だがスタートアップの数は多すぎ、需要は不足した。英ガーディアンは、2017年11月に第3位の規模のBluegogoが破綻した直後に、中国の都市でシェア自転車が山積みに放置されている様子を伝えた。無数の自転車の山の中には、大手のモバイク、ofo、そして破綻したBleugogoの自転車もあった。
その様子はまるで自転車の墓場。シェア自転車に多額の投資をしようとする中国の都市への警告のようだ。
ここ数年、中国の都市ではシェア自転車が急拡大した。
都市近郊に集められた各社のシェア自転車。浙江省杭州市、2017年9月7日。
Reuters
料金は30分あたり数円、他の国々の同様のサービスに比べると非常に安価。例えば、ニューヨークでは30分あたり3ドル(約320円)。
空き地に集められた自転車のロープをほどく作業員。福建省廈門市、2017年12月13日。
Reuters
いつでも利用できるよう、各社は都市に何千台もの自転車を配置した。
シェア自転車の山の前をシェア自転車に乗って通り過ぎる男性。福建省廈門市、2017年12月13日。
Reuters
だが、主に需要不足により、複数のスタートアップが破綻した。
放置された各社のシェア自転車。上海、2017年11月21日。
Reuters
Bluegogoは破綻後に声明を発表、同社CEOは拡大を急ぎすぎたことを謝罪し、「傲慢だった」と認めた。
放置された自転車が山積みに。中国のシェア自転車ブームと破綻の犠牲者たち。
空き地に山積みにされたシェア自転車。湖北省武漢市、2018年4月7日。
Reuters
業界の失速は、中国のシェア自転車の未来に疑問を投げかけた。
ラッシュアワーにシェア自転車で通勤する人々。北京、2017年3月27日。
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最近まで、自転車は中国の一般的な移動手段だった。
文化大革命の頃の広東省、建物の壁一面に壁新聞が貼られている。1966年頃。
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1990年代中頃には、中国の自転車保有者は5億2300万人に達した。特に北京では人気が高く、保有率は100人あたり72台となった。
交通渋滞がひどい上海では、自転車は効率的な移動手段だった。1993年10月。
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出典:CityLab
だが21世紀を迎えると車がステータスシンボルとなり、反自転車政策が始まった。広州市では自転車レーンが車用に変更され、大連市は「自転車ゼロ都市」を宣言した。
空き地に山積みにされたofoのシェア自転車。福建省廈門市、2017年12月13日。
Reuters
自転車は急激に減った。個人使用の車が増え、二酸化炭素の排出量も増えた。
放置された各社のシェア自転車。2017年11月21日。
Reuters
自転車人気を取り戻そうと、ここ数年で約30社のシェア自転車スタートアップが生まれた。成功の程度には差がある。
ラッシュアワーに新しいシェア自転車をトラックから降ろすofoの作業員。北京、2017年3月28日。
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シェア自転車はどこでも乗り捨てできるため、ユーザーは時に住宅地、公園、店舗など便利な場所に乗り捨てる。ショッピングモールの前には乗り捨てられた自転車が約3メートルの山になっている。
ショッピングモールの前の自転車の山。
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2017年3月、中国政府はシェア自転車200台に1人のメンテナンス要員を雇うよう義務づけた。つまり、業界全体で1万5000人を新たに雇わなければならない。収益の圧迫につながる。
各社のシェア自転車。上海、2017年11月21日。
Reuters
自転車の山は、急速に成長し、衰退した業界の思い出……。
修理のために路上に並べられた自転車を動かすofoの作業員。北京。2017年3月29日。
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[原文:These photos of dockless bike graveyards should serve as omens for Chinese cities]
(翻訳:山口玲子、編集:増田隆幸)